霜花(しもばな)の姫 ~香蜜が咲かせし愛~ 第60話 あらすじ/ネタバレ

天界と私情が交錯する嵐の中で、潤玉(じゅんぎょく)の詔令は六界に響き渡った。彼は花界を封鎖し、錦覓(きんべき)が戻らなければ毎日一品の花木を滅ぼすと宣言した。これは天界の威厳を回復するための名目で、実際には花界を餌にして錦覓(きんべき)を誘き出すための策略だった。長芳主(ちょうほうしゅ)は立ち上がったが、潤玉(じゅんぎょく)に重傷を負わされてしまった。老胡(ろうこ)は「天道は徳にある、武力をもって天下を治めるのではない」と訴えるが、潤玉(じゅんぎょく)は聞く耳を持たず、天界の主としての権力を振りかざした。

一方、鎏英(りゅうえい)は潤玉(じゅんぎょく)の行動を知り、旭鳳(きょくほう)に報告した。二人は天帝(てんてい)の怒りは錦覓(きんべき)の逃婚と関係があると推測した。旭鳳(きょくほう)は錦覓(きんべき)の行方が分からず、潤玉(じゅんぎょく)の策略を恐れて、鎏英(りゅうえい)に精鋭を派遣して花界を闇中守護させた。

彦佑(げんゆう)は錦覓(きんべき)を月下仙人の神秘的な杖の中に隠し、穂禾(すいか)の宮殿の外で機会を伺っていた。彼らは結婚式で入れ替わる計画を立てていた。穂禾(すいか)は鎏英(りゅうえい)と旭鳳(きょくほう)が用意した銷魂香で気を失い、鎏英(りゅうえい)は穂禾(すいか)に変装して計画を実行しようとしたが、途中で予期せぬ事態が発生した。

魔界では、盛大な宴が開かれていた。錦覓(きんべき)は彦佑(げんゆう)の操り術で赤い衣装を身にまとい、月下仙人に導かれて大殿に入った。儀式が進み、旭鳳(きょくほう)は魔界の大地と卞城王(べんじょうおう)に拝礼し、夫婦の対拝の際には錦覓(きんべき)は抵抗したが、結局は葉わなかった。心石に二人の血が滴ると色が変わり、互いに心が通じていることが示された。

しかし、この重要な瞬間に穂禾(すいか)と鎏英(りゅうえい)が現れ、真実と嘘の戦いが始まった。穂禾(すいか)は魔后(まこう)と心石が偽物だと主張し、鎏英(りゅうえい)は心石の真偽を証明し、穂禾(すいか)の陰謀を暴露した。旭鳳(きょくほう)は驚き、蓋頭を取ると錦覓(きんべき)が立っていた。すべての謎が解けたのだ。錦覓(きんべき)は操り術から解放され、旭鳳(きょくほう)に謝罪した。月下仙人は穂禾の悪行を糾弾し、錦覓(きんべき)こそが旭鳳の真の救命恩人であると明かした。

真実を知った旭鳳は複雑な心境で錦覓(きんべき)に謝罪し、将来償うことを約束した。二人は深く抱き合い、それを目撃した穂禾は怒り狂い、瑠璃浄火で錦覓(きんべき)を傷つけようとした。旭鳳は躊躇なく錦覓を守り、仮撃に出た。この瞬間、穂禾は自分が仕掛けられた罠に嵌められたことに気づいたのだ。

錦覓は穂禾に水神(すいじん)と風神(ふうじん)を殺害した罪を問いただし、穂禾はそれを認めた。錦覓は法術を使って両親の仇を討とうとし、旭鳳も加勢して穂禾を傷つけた。穂禾は絶望し、自分がすべてを捧げた旭鳳に裏切られたことにショックを受けた。最終的に、旭鳳は穂禾を殺さず、族長と瑠璃浄火を剝奪した。そして、自分の過ちを償うために自身の半分の修為を散らした。

この騒動は、愛と忠誠だけでなく、権力闘争の残酷さと無情さを浮き彫りにした。しかし、錦覓と旭鳳は数々の試練を乗り越え、彼らの愛はより一層強固なものとなった。

第60話の感想

第60話は、波乱に満ちた展開と感動的なシーンが満載でした。天界と魔界の対立、錦覓と旭鳳の再会、穂禾の悪事が暴かれるなど、見どころ満載でした。

特に印象的だったのは、錦覓と旭鳳の再会シーンです。操り術から解放された錦覓が、旭鳳に謝罪し、二人が深く抱き合うシーンは、とても感動的でした。また、穂禾の悪事が暴かれ、旭鳳に裏切られたことに絶望する姿も、見応えがありました。

つづく