第26話、唐の宮廷内における権力闘争は激化の一途を辿る。李漁は李琿圓を激しく叱責し、徐崇山(じょすうざん)の軽率な殺害、そして許世(きょ・せい)将軍の行方漏洩による死を責め立てた。李琿圓は自衛を主張するも、李漁の怒りは収まらず、激しい口論の末、李琿圓は衝動的に譲位を申し出る。しかし、李漁はこれを一喝し、更に李琿圓の暴言に匕首を抜いて対抗、事態を収拾させた。
李漁は一連の事件の黒幕を何明池(か・めいち)と睨み、華山岳(かざんがく)に逮捕を命じる。しかし、混乱を避けるため、何明池(か・めいち)を北疆の戦場へ送り、真の仮省を促す策に出る。昊天道南門にて、李漁と李琿圓が直接対峙するも、何明池(か・めいち)は出徴を拒否。李漁の強い意誌の前に、最終的に観主として士気を鼓舞する任務を受け入れることとなった。
一方、寧缺(ねい・けつ)は夏天(か・てん)、李琥珀(こはく)、そして渭城の民を護衛し都へ向かう途中、梧州にて伏兵の可能性を察知し、迂回を提案する。この報を受けた李漁は、李琿圓を出迎えに遣わそうとするが、李琿圓は西陵(せいりょう)に降伏すると言い出す始末。華山岳(かざんがく)が自ら梧州へ向かうことを申し出て、李漁は彼の身を案じつつも、これを許可する。このやり取りを李琿圓の側近宦官が盗み聞き、李琿圓は何明の腹心である何一(かいち)を梧州へ送り、寧缺(ねい・けつ)一行の足止めを地元の廂軍に命じた。
しかし寧缺(ねい・けつ)は既に策を講じており、梧州城外で華山岳(かざんがく)、李漁と合流。夏天(か・てん)と李琥珀(こはく)を安全な場所に匿ったことを明言し、誰にも危害を加えさせないと宣言する。その後、二人を無事に都へ送り届け、城門で衛兵に阻まれるも、夏天(か・てん)が先王后の身分を明かし、入城を許される。寧缺(ねい・けつ)は二人をかつての曽静(ぞうせい)の屋敷にかくまった。
宮廷にて、寧缺(ねい・けつ)は懐かしいながらもどこか違う景色を眺め、李仲易への思いを新たにする。そこに李漁が現れ、懐柔を試みるも、寧缺(ねい・けつ)は遺詔改竄の事実を突きつける。李漁は逆に寧缺を皇家への幹渉だと非難するが、寧缺は大唐は天下の物であり、李家の私物ではないと仮駁。李琿圓の罪状を列挙し、責任を問うた。
第26話の感想
第26話は、唐国内の権力争いが激化し、様々な思惑が交錯する緊迫感溢れる展開でした。李漁は、兄である李琿圓の失策を厳しく追及し、国の未来を案じる強い責任感が印象的でした。しかし、その強引なやり方は、周囲との摩擦を生み出し、更なる混乱を招きかねない危うさも感じさせます。特に、匕首を抜いて李琿圓を威圧するシーンは、彼女の焦りと覚悟が強く表れていました。
一方、寧缺は、民を思いやる優しさと、不正を許さない強い正義感を持ち続けています。冷静に状況を分析し、先手を打つ戦略的な思考も光っていました。夏天(か・てん)と李琥珀(こはく)を安全な場所に匿い、自身は李漁と対峙する姿は、まさに守護者の風格です。
何明池(か・めいち)の動向も気になります。北疆への出徴を拒否するなど、自身の保身ばかりを考えているように見えますが、その真意はどこにあるのでしょうか。今後の展開で重要な役割を担う可能性も秘めているため、注目が必要です。
つづく