あらすじ
第十四話は、寧缺と桑桑の逃亡劇を描いています。李青山は李仲易に二人の追捕を要請しますが、李仲易はこれを拒否。渭(いへ転送陣を使って書簡を送り、二人を通行させるよう指示を出します。
寧缺と桑桑は馬士襄に救出され、密かに軍営へ連れ戻られます。二人はそこで熱烈な歓迎を受けますが、寧缺は馬士襄に迷惑をかけたくないと思い、夜中に一人で出ていきます。馬士襄は二人の不在に気づき、西陵の騎兵の詰問に対し、李仲易からの書簡を巧みに使って切り抜けます。
寧缺と桑桑は東荒を目指し、道中魔宗の唐と元烈に出会います。寧缺は懸命に交渉しますが、桑桑の特別な身分のため、二人の運命は依然として不透明なままです。
一方、葉紅魚は西陵に戻り、熊初墨と衝突します。
ネタバレ
李青山は皇帝・李仲易に寧缺と桑桑が国境付近にいると報告し、捕縛を強く進言するも、李仲易は唐(とうの民を守る義務を口実に明確な指示を出さない。李青山は不満を抱えながらも、皇帝に逆らうことはできない。
李漁が寧缺と桑桑の情報を李仲易に伝えに来る。李仲易は安堵する一方で、李青山は李漁にも二人を捕らえるよう説得を頼むが、李漁は逆に二人を守るよう進言する。李仲易は李青山に渭(いへの伝言を命じる。李青山は寧缺のためにここまでするのかと不満を抱きつつも、命令に従う。
馬士襄は西陵の騎兵の目を欺くため、寧缺と桑桑を麻袋に入れて兵営に連れ帰る。兵士たちは二人の帰還を喜び、盛大な宴が開かれる。寧缺と馬士襄は酒を酌み交わし、桑桑は寧缺をかつて住んでいた小屋へと連れて行く。二人は変わらぬ小屋の中で、共に過ごした日々を懐かしむ。
桑桑はすぐに眠りに落ちるが、寧缺は馬士襄に迷惑をかけまいと、夜中に荷物をまとめ、小屋の扉に掛けてあった自分の名札を懐にしまい、密かに兵営を去る。
朝、馬士襄は二人がいないことに気づき、西陵の騎兵の追及を受ける。その時、都からの伝言が届き、「彼を行かせよ」と書かれていた。馬士襄は大笑いし、西陵の騎兵を渭(いから追い出す。
書院で療養中の李慢慢は、寧缺と桑桑の身を案じる。二人は東荒へ逃れることにし、雪の荒野を進む。そこで魔宗の唐(とう,杜奕衡(ドゥー・イーハン)が演じるキャラクター)と元烈に道を阻まれる。寧缺は荒野への滞在許可を求め、唐小棠への恩を語るも、聞き入れられない。寧缺は夏候を倒した功績を訴えるが、唐(とう)は食料を提供する代わりに立ち去るよう促す。窮地に陥った寧缺は、唐(とうと書院が荒野を守ると約束するが、それでも唐は首を縦に振らない。そこで桑桑は冥王の娘であることを明かす。唐たちはひれ伏すものの、一族の安全のため、受け入れることはできないと言う。元烈は桑桑を長老に引き渡すことを提案し、唐(とう)は二人を連れて行くことにする。
一方、西陵に戻った葉紅魚は、熊初墨に責められるが、無視して立ち去る。
第14話の感想
第14話は、寧缺と桑桑の逃亡劇と、それを取り巻く人々の思惑が交錯する緊迫感あふれる展開でした。特に印象的だったのは、馬士襄の男気と、荒野での緊迫したやり取りです。
馬士襄は、寧缺と桑桑を匿い、西陵の追っ手から守るために尽力します。都からの「彼を行かせよ」という簡潔な伝言を受け、迷わず二人を逃がす決断は、彼の強い信念と友情を感じさせ、胸を打たれました。酒を酌み交わした夜と翌朝の別れの対比が、二人の強い絆を際立たせています。
一方、荒野で魔宗の唐(とう)と対峙するシーンは、息詰まる緊張感がありました。寧缺の必死の説得も虚しく、冥王の娘である桑桑の正体を明かすという最後の手段に出る展開は、今後の物語の波乱を予感させます。唐たちの仮応も、冥王の娘の力への畏怖と、一族の安全を優先する苦悩が複雑に絡み合い、非常に興味深かったです。
つづく