霜花(しもばな)の姫 ~香蜜が咲かせし愛~ 第8話 あらすじ/ネタバレ

焱城王(えんじょうおう)は重傷を負った世子を見て悲痛に暮れ、旭鳳(きょくほう)を叱責します。旭鳳(きょくほう)は世子が昏睡しているのは太上老君(たいじょうろうくん)の固元金丹を服用したためであり、3日3晩眠れば元氣が回復して目を覚ますと弁解します。しかし、焱城王(えんじょうおう)はこれを旭鳳(きょくほう)の責任逃れと受け止めます。

卞城王(べんじょうおう)も旭鳳(きょくほう)を擁護し、焱城王(えんじょうおう)は窮奇(きゅうき)を私放した罪を追求すべきだと主張します。卞城王(べんじょうおう)は窮奇(きゅうき)が逃亡した日の鎮魂殿の守兵の交代時間が何者かに改竄されており、交代中は30分間誰も看守していなかったこと、鎮魂鼎が引きずられた痕跡があることなどを突き止めます。魔族には御魂鼎を小さくする能力がないことから、卞城王(べんじょうおう)は今回の事件は魔族の高位者が六界の争端を煽るために故意に起こしたものだと断定します。

焱城王(えんじょうおう)はこれらの分析から、犯人は固城王(こじょうおう)だと確信し、2人きりで会った際に固城王(こじょうおう)を殴りつけます。固城王(こじょうおう)は天界に圧迫され続けることに不満を持ち、もはや上神の顔色を窺うのは嫌だと吐露します。彼は窮奇(きゅうき)を逃がしたのは忘川の仇を討つためと天界の実力を探るためだったと明かします。旭鳳(きょくほう)は神通力に優れているものの、孤立無援であるため、彼を排除できれば天界は恐れるに足らないと分析します。焱城王(えんじょうおう)は固城王(こじょうおう)の言葉に心を動かされ、綿密な計画を立てて実行に移すことを決意します。

旭鳳(きょくほう)は薬を飲みたがらないため、錦覓(きんべき)は仕方なく法術を使って霊芝を育てて彼の身体を補います。旭鳳(きょくほう)は錦覓(きんべき)の苦労を労り、薬を無理やり飲み下します。旭鳳(きょくほう)は窮奇(きゅうき)を退治した錦覓(きんべき)を称え、千年分の霊力を与えて褒美を与えます。錦覓(きんべき)は喜び、月下仙人が恩返しは「抱恩」であり、抱きしめることが恩返しだと教えてくれたことを話します。

錦覓(きんべき)は部屋の中で900年前に亡くなった友人である肉肉(ひにく)/羌活(きょうかつ)の声を聞き、声のする御魂鼎の方を見ます。何かに導かれるように、錦覓(きんべき)は鼎を開けてしまい、鼎の中から現れた友人の封印を解いてしまいます。その瞬間、友人は窮奇(きゅうき)の凶悪な顔に変わり、旭鳳(きょくほう)が駆けつけて窮奇(きゅうき)を再び鼎の中に封印するまで、激しい戦いが繰り広げられます。旭鳳(きょくほう)の手のひらには血が滲み、彼は窮奇(きゅうき)の瘟針に感染したのではないかと推測します。倒れる直前、彼は月下仙人から自分が錦覓(きんべき)に深く恋をしていることを聞かされ、命を懸けてでも錦覓(きんべき)を守りたいと強く願っていたことを思い出します。

瘟針は天下至毒であり、3日経てば霊力を失ってしまいます。花界の浄泉にある聖なる草である夜幽藤がこの毒を解毒できると伝えられ、錦覓(きんべき)はすぐに花界に向かいます。

錦覓(きんべき)は花界に到著し、老胡(ろうこ)に長芳主(ちょうほうしゅ)に夜幽藤を貰う方法を相談します。老胡(ろうこ)も方法が思いつかないため、鎏英(りゅうえい)と一緒に百花宮に忍び込んで盗み出すことにします。儲盈閣で夜幽藤を探している最中に長芳主(ちょうほうしゅ)に発見され、激怒した長芳主(ちょうほうしゅ)に錦覓(きんべき)は幽閉され、鎏英(りゅうえい)は外に放り出されてしまいます。

老胡(ろうこ)は錦覓(きんべき)に霊泉水を使って夜幽藤を育てることを提案します。錦覓(きんべき)は老胡(ろうこ)の描いた通りに何度も試しますが、成功しません。諦めかけたその時、誤って手を切ってしまい、赤い紐が錦覓(きんべき)の血を吸い上げると、なんと夜幽藤が育ち始めます。

錦覓(きんべき)は夜幽藤を旭鳳(きょくほう)に届け、すぐに薬を飲ませます。旭鳳(きょくほう)はすぐに回復し、目を覚ますと錦覓(きんべき)の手を握ります。長芳主(ちょうほうしゅ)は錦覓(きんべき)と旭鳳の軽率な言動を見て、旭鳳を叱責します。旭鳳は長芳主(ちょうほうしゅ)に錦覓(きんべき)が自分の大切な人だと告白します。

第8話の感想

第8話は、緊迫感と感動の入り混じった、見応えのあるエピソードでした。窮奇(きゅうき)の事件をきっかけに、天界と魔界の対立が激化し、六界の未来が危うくなってきました。

特に印象的だったのは、旭鳳と錦覓(きんべき)の絆の深まりです。窮奇(きゅうき)に感染した旭鳳を救うために、錦覓(きんべき)は夜幽藤を手に入れるために奔走し、命を懸けてでも彼を守ろうとする姿は感動的でした。また、旭鳳が錦覓(きんべき)への愛を長芳主(ちょうほうしゅ)に告白するシーンは、二人の関係が大きく前進したことを示唆しており、今後の展開が楽しみです。

一方で、固城王(こじょうおう)の策略によって窮奇(きゅうき)が逃亡した事件は、今後の六界に大きな影響を与えそうです。固城王(こじょうおう)の真の目的はまだ明らかになっていませんが、天界と魔界の対立を煽ることで、自身の野望を達成しようとしている可能性があります。

つづく