唐(とう)と元烈(げんれつ)は寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)を荒野に連れてきた。寧缺(ねい・けつ)は大長老に会うことを切望していたが、唐はまず二人に酒を一杯ずつ飲ませ体を温めるように言った。寧缺(ねい・けつ)は酒を飲むとすぐに眠ってしまったが、桑桑(そうそう)は何の仮応も示さなかった。そのため、唐は桑桑(そうそう)が冥王の娘であることを確信した。酒には心を落ち著かせる薬草の粉が入っており、体に害はない、寧缺(ねい・けつ)は眠ればすぐに目覚める、唐はただ荒人(こうじん)同士の議論に寧缺(ねい・けつ)が幹渉するのを避けたかっただけだと説明した。
唐は大長老に会うために寧缺(ねい・けつ)の信物を持って行った。もし大長老が彼らを受け入れなければ、彼らは間違いなく死ぬだろう。桑桑(そうそう)は寧缺(ねい・けつ)と一緒にいる限り、生死を度外視していた。桑桑(そうそう)は唐に寧缺(ねい・けつ)を馬車に乗せて寝かせるように頼み、唐は仕方なくその通りにした。陳皮皮は苦労して知守観に戻ると、葉紅魚(よう・こうぎょ)にばったり出会った。葉紅魚(よう・こうぎょ)は寧缺(ねい・けつ)を既に殺したと嘘をつき、陳皮皮はそれを真に受けて、その場で悲しみに泣き崩れた。葉紅魚(よう・こうぎょ)は仕方なく寧缺(ねい・けつ)を殺していないことを認め、自分の立場をよく考えるように陳皮皮に忠告した。西陵(せいりょう)と唐国が開戦すれば、知守観の観主としてどのように振る舞うのか、と。
元烈(げんれつ)は密かに隆慶と会い、桑桑(そうそう)を人質に荒野の平和を求めようとした。隆慶は寧缺(ねい・けつ)も要求し、今夜中に二人を引き渡さなければ、西陵(せいりょう)の騎兵で荒野を踏みにじると脅した。荒人(こうじん)の首領である大長老と族人は寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)の処遇について話し合った。元烈(げんれつ)と唐は意見が対立し、激しい議論になった。元烈(げんれつ)はこっそり桑桑(そうそう)を訪ね、長老が彼らを受け入れることに同意せず、一時的に別の場所に連れて行くと嘘をついた。桑桑(そうそう)はそれを信じ、元烈(げんれつ)について行った。
夜、唐は寧缺と桑桑(そうそう)の馬車を見つけられず、元烈(げんれつ)が彼らを連れて行ったことを知ると、すぐに人を探させた。隆慶は西陵(せいりょう)の堕落騎兵を率いて約束の場所に早く到著し、遠くから元烈(げんれつ)が桑桑(そうそう)を連れてくるのを見た。桑桑(そうそう)は馬車から降りると、少し離れたところにいる隆慶に気づき、騙されたことに気が付いた。桑桑(そうそう)は元烈(げんれつ)に寧缺を逃がしてくれるよう懇願したが、元烈(げんれつ)は断固として同意しなかった。元烈(げんれつ)が桑桑(そうそう)を殺そうとしたその時、唐が駆けつけて元烈(げんれつ)を地面に叩きつけた。それを見た隆慶はすぐに部隊を率いて立ち去った。
寧缺はまだ眠っており、今しがたの危機的状況を何も知らなかった。唐は二人を荒野に送り届け、大長老は荒野と族人に災いをもたらしたくないため、唐に寧缺と桑桑(そうそう)を送り出すように言った。唐は寧缺の荷物の中に魔宗の宗主の信物である玉の指輪を見つけ、大長老はこれは天意だと感じ、桑桑(そうそう)と寧缺を受け入れることに同意した。桑桑(そうそう)は荒人(こうじん)の服に著替え、族人たちは二人を命をかけて守ると誓った。寧缺は騒ぎで目を覚まし、唐たちと血盟を交わした。
桑桑(そうそう)と寧缺が荒野に残ったという知らせはすぐに世界中に広まった。君陌(くんはく)は寧缺の身を案じ、李慢慢(り・まんまん)と余簾に相談した。余簾は荒人(こうじん)が寧缺を守れると確信し、李慢慢(り・まんまん)は世紀の大戦が避けられないことを悟った。熊初墨は諸国に荒人(こうじん)討伐のための軍隊の結集を呼びかけ、羅克敵は西陵(せいりょう)の騎兵を率いて参戦した。
文武百官は皇居の外で李仲易の作戦命令を待っていた。李仲易は夏天(か・てん)的に意見を求めた。荒野は彼女の故郷だからだ。夏天(か・てん)的はどんな決定をしても彼についていくと約束した。李仲易は御駕親徴することを宣言し、文武百官は騒然となった。李仲易は政務を李漁に一任した。
李秋実は李仲易が御駕親徴することを知り、無理やり起き上がって占いをすると凶と出た。李秋実はすぐに何明池(か・めいち)に李仲易に伝えるように命じたが、何明池(か・めいち)は吉と出たとうそをついた。李仲易は大喜びし、李秋実に元気丹を下賜して体を休養するように言った。何明池(か・めいち)は李秋実に報告に戻り、李仲易を止められず、かえって怒らせてしまったと弁解し、こっそり元気丹を飲んでしまった。あっという間に李仲易が出徴する日が来た。何明池(か・めいち)は李秋実の体調不良を理由に出徴の見送りに来られないと伝えた。
第15話の感想
第15話は、登場人物たちのそれぞれの思惑が交錯し、緊張感あふれる展開でした。特に桑桑(そうそう)と寧缺の運命が大きく揺れ動き、見ているこちらもハラハラさせられました。
元烈(げんれつ)の裏切りは衝撃的でした。荒野の平和を願う気持ちは本物だったのかもしれませんが、手段を選ばないやり方は許されるものではありません。桑桑(そうそう)を危険に晒し、隆慶に引き渡そうとする姿は、見ていて辛かったです。しかし、唐の機転と強さによって、桑桑(そうそう)は危機一髪で救われました。唐の桑桑(そうそう)と寧缺に対する深い愛情と忠誠心を感じ、感動しました。
一方、知守観に戻った陳皮皮と葉紅魚(よう・こうぎょ)のやりとりも印象的でした。葉紅魚(よう・こうぎょ)の嘘と、それに対する陳皮皮の純粋な仮応は、二人の性格をよく表しています。葉紅魚(よう・こうぎょ)の言葉は、陳皮皮に自分の立場を改めて考えさせるきっかけを与えたのではないでしょうか。今後の彼の選択が気になります。
つづく