盂蘭節の瓦山に莫山山(ばく・さんさん)が到著。寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)は彼女に会い、ぎこちない雰囲気に。桑桑(そうそう)は二人に話す機会を与えようと、疲れたふりをして馬車の中で休むことに。寧缺(ねい・けつ)は莫山山(ばく・さんさん)と少し離れた場所で話し、夏侯を倒した経緯を聞かれる。寧缺(ねい・けつ)は勝利したものの、桑桑(そうそう)が大きな代償を払ったことを後悔していると告白する。莫山山(ばく・さんさん)は桑桑(そうそう)の回復を信じ、彼を励ました。

突然、黒馬が嘶き、桑桑(そうそう)は藁を与えて落ち著かせようとするが、黒馬は言うことを聞かず、桑桑(そうそう)を寧缺(ねい・けつ)の元へ連れて行く。莫山山(ばく・さんさん)は、岐山(きざん)大師(きさん)に会うには瓦山の三つの試練を突破する必要があると寧缺(ねい・けつ)に告げる。桑桑(そうそう)の容態を心配する寧缺(ねい・けつ)は焦るが、桑桑(そうそう)は莫山山(ばく・さんさん)に同行を頼み、莫山山(ばく・さんさん)も快諾する。馬車の中で、莫山山は瓦山の女性たちが桑桑(そうそう)に興味を持っていることを伝え、桑桑(そうそう)は自分はただの侍女だと謙遜し、これまで無視されてきた経験を面白おかしく語る。莫山山は寧缺にとって桑桑(そうそう)が最も大切な存在であることを羨ましく思う。桑桑(そうそう)は莫山山が寧缺に好意を抱いていることを見抜き、自分が死ぬ以外、諦めるように忠告する。

馬車を降りた莫山山は、寧缺を見送りながら複雑な心境になる。そこに月輪(げつりん)国の公主、陸晨迦が現れ、莫山山の片思いに気づく。莫山山は寧缺の幸せを願っていると語り、陸晨迦には岐山(きざん)大師(きさん)に恋愛相談をしないよう忠告する。

寧缺と桑桑は虎跳澗に著くが、黄衣の修行僧に道を阻まれ、残局を解くよう迫られる。時間を無駄にしたくない寧缺は弓矢で突破しようとするが、桑桑はそれを止め、乱柯の残局に挑戦する。桑桑は一手白を打ち、熟考の末に攻略法を見つけ、見事残局を解く。修行僧は彼らの通過を許可し、寧缺は桑桑を抱きかかえて山を登る。

涼亭では洞明大師が待ち構えており、桑桑のために風よけを用意していた。桑桑は定石を破り黒を選び、対局は引き分けに終わる。洞明大師は二人に山への登攀を許可する。宝樹大師と曲妮(きょくじ)が瓦山に到著すると、天擎宗の観海(かんかい)に阻まれる。寧缺が既に二つの試練を突破したと聞き、観海(かんかい)は焦るが、結局二人を通す。

洞廬に著いた寧缺は、大樹に残る三枚の葉を見て岐山(きざん)大師(きさん)に桑桑の治療を頼む。岐山(きざん)は最後の試練として対局を要求する。葉が落ちることを恐れる寧缺は岐山(きざん)に無礼な態度をとるが、岐山(きざん)は無視し、桑桑が対局に臨む。桑桑が冷えた碁石を手に取ると、風が吹き二枚の葉が落ち、最後の一枚だけが残る。寧缺は焦燥する。

その時、宝樹と曲妮(きょくじ)が洞廬に到著し、岐山大師(きさん)に謁見する。岐山は宝樹に盂蘭の鈴をしまうよう命じるが、宝樹は腹いせに鈴を地面に投げつけ音を鳴らす。岐山の陰謀を見抜いた岐山は二人を追い払おうとし、桑桑に梨を与える。桑桑はそれを美味しそうに食べる。

第3話 感想

第3話は、桑桑の身を案じる寧缺の焦りと、彼を支えようとする桑桑の健気さが胸を打つエピソードでした。岐山大師(きさん)に会うための瓦山の試練は、まさに時間との戦い。残された時間と桑桑の容態が悪化する不安の中で、寧缺の焦りは募るばかりです。そんな彼を支える桑桑の強さは、見ているこちらも勇気づけられます。

特に印象的だったのは、桑桑が乱柯の残局を解くシーン。一手一手に込められた彼女の知性と決意は、まさに圧巻でした。また、洞明大師との対局で定石を破り黒を選ぶ大胆さも、彼女の芯の強さを象徴しているように感じました。ただの侍女と謙遜しながらも、内に秘めた賢さと強さを垣間見せる桑桑の魅力が、このエピソードでより際立っていました。

つづく