霜花(しもばな)の姫 ~香蜜が咲かせし愛~ 第53話 あらすじ/ネタバレ

復讐と絶望の淵に沈む旭鳳(きょくほう)は、両親の血の海の仇と自身の殺身之禍を忘れたことはありませんでした。彼は潤玉(じゅんぎょく)が天下に告げる布告を見つめ、怒りに燃え、魔界への道を歩み始めます。潤玉(じゅんぎょく)との決著をつけるため、不共戴天の仇を晴らすためです。

しかし、単身で固城王(こじょうおう)の地位を揺るがすことは難しいと悟った旭鳳(きょくほう)は、助力者を募ります。卞城王(べんじょうおう)は彼の計画を察知し、離川(りせん)と瓜二つの陌岐(ばくき)が現れます。彼は離川(りせん)の双子の兄弟であり、この時を待っていたのです。そして、その背後にはもう一人重要な人物が隠れていました。擎城王(けいせいおう)です。彼は燎原君の恩を受け、その善因が善果となり、旭鳳(きょくほう)の復讐への道を切り開きます。

陌岐(ばくき)は離川(りせん)として固城王(こじょうおう)の側近に復帰し、偽りの忠誠を尽くします。ついに固城王(こじょうおう)は真実を吐露し、焱城王(えんじょうおう)を殺害したことを認め、陌岐(ばくき)を口封じのために殺そうとします。その時、旭鳳(きょくほう)は擎城王(けいせいおう)と共に現れ、正邪の決戦が始まります。擎城王(けいせいおう)は大長老として固城王(こじょうおう)の罪を暴き、魔尊(まそん)の座から引きずり降ろします。固城王(こじょうおう)は諦めきれず抵抗しますが、旭鳳(きょくほう)の猛攻に敗れ、鎏英(りゅうえい)と暮辞(ぼじ)の追撃を振り切って天羅地網を逃れます。

魔界は新しい章を迎えます。擎城王(けいせいおう)の主導のもと、旭鳳(きょくほう)は多くの人々の注目を集めます。魔界の二派の争いを前に、擎城王(けいせいおう)は仮対を押し切って旭鳳(きょくほう)を次期魔尊(まそん)に推薦します。月下仙人の突然の訪問は、旭鳳(きょくほう)を思いとどまらせようとしますが、旭鳳(きょくほう)の決意は固く、魔界の民のために魔となることを誓い、魔血を飲みます。そして、隕魔杵を手にした旭鳳(きょくほう)は正式に魔尊(まそん)に即位し、その威厳は多くの魔族を跪かせます。

一方、天界では錦覓(きんべき)が旭鳳(きょくほう)が魔界に行ったという知らせを聞き、複雑な気持ちになります。彦佑(げんゆう)の訪問は、彼女の心を解きほぐすどころか、かつての二鳳への思いを募らせるばかりです。月下仙人が訪れ、錦覓(きんべき)を責めながらも、潤玉(じゅんぎょく)の誠意に打たれ、璇璣宮の束縛から逃れる手助けをします。

旭鳳(きょくほう)は修行のし過ぎで体調を崩し、穂禾(すいか)の献身的な看病に温もりを感じます。穂禾(すいか)の命を救ったお礼として、旭鳳は自ら鳥界に向かい、隠雀(いんじゅ)を倒して穂禾(すいか)に鳥族の首領の座を取り戻し、裏切り者の雀霊(じゃくれい)を厳罰に処し、魔尊(まそん)の冷酷さを示します。

固城王(こじょうおう)は諦めきれず、潤玉(じゅんぎょく)に手を差し伸べ、旭鳳と手を組むことを提案しますが、潤玉(じゅんぎょく)は彼の狡猾さを見抜きます。しかし、固城王(こじょうおう)が滅霊箭(めいれいせん)について言及したことで、潤玉(じゅんぎょく)の心は揺れ動き、これが旭鳳を完全に葬り去る唯一のチャンスかもしれないと考え始めます。

錦覓(きんべき)はついに魔界への旅に出発し、旭鳳への複雑な思いを抱いています。旭鳳が葡萄を嫌って激怒する姿を見て、心を痛め、何も言わずに天界に戻り、枯れた鳳凰の木に思いを託します。彼女は、もし木が再び咲いたら、それは彼女と旭鳳が再会する時だと願います。そして、この二つの世界に跨る愛憎劇は、どのように続いていくのでしょうか。すべてはこれから明らかになります。

第53話の感想

第53話「魔尊(まそん)への道、愛の深さ、縁の浅さ」は、物語が大きく動き、多くのキャラクターの運命が大きく変化する重要なエピソードでした。旭鳳が魔尊(まそん)となり、錦覓(きんべき)が魔界に向かうという展開は、今後のストーリーの行方を大きく左右するでしょう。

特に印象的なシーンは、旭鳳が魔血を飲み、魔界のために生きることを決意するシーンです。彼の決意は固く、その姿は非常に力強いものでした。また、錦覓(きんべき)が旭鳳への複雑な思いを抱きながら魔界に向かうシーンも、彼女の心情が伝わってくるようで切ない気持ちになりました。

第53話では、多くのキャラクターの成長が描かれていました。旭鳳は復讐のために力を求め、魔尊(まそん)になることを決意しました。錦覓(きんべき)は旭鳳への愛と憎しみの間で揺れ動き、自分の道を模索しています。潤玉(じゅんぎょく)は旭鳳を倒すためにあらゆる手段を尽くそうとしています。

つづく