李青山は皇帝・李仲易に寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)が国境付近にいると報告し、捕縛を強く進言するも、李仲易は唐国の民を守る義務を口実に明確な指示を出さない。李青山は不満を抱えながらも、皇帝に逆らうことはできない。

李漁が寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)の情報を李仲易に伝えに来る。李仲易は安堵する一方で、李青山は李漁にも二人を捕らえるよう説得を頼むが、李漁は逆に二人を守るよう進言する。李仲易は李青山に渭城への伝言を命じる。李青山は寧缺(ねい・けつ)のためにここまでするのかと不満を抱きつつも、命令に従う。

馬士襄は西陵(せいりょう)の騎兵の目を欺くため、寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)を麻袋に入れて兵営に連れ帰る。兵士たちは二人の帰還を喜び、盛大な宴が開かれる。寧缺(ねい・けつ)と馬士襄は酒を酌み交わし、桑桑(そうそう)は寧缺(ねい・けつ)をかつて住んでいた小屋へと連れて行く。二人は変わらぬ小屋の中で、共に過ごした日々を懐かしむ。

桑桑(そうそう)はすぐに眠りに落ちるが、寧缺は馬士襄に迷惑をかけまいと、夜中に荷物をまとめ、小屋の扉に掛けてあった自分の名札を懐にしまい、密かに兵営を去る。

朝、馬士襄は二人がいないことに気づき、西陵(せいりょう)の騎兵の追及を受ける。その時、都からの伝言が届き、「彼を行かせよ」と書かれていた。馬士襄は大笑いし、西陵(せいりょう)の騎兵を渭城から追い出す。

書院(しょいん)で療養中の李慢慢(り・まんまん)は、寧缺と桑桑(そうそう)の身を案じる。二人は東荒へ逃れることにし、雪の荒野を進む。そこで魔宗の唐(とう,杜奕衡(ドゥー・イーハン)が演じるキャラクター)と元烈(げんれつ)に道を阻まれる。寧缺は荒野への滞在許可を求め、唐小棠への恩を語るも、聞き入れられない。寧缺は夏侯を倒した功績を訴えるが、唐(とう)は食料を提供する代わりに立ち去るよう促す。窮地に陥った寧缺は、唐国と書院(しょいん)が荒野を守ると約束するが、それでも唐は首を縦に振らない。そこで桑桑(そうそう)は冥王の娘であることを明かす。唐たちはひれ伏すものの、一族の安全のため、受け入れることはできないと言う。元烈(げんれつ)は桑桑(そうそう)を長老に引き渡すことを提案し、唐(とう)は二人を連れて行くことにする。

一方、西陵(せいりょう)に戻った葉紅魚(よう・こうぎょ)は、熊初墨に責められるが、無視して立ち去る。

第14話の感想

第14話は、寧缺と桑桑(そうそう)の逃亡劇と、それを取り巻く人々の思惑が交錯する緊迫感あふれる展開でした。特に印象的だったのは、馬士襄の男気と、荒野での緊迫したやり取りです。

馬士襄は、寧缺と桑桑(そうそう)を匿い、西陵(せいりょう)の追っ手から守るために尽力します。都からの「彼を行かせよ」という簡潔な伝言を受け、迷わず二人を逃がす決断は、彼の強い信念と友情を感じさせ、胸を打たれました。酒を酌み交わした夜と翌朝の別れの対比が、二人の強い絆を際立たせています。

一方、荒野で魔宗の唐(とう)と対峙するシーンは、息詰まる緊張感がありました。寧缺の必死の説得も虚しく、冥王の娘である桑桑(そうそう)の正体を明かすという最後の手段に出る展開は、今後の物語の波乱を予感させます。唐たちの仮応も、冥王の娘の力への畏怖と、一族の安全を優先する苦悩が複雑に絡み合い、非常に興味深かったです。

つづく