まずは宮廷内。何明池(か・めいち)は曽静(ぞうせい)を脅迫し、先帝への悲嘆を理由に辞職に追い込んだ。李琿圓はこの計略を称賛するも、欽天監の苗大人が「闇月侵星、国将不寧」と記した紙片を握りしめ自害しているのを発見。そこに李漁が現れ、紙片を見て激怒し立ち去る。李琿圓は焦燥に駆られる。

曽静(ぞうせい)と王大人はついに辞表を提出。李漁は李琿圓の軽率さを叱責し、朝小樹の支持を得ようと試みるも、弟の常思威(じ・ょうしい)に「妻管厳」と嘯かれ追い返す。そして、都の緊張緩和のため、華山岳(かざんがく)を北大営へ派遣し、夏天(か・てん)と李琥珀(こはく)の帰還を遅らせようとする。

一方、渭城では兵糧が不足。馬士襄の度重なる要請も届かず、夏天(か・てん)は自身の食糧を兵士に分け与えるが、北大営からの補給を心配する。戦場では、隆慶率いる金帳王庭(きんちょうおうてい)の軽騎兵が7日間で燕の3城を陥落させ、成京に迫る。燕王(えんおう)は唐に援軍を要請。李漁と李琿圓は冼植朗(せんしょくろう)率いる重甲玄騎を派遣することを決定するが、李琿圓は隆慶を利用して夏天(か・てん)の腹心である冼植朗(せんしょくろう)を排除しようと企んでいた。

何明池(か・めいち)は陣眼杵の行方を気にかけ、李琿圓に問いただすも成果なく、書院(しょいん)にあるのではと疑い、西陵(せいりょう)神殿に密書を送る。隆慶の軍は成京に迫り、冼植朗(せんしょくろう)の重甲玄騎も到著。常思威(じ・ょうしい)から状況を聞いた朝小樹は、隆慶の真の狙いが燕ではなく唐にあることを見抜き、成京へ向かう。

崇明(すうめい)は冼植朗(せんしょくろう)の到著を知り、煙火を合図に燕軍と挟み撃ちにする罠を仕掛ける。冼植朗(せんしょくろう)は城内へ進軍するも罠にはまり、燕軍と金帳王庭(きんちょうおうてい)の軽騎兵に包囲される。重甲玄騎は奮戦するも多勢に無勢。計略に気づいた冼植朗(せんしょくろう)は、部隊を率いて脱出を試み、成京郊外で激しい戦闘が始まろうとしていた。

第22話の感想

第22話は、宮廷内の権力争いと戦場の緊迫感が交錯し、物語が大きく動き出したと言えるでしょう。何明池(か・めいち)の狡猾な策略によって曽静(ぞうせい)が失脚させられる場面は、見ていて歯がゆい思いをしました。李琿圓の未熟さも露呈し、今後の展開に不安を感じさせます。一方、李漁は冷静に状況を分析し、朝小樹に協力を求めようとするなど、指導者としての成長を見せています。しかし、常思威(じ・ょうしい)の登場によって交渉は失敗に終わり、彼女の苦労はまだまだ続きそうです。

戦場においては、隆慶の電光石火の侵攻が描かれ、その圧倒的な強さが印象的でした。夏天(か・てん)の兵糧不足という苦境も描かれ、彼女の決断は賞賛に値するものの、今後の戦況が心配になります。冼植朗の重甲玄騎が援軍として到著するも、崇明(すうめい)の策略によって窮地に陥る展開は、手に汗握る緊張感がありました。

つづく