あらすじ
第十八話は、李琥珀が負傷した李仲易を支えながら軍営へ戻る場面から始まります。一方、寧缺と桑桑は夫子の案内で温泉地である熱海へと向かい、そこで簡素な結婚式を挙げました。李仲易は戦功を挙げながらも追撃を行わなかったため、李漁の不満を買います。夫子は酒徒と屠夫と、永夜に関する秘密を巡って口論となり、二人は秘密を知る者は必ず死ぬと脅します。桑桑は胸騒ぎを覚え、寧缺との関係に不安を抱きます。馬士襄が前線の戦況を報告する中、李仲易の病状は悪化しますが、彼はなお国事を案じています。夫子は念力を使って寧缺と桑桑を莫山山に会わせ、三人は短い再会を喜びます。桑桑は天地元気の変化を感じ始め、夢に見る光景に悩まされます。寧缺が長い眠りから覚めた後、三人は西陵の桃山に到着します。桑桑は夫子に頼まれた焼き芋を買いに出かけ、夫子はかつて李という名の若者を助けて唐(とうを建国した過去について語ります。
ネタバレ
李琥珀は疲れ果てた李仲易を支えながら営に戻り、その様子を夏天は複雑な思いで見つめていた。一方、熱海に到著した寧缺は、桑桑と夫子を馬車に乗せていた。桑桑は景色に目を輝かせ、夫子は牡丹魚を楽しみにしていた。寧缺は牡丹魚を捕まえ、桑桑が刺身にするが、夫子は今年の牡丹魚は昨年より痩せて数が少ないと嘆く。寧缺が心配するも、夫子は魚は人に食べられる運命だと笑った。
固山郡都尉華山岳は、李漁と李沛言に、李仲易と馬士襄が西陵神殿連合軍を撃破したと報告した。八百の重騎兵と東北辺軍の活躍で十数日間の激戦の末の勝利だったが、李漁は李仲易が追撃しなかったことを疑問に思う。李沛言は李仲易が夏天の気分転換を図っただけだと軽く言うが、李漁はそれを叱責した。
熱海で寧缺と桑桑は共に湯浴みをし、仲睦まじく過ごす。寧缺は桑桑に口づけしようとするが、夫子に邪魔をされる。夫子は急遽二人の結婚式を執り行うことに。簡素ながらも温かい式の後、寧缺は桑桑を馬車に乗せ、夫子は馬で先に出発した。
夫子は酒徒と屠夫を呼び出す。二人は隠居生活を邪魔されたこと、そして永夜の秘密を明かしたことで天罰が下ると夫子を責める。しかし夫子は、二人を臆病者だと叱りつけた。
翌朝、桑桑は目覚め、眠る寧缺の顔を見ながら不安に駆られる。寧缺は夫子が戻った気配を感じて馬車から降りる。夫子は酒徒と屠夫が船で永夜の謎を探ろうとして失敗した話を寧缺にする。桑桑は粥が焦げると冷たい口調で言い、寧缺は違和感を覚える。
馬士襄は李仲易に、隆慶率いる金帳王庭の軽騎兵が唐の国境を侵犯したと報告する。李仲易は直接指示は出さず、李漁に燕国の崇明と同盟を結ぶよう密かに指示し、馬士襄に秘密にするよう命じた。馬士襄は心配して李仲易を見舞おうとするが、夏天に断られる。李仲易は病状が悪化しており、琥珀のことを夏天に託す。
夫子は眠る桑桑を見て、寧缺に莫山山に会いたいかと尋ねる。寧缺は桑桑を気遣うが、桑桑は自ら幽閣へ行き、莫山山に命の恩を礼いたいと言う。夫子は念力で二人を雪山へ送る。三人は再会を喜び、雪の中で戯れる。
寧缺と桑桑が我に返ると、目の前に夫子が座っていた。まるで夢のようだった。桑桑は最近、天地元気を感じられるようになり、世界の見え方が変わり、寧缺に対しても新たな感情を抱いていた。夢の中で寧缺を殺す場面が何度も蘇り、桑桑は言い出せずにいた。疲れ果てた寧缺が眠りに落ちると、夫子は彼を休ませ、桑桑は自分の夢と不思議な力の増大に不安を募らせる。
第18話の感想
第18話は、様々な感情が交錯する印象的なエピソードでした。寧缺と桑桑の温かい結婚式は、見ているこちらも幸せな気持ちになる一方、二人の未来に影を落とす桑桑の不安が胸を締め付けます。夢の中で寧缺を殺してしまうという悪夢、そして目覚めた世界で感じる天地元気。桑桑の中で何かが大きく変わり始めており、その変化が今後の物語にどう影響していくのか、非常に気になります。
夫子の存在もまた、物語に深みを与えています。飄々とした雰囲気ながらも、寧缺と桑桑の結婚を即座に決めたり、酒徒と屠夫を叱咤したりと、その行動は常に大胆で予測不可能。永夜の秘密を明かしたことで、世界にどのような変化が訪れるのか、夫子の真意はどこにあるのか、彼の謎めいた言動に目が離せません。
つづく