李仲易親徴に出発、文武百官が見送る中、夏天(か・てん)と李琥珀(こはく)も同行。唐軍は大挙して渭城へ向かう。唐の真の標的は荒人(こうじん)ではないことを見抜いた大長老は、西陵(せいりょう)に警戒を促す。

渭城では馬士襄が李仲易を出迎え、現状を報告。李仲易は周囲を下がらせ、馬士襄に寧缺(ねい・けつ)の消息を尋ねる。一度は否定する馬士襄だが、李仲易に問いただされ、寧缺(ねい・けつ)との会話を詳細に語られたことで観念し、事実を認める。李仲易は寧缺(ねい・けつ)を助けたい一心だが、夫子(ふうし)以外に救える者はおらず、夫子(ふうし)の考えも読めないため、焦燥感を募らせる。

一方、都では李珲円(こんえん)が皇帝気取り。李漁は彼に軽挙妄動を慎むよう忠告し、いずれ大唐の帝位は彼に渡ると約束する。李仲易の死を口にした李珲円(こんえん)を李漁は慌てて製止。李沛言が李珲円(こんえん)に接触したことを知った李漁は、李沛言を叱責し、李珲円(こんえん)には正々堂々帝位を継承させる意誌を明確にする。

李秋実は李仲易の今回の出徴に不審を抱く。何明池(か・めいち)は自身の欺瞞を隠そうとする中、李青山は李琥珀(こはく)の同行を知り、帝位継承を危惧。李秋実は夏天(か・てん)が魔宗の聖女であることを明かし、何明池(か・めいち)を驚愕させる。

何明池(か・めいち)は夏天(か・てん)的正体を李珲円(こんえん)に伝え、李琥珀(こはく)の継承権剝奪を企てるが、時期尚早と判断し断念。荒人(こうじん)たちは冥王の娘・桑桑(そうそう)を匿ったことで西陵(せいりょう)と諸国から攻撃を受け、甚大な被害を受ける。桑桑(そうそう)は荒人(こうじん)たちの苦境を目の当たりにし、自責の念に駆られる。寧缺(ねい・けつ)は桑桑(そうそう)を慰め、南へ向かうことを決意。

二人の荒人(こうじん)は、自分たちの窮状をよそに安穏としている寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)に不満を抱き、殺害を企てる。しかし、寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)は密かに出発しており、計画は失敗に終わる。大長老は二人の荒人(こうじん)の企みを見抜き、叱責する。南へ向かう寧缺と桑桑(そうそう)は、道中の惨状に言葉を失う。

唐軍は荒人(こうじん)と共に西陵(せいりょう)や諸国の軍と激戦を繰り広げる。戦場へ向かう寧缺と桑桑(そうそう)の馬車の周りには無数の烏が飛び交う。

第16話の感想

第16話は、それぞれの思惑が交錯し、緊張感が高まる展開でした。李仲易は寧缺を案じながらも、夫子(ふうし)の動向を伺うしかなく、もどかしさが伝わってきます。彼が馬士襄を問い詰めるシーンは、静かながらも緊迫感があり、印象的でした。

一方、都では李珲円(こんえん)の野心が露わになり、李漁との対比が鮮明になっています。李漁は李珲円を製御しようとしますが、彼の焦燥は抑えられそうにありません。今後の権力争いがどのように展開していくのか、目が離せません。

また、夏天(か・てん)が魔宗の聖女であるという事実が明らかになり、物語は新たな局面を迎えます。この事実は、李琥珀(こはく)の運命だけでなく、唐全体の未来にも大きな影響を与えるでしょう。何明池(か・めいち)がどのようにこの情報を利用するのか、注目すべき点です。

つづく