あらすじ
第二十八話は、様々な出来事がめまぐるしく展開します。
まず、寧缺が李漁を軟禁する場面から始まります。 隆慶を支援するため、崇明は兵を率いて駆けつけ、その際に李漁を見舞います。
一方、熊初墨は配下の葉紅魚と羅克敵に青峡への攻撃を命じます。 大唐の将来を憂う程立雪の姿も描かれます。
また、桑桑と天女の間で激しい言い争いが勃発。 陳皮皮は莫山山を救おうとしますが、失敗に終わります。 しかし、葉紅魚が窮地に陥った莫山山と陸晨迦を救出します。
熊初墨は陳皮皮に対し、書院にある陣眼杵を持ち帰るよう脅迫。 陳某は現状を分析し、自ら書院へ赴き、李慢慢に会うことを決意します。 そして、陳皮皮は父である熊初墨に唐(とうを許すよう懇願しますが、厳しい叱責を受けるのでした。
ネタバレ
夏の暑さ厳しい中、軍からの緊急報告が夏天のもとへ届き、彼女は直ちに前線の状況把握を命じた。一方、即位したばかりの李琥珀に対し、曽静は捕らえられた羽林軍への適切な処置を求めた。李琿圓の死後、悲しみに暮れる李漁は酒に溺れ、華山岳は心配するも拒絶され、追い払われてしまう。
寧缺が李琿圓を殺し、李漁を幽閉したと知った崇明は焦燥する。唐軍の抵抗に苦戦する隆慶の報を受け、崇明は援軍を率いると同時に、囚われた李漁を見舞うことを決意する。寧缺は李漁の安全のため、府内の刃物を全て没収するよう命じる。しかし、李漁は寧缺への恨みを募らせ、魔宗の聖女とされる夏天を庇護する彼を責める。寧缺は先帝・李仲易の遺誌に従い、大唐と李漁を守ると誓う。
寧缺が李琥珀を擁立したと知った熊初墨は激怒し、葉紅魚と羅克敵に西陵の騎兵を率いて南下、青峡を攻撃するよう命じる。葉紅魚は不本意ながらも出陣し、その姿を葉青が見つめる。程立雪は病床の天諭大神官に唐と西陵の緊迫した情勢を伝え、大唐の未来を憂慮する。天諭大神官は桑桑が大唐を救う可能性を感じ取るも、天女と桑桑の区別がつかず困惑する。
実は、桑桑と天女は一体化し、光と闇のように共存している。夫子が桑桑の気を天女に注入したため、天女は桑桑の影響から完全に逃れられない。桑桑は昇天を望まず、天女もまた現世に縛られ、二人の間ではしばしば意見が衝突する。
熊初墨が莫山山を祭旗に利用しようと企んでいると知った李慢慢は、陳皮皮を救出に向かわせる。陳皮皮は機転を利かせ、警備を倒し、幽閣樊籠の禁製を解こうとするが失敗する。その時、莫山山は自ら禁製を解き、駆けつけた葉紅魚に救出され、陸晨迦と共に桃山を脱出する。
月輪国へ戻ろうとする陸晨迦に、莫山山は執著を捨て、光が闇に打ち勝つと信じるよう諭す。しかし、陸晨迦は隆慶への想いを断ち切れない。葉紅魚は陸晨迦の痴情を冷ややかに見て、三人は別れる。莫山山はいつか三痴が再会できることを願う。
陳皮皮の救出劇を知った熊初墨は、彼を利用して書院の陣眼杵を奪おうとする。陳皮皮は機智に対処するが、激怒した熊初墨に殺されそうになる。間一髪、葉青と陳某が現れ、彼を救う。陳某は陳皮皮の独断専行を叱責し、仮省を命じる。そして、自ら書院へ行き李慢慢と交渉することを決め、葉青を青峡へ派遣して葉紅魚を支援させ、自身は大唐との最終決戦の準備を進める。
この物語では、様々な勢力が大唐の運命を巡り激しく争い、感情と責任、忠誠と裏切りが複雑に絡み合い、激動の政治絵巻が展開される。そして、この嵐の渦中で、誰もがそれぞれの信念と立場のために戦い、未来は不確実性に満ちている。
第28話の感想
第28話は、それぞれのキャラクターの苦悩と決断が深く描かれた、非常に重厚なエピソードでした。特に印象的なのは、李漁の悲しみと寧缺の責任感の対比です。愛する兄を失い、絶望の淵に沈む李漁。その一方で、大唐と民を守るという重責を担う寧缺。二人のすれ違う想いは、見ている側にも胸を締め付けるものがありました。
また、桑桑と天女の一体化という設定も、物語に新たな深みを与えています。光と闇、相仮する存在でありながら、互いに影響し合い、切り離せない関係。これは、まさに人間の内面にある矛盾や葛藤を象徴しているかのようです。二人のせめぎ合いが、今後の展開にどう影響していくのか、非常に気になるところです。
そして、西陵の動きも激化し、戦乱の足音がますます近づいてきています。熊初墨の冷酷な策略、葉紅魚の内面の葛藤、そして莫山山と陸晨迦の友情。それぞれの思惑が交錯し、緊張感が高まる展開に目が離せません。特に、葉紅魚が莫山山を救出したシーンは、彼女の複雑な心情が垣間見え、今後の変化を予感させます。
つづく