唐国は危機に瀕し、葉青は落胆する陳皮皮を励まし、知守観に残るよう諭した。唐の滅亡を避けられないと悟り、陳皮皮は悲嘆に暮れ、再び跪き、夫子(ふうし)の加護と書院(しょいん)の仲間たちの無事を祈った。諸国からの使者が挑発を繰り返す中、若き皇帝李琥珀(こはく)は夏の支えを受け、毅然と戦うことを決意する。夏は書院(しょいん)と民衆の力を信じ、仁政で戦後の傷を癒やすよう李琥珀(こはく)を励ました。李琥珀(こはく)の度量は夏を深く感心させた。

寧缺(ねい・けつ)は唐を案じ、書院(しょいん)へ急ぎ戻るも無人であることに不安を募らせる。河辺で余簾、宋謙(そうけん)、八師兄と再会し、安堵する。陳皮皮が知守観に戻り、他の師兄師姐たちが前線で戦っていることを知り、寧缺(ねい・けつ)は書院(しょいん)が国難に際して立ち上がるべきだと再認識する。驚神陣を安定させるため陣眼杵を取りに行くが、そこには深刻な亀裂が走り、陣の崩壊が近いことを示していた。余簾は李慢慢(り・まんまん)が描いた陣図を寧缺(ねい・けつ)に渡し、早急に修復するよう託した。

朝廷では敗報が続き、剣聖柳白までもが唐討伐に加わったことで、官僚たちは恐怖に慄いていた。幸い、朝小樹が北の地で義勇軍を組織し、危機を一時的に食い止めていた。李琥珀(こはく)は広く意見を求め、そこに現れた寧缺(ねい・けつ)は書院(しょいん)が国を守ることを宣言する。寧缺(ねい・けつ)は李琥珀(こはく)と夏を驚神陣の指揮室へ案内し、陣眼杵で陣を起動、李慢慢(り・まんまん)の陣図から陣の弱点を発見する。夏はこれが書院(しょいん)の先生たちの仕業だと推測し、寧缺(ねい・けつ)は唐への書院(しょいん)の隠された貢献に思いを馳せ、陣の崩壊を遅らせる方法を探すと誓う。

内通者の可能性がある何明池(か・めいち)を警戒し、李琥珀(こはく)は夏に避難を勧めるが、夏は皇帝と共にいることを選ぶ。寧缺(ねい・けつ)は書院(しょいん)の仲間たちの動向を伝え、李慢慢(り・まんまん)は別れ際に、来るべき危機に備え、それぞれが役割を担うよう指示していたことを明かす。書院(しょいん)では、宋謙(そうけん)と八先生は知略を駆使して熊初墨の侵入を完全に防ぐことはできなかったものの、書院(しょいん)の粘り強さと知性を示した。

一方、七念(しちねん)は唐軍の陣営を奇襲し、強力な念力で兵士たちを圧倒する。李慢慢(り・まんまん)が駆けつけ、瓢箪で七念(しちねん)を負傷させ、二人の因縁は深まり、無距での決闘を約束する。李慢慢(り・まんまん)は夫子(ふうし)の遺物である木棍を見つけ、陳某は書院(しょいん)の崩壊を予言し、緊張は高まる。

書院(しょいん)の外では、熊初墨率いる大軍が迫る。宋謙(そうけん)と八先生は碁盤を操り、山石で敵を阻もうとするが、成功には至らない。しかし、彼らの勇敢な姿は熊初墨の嘲笑をものともせず、さらなる激戦の幕開けを予感させた。

第29話は緊張と希望が交錯する中で幕を閉じる。唐の運命、書院の戦い、そして登場人物たちの未来は、今後の展開で明らかになるだろう。

第29話の感想

第29話は、唐国存亡の危機に直面する緊迫感と、書院の面々がそれぞれの持ち場で奮闘する姿が印象的なエピソードでした。特に、若き皇帝李琥珀(こはく)の苦悩と決意、そして彼を支える夏の献身的な姿には胸を打たれました。外敵の挑発にも屈せず、民衆と国の未来を案じる李琥珀(こはく)の成長が感じられ、今後の展開に期待が高まります。

また、寧缺(ねい・けつ)が陣眼杵の亀裂を発見するシーンは、驚神陣の崩壊、ひいては唐国の未来を闇示するようで、強い不安を感じさせました。李慢慢(り・まんまん)が用意した陣図を頼りに、寧缺(ねい・けつ)たちがどのようにこの危機を乗り越えるのか、今後の展開が非常に気になります。

書院の先生方が国を守るため、水面下で尽力してきたことが明らかになったのも、このエピソードの大きなポイントでした。特に、驚神陣に仕掛けられた「脆弱性」は、彼らが唐国の未来を見拠え、苦渋の決断を下したことを物語っています。彼らの真意、そしてその先に待つ運命とは一体何なのか、深く考えさせられるシーンでした。

つづく