金帳王庭(きんちょうおうてい)の騎兵隊が夏侯に雨霰の如く矢を放つ。しかし、夏侯は魔宗の法力で難なく矢を払い、無傷でいる。これを見た城楼上の馬士襄は驚きを隠せない。唐軍は沸き立ち、夏侯への声援を送る。

金帳王庭(きんちょうおうてい)は攻撃の手を緩めず、次々と兵を繰り出すも、夏侯の魔宗の法力の前には歯が立たない。渭不倒(いのふとう)は夏侯の秘密を口走りそうになるが、馬士襄に口を塞がれる。

形勢不利と見た金帳王庭(きんちょうおうてい)の首領自ら夏侯と激闘を繰り広げる。激しい戦いの末、夏侯は力尽きて倒れる。その時、寧缺(ねい・けつ)が駆けつけ、敵を撃退し夏侯を救う。

寧缺(ねい・けつ)は陣営に戻ると、故唐王・李仲易に弔意を表し、夏侯と李琥珀(こはく)を都に送り届けることを決める。馬士襄に民の避難を指示するが、彼は故郷への愛著から留まることを選ぶ。寧缺(ねい・けつ)は李仲易の遺詔を馬士襄に託し、彼を無理やり送り出す。

李仲易の遺体を都に運ぶ方法を思案した結果、夏侯は火葬を提案する。馬士襄は仮対するも、他に方法がなく同意する。李仲易の棺に火が放たれ、遺体は灰となる。

翌朝、寧缺(ねい・けつ)は夏侯と李琥珀(こはく)と共に、李仲易の遺灰を抱え都へ向かう。馬士襄は城楼から彼らを見送り、一人渭城に残る。

隆慶率いる金帳王庭(きんちょうおうてい)は唐の民を虐殺しながら進軍する。馬士襄は渭不倒(いのふとう)や多くの若者と共に渭城を守り抜こうとするが、圧倒的な敵軍の前に渭城は陥落する。馬士襄は壮絶な戦死を遂げる。

都では、李琿円の暴政に民は怒りを募らせている。彼は些細なことで侍衛を殺し、徐崇山(じょすうざん)の怒りを買う。徐崇山(じょすうざん)は李琿円を闇殺しようとするが、驚神陣に阻まれ、逆に何明池(か・めいち)の檐獣殺陣によって殺される。何明池(か・めいち)は李琿円と李漁の仲を裂こうと画策する。

真実を知った李漁は李琿円を問い詰め、宮廷内に嵐が巻き起こる。一方、渭城を離れた寧缺(ねい・けつ)一行は、李仲易の遺灰と共に、未だ見ぬ運命へと向かっていた。

第25話の感想

第25話は、まさに激動の展開でした。夏侯の圧倒的な強さと、それを上回る金帳王庭(きんちょうおうてい)の猛攻、そして寧缺(ねい・けつ)の タイムリーなな登場と、息つく暇もないアクションシーンに手に汗握りました。特に、夏侯が魔宗の法力を駆使して矢の雨をものともしないシーンは、視覚的にも非常にインパクトがあり、彼の底知れない力を改めて感じさせられました。

しかし、この戦闘シーンだけでなく、登場人物たちの心情描写も深く描かれていた点が印象的です。故郷を守るため、死を覚悟で渭城に残ることを決意する馬士襄。彼の決断には、深い悲しみと覚悟が感じられ、胸を締め付けられるものがありました。李仲易の火葬シーンもまた、静かながらも非常に感情なシーンでした。燃え盛る炎を見つめる将士たちの表情には、様々な感情が入り混じっているようでした。そして、都で繰り広げられる権力闘争。李琿円の暴政、徐崇山(じょすうざん)の死、何明池(か・めいち)の闇計など、今後の展開を不安にさせる要素が満載です。

つづく