第23話、唐国は大ピンチ!冼植朗(せんしょくろう)将軍率いる重甲玄騎四千は、崇明(すうめい)の策略にはまり、隆慶率いる金帳王庭(きんちょうおうてい)の軽騎と燕軍に挟撃され、全滅。冼植朗(せんしょくろう)将軍は崇明(すうめい)に討たれ、壮絶な戦死を遂げた。
この知らせに李琿圓と李漁は激怒。特に李琿圓は復讐を誓う。一方、戦場跡に辿り著いた朝小樹は、夥しい数の唐軍の遺体を見て、復讐を決意する。
燕では勝利に沸き、燕王(えんおう)は崇明(すうめい)と隆慶を盛大に祝賀。崇明(すうめい)は唐への総攻撃を宣言し、隆慶は金帳王庭(きんちょうおうてい)の軽騎と共に北西の国境へ。唐では、金祭酒(きんさいしゅ)が李琿圓の独断専行を責め、処刑されてしまう。
怒りに燃える朝小樹は単身燕王(えんおう)宮に突入。崇明(すうめい)と侍衛たちに囲まれるも、圧倒的な力で敵を蹴散らし、燕王(えんおう)を討ち取る。
李漁は冼植朗(せんしょくろう)将軍と重甲玄騎の悲報、そして金祭酒(きんさいしゅ)の処刑を知り、李琿圓を叱責。曽静(ぞうせい)と王大学士(だいがくし)を復職させ、朝議を開く。李漁は自らの責任を認め、戦後、命を差し出すと宣言。そして、曽静(ぞうせい)と王大学士(だいがくし)に国の危機を救うよう命じる。李琿圓は不満を抱えながらも、従うしかなかった。
渭城では食糧不足が深刻化。夏天(か・てん)と李琥珀(こはく)は馬肉で飢えをしのいでいた。負傷兵たちが食糧を仲間に分け与える姿を見た李琥珀(こはく)は心を打たれ、夏天(か・てん)は李琥珀(こはく)に生き抜くよう励ます。
馬士襄は夏天(か・てん)に、李漁が遺詔を改竄し、李琿圓を即位させたことを報告。夏天(か・てん)は唐の将来を憂慮する。熊初墨は唐の苦境を知り、侵攻の機会を窺う。天諭院と裁決司(さいけつし)は時期尚早と仮対するが、熊初墨は夏天(か・てん)が魔宗聖女であることを明かし、「替天行道」を大義名分として、全面侵攻を開始する。
葉紅魚(よう・こうぎょ)は莫山山(ばく・さんさん)に、大河国と墨池苑が西陵(せいりょう)と共に唐への侵攻に同意したことを伝える。熊初墨は諸国に唐への侵攻を呼びかけ、多くの国が応じる。一方、桑桑(そうそう)は天女(てんにょ)と共に天に昇っていた。
李漁は熊初墨からの降伏勧告の手紙を受け取るが、それを李琿圓に渡し、徹底抗戦を迫る。李琿圓は渋々、手紙を破り捨てる。
第23話の感想
第23話は、怒涛の展開で息つく暇もないほどでした。冼植朗(せんしょくろう)将軍と重甲玄騎の全滅はあまりにも衝撃的で、唐の窮状がひしひしと伝わってきました。崇明(すうめい)の冷酷さと隆慶の狡猾さには憤りを感じずにはいられません。
特に印象的だったのは、朝小樹の燕王(えんおう)宮への単身突入シーン。圧倒的な強さで敵をなぎ倒していく姿はまさに圧巻でした。燕王(えんおう)を討ち取ったシーンは、カタルシスすら感じました。
一方、李漁の行動にも注目が集まります。金祭酒(きんさいしゅ)の処刑や李琿圓への叱責、そして自らの責任を認めて命を差し出す覚悟を示す姿からは、彼女の強い意誌と責任感、そして唐への深い愛情が感じられました。李琿圓はまだ未熟な部分もありますが、李漁の叱咤激励によって成長していくことを期待したいです。
渭城での食糧不足の描写は、戦争の悲惨さを改めて浮き彫りにしました。負傷兵たちの自己犠牲の精神には胸が締め付けられます。夏天(か・てん)と李琥珀(こはく)のシーンは、希望の光を感じさせる一方で、今後の過酷な運命を予感させます。
つづく