李琥珀(こはく)は疲れ果てた李仲易を支えながら営に戻り、その様子を夏天(か・てん)は複雑な思いで見つめていた。一方、熱海に到著した寧缺(ねい・けつ)は、桑桑(そうそう)と夫子(ふうし)を馬車に乗せていた。桑桑(そうそう)は景色に目を輝かせ、夫子(ふうし)は牡丹魚を楽しみにしていた。寧缺(ねい・けつ)は牡丹魚を捕まえ、桑桑(そうそう)が刺身にするが、夫子(ふうし)は今年の牡丹魚は昨年より痩せて数が少ないと嘆く。寧缺(ねい・けつ)が心配するも、夫子(ふうし)は魚は人に食べられる運命だと笑った。

固山郡都尉華山岳(かざんがく)は、李漁と李沛言に、李仲易と馬士襄が西陵(せいりょう)神殿連合軍を撃破したと報告した。八百の重騎兵と東北辺軍の活躍で十数日間の激戦の末の勝利だったが、李漁は李仲易が追撃しなかったことを疑問に思う。李沛言は李仲易が夏天(か・てん)の気分転換を図っただけだと軽く言うが、李漁はそれを叱責した。

熱海で寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)は共に湯浴みをし、仲睦まじく過ごす。寧缺(ねい・けつ)は桑桑(そうそう)に口づけしようとするが、夫子(ふうし)に邪魔をされる。夫子(ふうし)は急遽二人の結婚式を執り行うことに。簡素ながらも温かい式の後、寧缺(ねい・けつ)は桑桑(そうそう)を馬車に乗せ、夫子は馬で先に出発した。

夫子は酒徒(しゅと)と屠夫を呼び出す。二人は隠居生活を邪魔されたこと、そして永夜の秘密を明かしたことで天罰が下ると夫子を責める。しかし夫子は、二人を臆病者だと叱りつけた。

翌朝、桑桑(そうそう)は目覚め、眠る寧缺の顔を見ながら不安に駆られる。寧缺は夫子が戻った気配を感じて馬車から降りる。夫子は酒徒(しゅと)と屠夫が船で永夜の謎を探ろうとして失敗した話を寧缺にする。桑桑(そうそう)は粥が焦げると冷たい口調で言い、寧缺は違和感を覚える。

馬士襄は李仲易に、隆慶率いる金帳王庭(きんちょうおうてい)の軽騎兵が唐の国境を侵犯したと報告する。李仲易は直接指示は出さず、李漁に燕国の崇明(すうめい)と同盟を結ぶよう密かに指示し、馬士襄に秘密にするよう命じた。馬士襄は心配して李仲易を見舞おうとするが、夏天(か・てん)に断られる。李仲易は病状が悪化しており、琥珀(こはく)のことを夏天(か・てん)に託す。

夫子は眠る桑桑(そうそう)を見て、寧缺に莫山山(ばく・さんさん)に会いたいかと尋ねる。寧缺は桑桑(そうそう)を気遣うが、桑桑(そうそう)は自ら幽閣へ行き、莫山山(ばく・さんさん)に命の恩を礼いたいと言う。夫子は念力で二人を雪山へ送る。三人は再会を喜び、雪の中で戯れる。

寧缺と桑桑(そうそう)が我に返ると、目の前に夫子が座っていた。まるで夢のようだった。桑桑は最近、天地元気を感じられるようになり、世界の見え方が変わり、寧缺に対しても新たな感情を抱いていた。夢の中で寧缺を殺す場面が何度も蘇り、桑桑は言い出せずにいた。疲れ果てた寧缺が眠りに落ちると、夫子は彼を休ませ、桑桑は自分の夢と不思議な力の増大に不安を募らせる。

第18話の感想

第18話は、様々な感情が交錯する印象的なエピソードでした。寧缺と桑桑の温かい結婚式は、見ているこちらも幸せな気持ちになる一方、二人の未来に影を落とす桑桑の不安が胸を締め付けます。夢の中で寧缺を殺してしまうという悪夢、そして目覚めた世界で感じる天地元気。桑桑の中で何かが大きく変わり始めており、その変化が今後の物語にどう影響していくのか、非常に気になります。

夫子の存在もまた、物語に深みを与えています。飄々とした雰囲気ながらも、寧缺と桑桑の結婚を即座に決めたり、酒徒(しゅと)と屠夫を叱咤したりと、その行動は常に大胆で予測不可能。永夜の秘密を明かしたことで、世界にどのような変化が訪れるのか、夫子の真意はどこにあるのか、彼の謎めいた言動に目が離せません。

つづく