あらすじ

渭(いの辺境の地で幾多の困難を乗り越えてきた寧缺ねい・けつ桑桑そうそうは、ついに都へと辿り著いた。寧缺ねい・けつ書院しょいんの入学試験に見事合格し、夫子ふうしの直弟子となる。天書探しの過程で、書痴の莫山山ばく・さんさんと出会い、彼女の助けを得て修行に励み、ついに破鏡を成し遂げる。宿敵の隆慶りゅうけいを射抜くことに成功するも、そのことで道痴の葉紅魚よう・こうぎょに命を狙われることになる。

一連の争いの最中、寧缺ねい・けつ葉紅魚よう・こうぎょ、そして莫山山ばく・さんさん魔宗まそうの禁地へと迷い込み、蓮生れん・せい三十二との死闘を繰り広げる。寧缺ねい・けつは魔に堕ちかけるも、最後は夏候か・こうを討ち取り、家族の仇を討つことに成功する。しかし、昊天神輝こうてんしんきを使い果たした桑桑そうそうは寒疾が再発してしまう。寧缺ねい・けつ桑桑そうそうを救うため、瓦山の岐山大師きさんに助けを求めることを決意する。

出発に際し、寧缺ねい・けつは唐王や書院しょいんの仲間たちに別れを告げ、新たな旅へと出発する。道中、かつて辺境軍で共に戦った戦友の杨二喜ようじきと再会し、誤解を解き再び旅を続ける。その夜、隆慶りゅうけいが再び寧缺ねい・けつの前に立ちはだかる。隆慶りゅうけいは奥義を繰り出し、寧缺ねい・けつの馬車を包囲する。桑桑そうそうは傷を負い気を失ってしまうが、寧缺ねい・けつは雨符を使い、一時的に優勢に立つ。

ネタバレ

天啓元年、天下騒乱の中、永夜到来を予言する古書が現れ、各勢力が動き出す。西陵せいりょうの光明大神官だいしんかん衛光明えい・こうめいは、冥王の子が唐(とうに生まれたと断定し、唐王を脅迫して宣威将軍府を滅ぼす。将軍府127人が殺される中、幼い寧缺ねい・けつは生き残り、死体の中から女の赤ん坊を救い出し桑桑そうそうと名付け、共に生きていく。

15年後、寧缺ねい・けつ桑桑そうそうと共に都へ戻り、努力の末、名門書院しょいんに入学し、院長の直弟子、そして大神符師顔瑟がんしつの弟子となる。都では唐王李仲易り・ちゅうえきと親交を深めるが、再び天書が現れ、更なる危機を予言する。寧缺ねい・けつ書院しょいん代表として天書探しの旅に出、書痴の莫山山ばく・さんさんと出会い、互いに惹かれ合う。莫山山ばく・さんさんの助けで力をつけた寧缺ねい・けつは宿敵隆慶りゅうけいを倒すが、道痴の葉紅魚よう・こうぎょに追われることになる。

偶然にも魔宗まそうの禁地に入り込んだ三人は、魔宗まそう蓮生れん・せい三十二と戦う。葉紅魚よう・こうぎょは重傷を負い、寧缺ねい・けつは生死の境で魔に入り、運命が大きく変わる。都に戻った寧缺ねい・けつは、莫山山ばく・さんさん桑桑そうそうの間で揺れ動くが、最後は桑桑そうそうを選び、莫山山ばく・さんさんと別れを告げる。

一方、重傷を負った葉紅魚よう・こうぎょ西陵せいりょうで陥れられ、都へ逃亡し、寧缺ねい・けつ桑桑そうそうと半年間の平穏な日々を過ごす。しかし、寧缺ねい・けつ夏候か・こうの決闘は避けられず、桑桑そうそう寧缺ねい・けつを守るため昊天神輝こうてんしんきを使い果たし、寧缺ねい・けつは仇を討つが、桑桑そうそうは寒気に侵され病に倒れる。

桑桑そうそうが危篤状態の中、天女てんにょの召喚を受け、魂が離れていく。寧缺ねい・けつは絶望に暮れ、院長も桑桑そうそうを救えず、爛柯に籠る岐山大師きさんに助けを求めることになる。盂蘭節に岐山大師きさんが廬を開くため、院長は寧缺ねい・けつ桑桑そうそうを連れて瓦山へ行くよう命じ、木の最後の葉が落ちる前に著くよう告げる。

寧缺ねい・けつは唐王に別れを告げ、護衛の申し出を断り、書院しょいんの先生たちからも餞別を受け取り、桑桑そうそうへの想いを胸に瓦山への過酷な旅に出る。一方、葉紅魚よう・こうぎょは復讐を果たし、裁決大神官だいしんかんとなり、西陵せいりょうを改革する。

隆慶りゅうけいは聖人の力を吸収し強大になり、通天丸を飲み込み寧缺ねい・けつへの復讐を誓う。道中、葉紅魚よう・こうぎょに追放された西陵せいりょうの堕落騎兵を仲間に引き入れ、寧缺ねい・けつ桑桑そうそうが青峡で休息しているところを襲撃する。

隆慶りゅうけいたちに追い詰められた寧缺ねい・けつ桑桑そうそう。二人の運命はいかに?今後の展開に注目が集まる。

第1話の感想

「将夜 冥王の子」第1話は、壮大な物語の幕開けとして、視聴者を一気に世界観に引き込む力強さを持っていました。永夜到来の予言、滅門の惨劇、そして幼い寧缺ねい・けつ桑桑そうそうの逃避行。息つく間もない展開に、今後の物語への期待感が高まります。

特に印象的なのは、宣威将軍府滅門シーンの悲惨さと、幼い寧缺ねい・けつの必死の逃亡劇です。無数の死体の中、桑桑そうそうを救い出すシーンは、寧缺ねい・けつの強い意誌と優しさを鮮やかに描き出しており、胸を締め付けられました。

また、15年後、逞しく成長した寧缺ねい・けつと、健気に彼を支える桑桑そうそうの姿も印象的です。過酷な運命を共に乗り越えてきた二人の絆の深さが、短いながらも効果的に表現されていました。

物語の根幹を成す「永夜」や「冥王の子」といったキーワードも、謎めいた雰囲気を醸し出し、今後の展開への興味を掻き立てます。様々な思惑が交錯する中、寧缺ねい・けつ桑桑そうそうはどのような運命を辿るのか、今後の物語から目が離せません。

つづく