寧缺(ねい・けつ)は李漁に詰め寄り、李琿圓の居場所を問い詰めた。恨みを晴らすつもりだ。李漁は李琿圓が休息中だと時間を稼ぎ、寧缺(ねい・けつ)にお茶を勧めた。寧缺(ねい・けつ)は疑念を抱きながらも、李漁の次の一手を気にかけ、渋々席に著いた。

同時に、羽林軍(うりんぐん)の何一(かいち)が曽府前に到著、緊迫した空気が漂う。夏天(か・てん)は魔宗の法で彼らを追い払おうとするが、曽静(ぞうせい)は不必要な争いを避けるよう諭し、寧缺(ねい・けつ)と李漁の交渉の結果を待つよう促した。

交渉の席で、寧缺(ねい・けつ)は李琿圓の退位を要求。彼に権力を握らせ続けると大唐は滅ぶと断言した。李漁は仮論し、夏天(か・てん)が魔宗の聖女であることを暴露。李琥珀(こはく)を支持する者は少ないと主張した。大唐の安定のため夏天(か・てん)下手はしなかったと言い、寧缺(ねい・けつ)と書院(しょいん)に李琿圓支持を促した。これが大唐を救う唯一の道だと。寧缺は李仲易の遺詔に従うと譲らない。李漁は夏天(か・てん)に復讐されることを恐れ、寧缺は姉弟の安全を保障した。このやり取りを、楼上の李琿圓は全て聞いていた。

ここで、事態は急変する。寧缺と李漁が杯を交わすと、毒が回り、二人は倒れた。しかしこれは寧缺の策略だった。毒を見抜き、李琿圓の正体を暴くためにわざと飲んだのだ。計略が露見した李琿圓は逆上し、二人を殺そうとするが、寧缺に阻まれる。寧缺は怒り、侍衛を斬り、犠牲者の復讐を誓う。李漁は必死に寧缺に李琿圓の命乞いをし、翌日、朝廷で罪を認め、李琿圓を退位させると約束した。

一方、寧缺が毒に倒れたと誤解した何一(かいち)は、曽府への攻撃を命じようとする。だが、寧缺が駆けつけ、何一(かいち)を討ち取り、危機を回避。そして夏天(か・てん)と李琥珀(こはく)を皇宮へ送り届けた。曽静(ぞうせい)に桑桑(そうそう)を連れ帰れなかったことを詫び、曽静(ぞうせい)は悲しみを受け入れた。

翌日、李漁と李琿圓は約束通り朝廷へ。李琿圓は罪を認め、改心を誓った。しかし寧缺は容赦せず、李琿圓を討ち、犠牲者に報いた。李漁は悲嘆に暮れ、倒れ伏した。華山岳(かざんがく)は寧缺を捕らえようとするが、寧缺は李仲易の遺児、李琥珀(こはく)の正当な継承権を宣言。李沛言も仮論できず、新皇帝に祝辞を述べた。

皇宮に戻った夏天(か・てん)は、李仲易との日々を思い出す。李琥珀(こはく)に、父が自分の正体を知った後も受け入れてくれたことを語り、父王の誌を継ぐよう励ました。李琥珀(こはく)は深く感動し、大唐を繁栄させると誓った。こうして大唐に新たな皇帝が誕生し、寧缺は大切な者たちとこの地を守り続ける。

第27話の感想

緊迫感あふれる展開の連続で、息つく暇もない第27話でした。寧缺の知略と決断力、そして冷酷さが見事に描かれていました。李漁との駆け引き、李琿圓との対決、そして何一(かいち)との戦闘、どの場面も手に汗握る緊張感がありました。特に、毒入りのお茶を敢えて飲むシーンは、彼の覚悟と胆力を感じさせる名シーンでした。

李漁の苦悩も印象的でした。弟の愚行を止められず、大唐の未来を案じ、最終的には寧缺に命乞いをする彼女の姿は、悲劇的ながらも強く心を揺さぶられました。弟への愛と国への忠誠の間で揺れ動く彼女の心情が繊細に表現されていました。

一方、夏天は魔宗聖女としての力を見せながらも、冷静さを保ち、曽静(ぞうせい)の助言に従うなど、成長を感じさせる場面もありました。李琥珀(こはく)はまだ幼いながらも、父の遺誌を継ぎ、大唐を繁栄させると誓う姿は、未来への希望を感じさせました。

つづく