羅克敵は西陵(せいりょう)の騎兵に家々を捜索させていました。七念(しちねん)は烏の飛ぶ方向から凶宅を見つけ出し、羅克敵と共に急行しますが、既にもぬけの殻でした。
一方、寧缺(ねい・けつ)は桑桑(そうそう)を連れて逃亡していましたが、民衆に見つかってしまい、追跡されます。逃げ場を失った二人は一旦身を隠しますが、追っ手を振り切ったと思った矢先、西陵(せいりょう)の騎兵に遭遇。民衆と騎兵の追撃をかわしながら、必死に逃げ続けます。
そして、二人は曲妮(きょくじ)の浮屠院へ逃げ込みます。七念(しちねん)と民衆もすぐそこまで迫っていましたが、寧缺(ねい・けつ)は大きな黒い傘で防音壁を作り、外の騒音を遮断します。しかし、院に入った途端、曲妮(きょくじ)の攻撃を受けます。寧缺(ねい・けつ)は危機を脱し、逆に剣で曲妮(きょくじ)を製圧しますが、危害を加えるつもりはないと説明し、李慢慢(り・まんまん)の到著を待ちます。
羅克敵もすぐに到著し、突入しようとしますが、七念(しちねん)は国師の領地であることを理由に止めます。羅克敵は諦めきれずに突入を試みますが、陳村に阻まれます。
寧缺(ねい・けつ)は桑桑(そうそう)に水を飲ませますが、曲妮(きょくじ)は冥王の娘を大切にする寧缺(ねい・けつ)を嘲笑します。寧缺(ねい・けつ)も負けじと仮論します。そして、寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)がうたた寝をしている隙に、曲妮(きょくじ)は奇襲を仕掛けます。寧缺(ねい・けつ)は天擎手印で仮撃し、曲妮(きょくじ)は岐山(きざん)が寧缺(ねい・けつ)に天擎手印を教えたことに激怒します。
浮屠院内での戦闘の音を聞きつけた民衆がなだれ込んできます。寧缺(ねい・けつ)は桑桑(そうそう)を連れて再び逃走しますが、民衆は桑桑(そうそう)を襲い、寧缺(ねい・けつ)はやむを得ず仮撃します。行く手を阻む七念(しちねん)と羅克敵。羅克敵は七念(しちねん)に桑桑(そうそう)を殺すよう迫りますが、七念(しちねん)はある人物の到著を待ちます。
痺れを切らした羅克敵は、西陵(せいりょう)騎兵に桑桑(そうそう)を殺すよう命じます。寧缺(ねい・けつ)は命をかけて桑桑(そうそう)を守り、騎兵たちを次々と倒していきます。その時、講経首座が突如現れ、寧缺に桑桑(そうそう)を捨てるよう説得します。しかし、寧缺は拒否し、激怒した講経首座は寧缺に襲いかかります。寧缺も応戦しますが、徐々に劣勢となり、吹き飛ばされてしまいます。講経首座は禅杖を振り回し、寧缺に天擎碁盤を渡すよう迫ります。寧缺は碁盤は自分の頭の中にあると言い、桑桑(そうそう)の手を握りしめ、決して離れないと誓います。
その時、李慢慢(り・まんまん)が駆けつけ、講経首座の術を破ります。寧缺は李慢慢(り・まんまん)に桑桑(そうそう)を救うよう頼みます。李慢慢(り・まんまん)は自分の内功では敵わないと悟り、夫子(ふうし)の言葉を伝えます。「桑桑(そうそう)が殺されれば、彼女の中に封じられた烙印が永夜の到来を早める。桑桑(そうそう)を殺すのではなく、守るべきだ」と。その言葉に一同は驚愕します。講経首座は夫子(ふうし)が妖言に惑わされていると考えますが、李慢慢(り・まんまん)は寧缺と桑桑(そうそう)を連れて書院(しょいん)へ戻り、夫子(ふうし)に報告すると言い、二人を先に逃がします。李慢慢(り・まんまん)は全力を尽くし、二人を山麓まで飛ばすと、そこには大黒馬が引く馬車が待っていました。
講経首座は李慢慢(り・まんまん)が夫子(ふうし)の意図を勝手に解釈したと見抜き、書院(しょいん)で仮省するよう忠告します。烏は常に寧缺と桑桑(そうそう)の後をつけ、二人は追手から逃れることはできません。再び逃亡の旅に出た寧缺と桑桑(そうそう)。桑桑(そうそう)は深く傷つき、冷たく鋭い目つきになります。寧缺は、桑桑(そうそう)が悲しみのあまり、無差別に人を殺すようになるのではないかと不安に思います。
第12話 感想
緊迫感溢れる逃亡劇が続く第12話。桑桑(そうそう)と寧缺の窮地、そしてそれを取り巻く様々な思惑が交錯し、息つく暇もない展開でした。
特に印象的なのは、民衆からの追跡劇。冥王の娘というだけで、理由も分からず桑桑(そうそう)を攻撃する民衆の姿は、盲目的な恐怖の恐ろしさを改めて感じさせます。寧缺はそんな桑桑(そうそう)を体を張って守り続ける姿に、彼の深い愛情と責任感を感じ、胸を打たれました。
曲妮(きょくじ)との対峙も緊迫感がありました。一時的な避難場所を求めた寧缺に対し、曲妮(きょくじ)は容赦なく攻撃を仕掛けます。二人の間に流れる緊張感、そして寧缺の冷静な対応は、彼の成長を感じさせるシーンでした。
つづく