霜花(しもばな)の姫 ~香蜜が咲かせし愛~ 第57話 あらすじ/ネタバレ

怒りの月老(げつろう)

魔界からの招待状を受け取った月老(げつろう)は怒りに震え、旭鳳(きょくほう)に穂禾(すいか)の真実を明かすべく魔界へ向かう。彼は激しく言葉を投げかけ、穂禾(すいか)は策略で旭鳳(きょくほう)の魂を繋ぎ止めたものの、真に命を救ったのは九転金丹を惜しまず取りに行った錦覓(きんべき)だと指摘する。しかし、旭鳳(きょくほう)は聞く耳を持たず、これから娶るのは穂禾(すいか)だと断言。彼の世界にはもう穂禾(すいか)しか存在せず、錦覓(きんべき)のしたことは無関係だと告げる。

幽冥の怒り

一方、暮辞(ぼじ)が滅霊箭(めいれいせん)を作ったことで幽冥の怒りが揺れ動き、鎏英(りゅうえい)は急いで旭鳳(きょくほう)に報告する。背後に黒幕がいるのではないかと推測し、固城王(こじょうおう)を疑う。旭鳳(きょくほう)はすぐに魔兵(まへい)に暮辞(ぼじ)の行方を捜索させる。捜索中、旭鳳(きょくほう)は口数が少なく、鎏英(りゅうえい)は彼の心の中にまだ疑問があると察する。旭鳳(きょくほう)は錦覓(きんべき)が月老(げつろう)を使って自分と穂禾(すいか)の関係を壊そうとしているのではないかと疑っているのではないかと考える。鎏英(りゅうえい)は率直に、月老(げつろう)は簡単に操れる人物ではないと指摘し、この裏にはもっと深い秘密が隠されている可能性があると示唆する。彼女は錦覓(きんべき)を信じたいと表明し、旭鳳(きょくほう)が拒絶する理由は、錦覓(きんべき)の救命の恩を正視できないからではないかと推測する。

滅霊箭(めいれいせん)と固城王(こじょうおう)

別の方面では、滅霊箭(めいれいせん)がついに完成し、固城王(こじょうおう)は鎏英(りゅうえい)に偽装して奪取しようとするが、暮辞(ぼじ)に見破られる。暮辞(ぼじ)は機智に富んだ質問で固城王(こじょうおう)の正体を暴き、新たに作った滅霊箭(めいれいせん)で固城王(こじょうおう)を重傷を負わせ、灰燼に帰す。

錦覓(きんべき)の決意

旭鳳(きょくほう)と穂禾(すいか)の婚約の知らせは六界に広がり、錦覓(きんべき)の心は晴れやかではない。潤玉(じゅんぎょく)は冬に暖を取ることで錦覓(きんべき)を忘れさせようと慰めるが、錦覓(きんべき)の心は依然として旭鳳(きょくほう)に囚われている。旭鳳(きょくほう)の結婚式が春の初花が咲く日であることを知った錦覓(きんべき)は、潤玉(じゅんぎょく)と同時に結婚するという提案をする。潤玉(じゅんぎょく)は大喜びで錦覓(きんべき)を強く抱きしめるが、錦覓(きんべき)は心の中で、3人の中で2人が幸せになれれば、それはそれで良いのではないかと願う。

鎏英(りゅうえい)と暮辞(ぼじ)の結婚式

6月6日、鎏英(りゅうえい)は青光洞で静かに暮辞(ぼじ)を待っていた。旭鳳(きょくほう)と卞城王(べんじょうおう)が約束通り到著する。暮辞(ぼじ)がすでに何かあったのではないかと心配する卞城王(べんじょうおう)は、娘にこれ以上相思の苦しみを味わわせたくないと思う。しかし、鎏英(りゅうえい)は暮辞(ぼじ)の約束を信じ、ついに重傷を負った暮辞(ぼじ)が彼らの前に現れる。簡素ながらも厳かな儀式の中で、2人は親族の祝福を受け、夫婦となる。暮辞(ぼじ)は最後の力を振り絞って鎏英(りゅうえい)にキスをし、自分の願いを葉えた後、鎏英(りゅうえい)の腕の中で息を引き取る。悲しみに暮れる鎏英(りゅうえい)は、自分が妊娠していることを告げるが、暮辞(ぼじ)はもう聞くことができない。

月下仙人の苦悩

月下仙人は、旭鳳と潤玉(じゅんぎょく)の結婚式に主婚人として招待され、苦境に立たされる。彦佑(げんゆう)はそれを見てからかい、2人で手を組んでこの混乱を収拾し、すべてを元に戻すことを提案する。一方、太巳真人(たいししんじん)は鄺露(こうろ)が潤玉(じゅんぎょく)の結婚で元気をなくしているのを見て、彼女に新しい道を作ってあげようとするが、鄺露(こうろ)は断固として拒否する。彼女は潤玉(じゅんぎょく)を生涯追いかけ、決して離れないと誓う。

第57話感想

第57話は、怒り、悲しみ、そして希望が入り混じった、感情のジェットコースターのようなエピソードでした。

月老(げつろう)の怒りは、旭鳳が錦覓(きんべき)の犠牲を無視していることに対するものであり、彼の葛藤が伝わってきました。また、鎏英(りゅうえい)と暮辞(ぼじ)の結婚式は、切なくも美しいものでした。暮辞の死は悲しみが大きかったですが、鎏英(りゅうえい)の強い意誌と、2人の愛の強さを感じられるシーンでした。

一方、錦覓(きんべき)と潤玉(じゅんぎょく)の結婚式は、複雑な気持ちになりました。錦覓(きんべき)は旭鳳への想いを断ち切れないまま結婚を決意し、潤玉(じゅんぎょく)は錦覓(きんべき)の幸せを願いつつも、複雑な心境であることが伺えました。

つづく