寧缺(ねい・けつ)は驚神陣の塞がった箇所をすべて莫山山(ばく・さんさん)に見せた。李慢慢(り・まんまん)が地図に赤い印をつけ、莫山山(ばく・さんさん)は遠くからでも驚神陣の強大な力を感じ取ることができた。彼女は息を凝らし集中したが、すぐには莫大な天地元気を集めて修復することはできなかった。莫山山(ばく・さんさん)は最善を尽くして修復すると約束したが、結果は保証できないと告げた。連日の疲労と不安から解放された寧缺(ねい・けつ)は、その場でぐっすりと眠り込んだ。

莫山山(ばく・さんさん)は寧缺(ねい・けつ)を連れ、都の至る所で欠陥を調べ、ついに朱雀(すざく)大街の南端で塞がりの原因を見つけた。莫山山(ばく・さんさん)は石で門を封鎖しようと塊壘大陣を発動したが、驚神陣の塞がりを解消することはできなかった。同時に、君陌(くんはく)と仲間たちは範悦を必死に支えていた。範悦は河山盤で耐えていたが、すでに限界に達していた。それでも、寧缺(ねい・けつ)と莫山山(ばく・さんさん)に時間を稼ぐために全力を尽くした。

寧缺(ねい・けつ)は焦燥し、見慣れた都の中を探し回ったが、良い解決策が見つからなかった。彼は心の中で、夫子(ふうし)と顔瑟(がんしつ)大師の啓示を祈った。その時、葉青が青峡に現れ、君陌(くんはく)に決闘を申し込んだ。君陌(くんはく)はすでに数百人を殺したと言い、もう一人増えたところで構わないと答えた。葉青は柳白が君陌(くんはく)が完全に怒り狂う瞬間を待っていることを知っていたが、もはや待つことができず、すぐに決著をつけようとした。

陳某は大摇大摆で都に現れ、李慢慢(り・まんまん)が追ってきた。都を占領しようと焦る陳某は、李慢慢(り・まんまん)をその場で打ち倒した。莫山山(ばく・さんさん)は塊壘大陣で対抗したが、陳某の法力に押され、よろめきながら陳某が都に侵入するのを見守ることしかできなかった。葉青と君陌(くんはく)は激戦を繰り広げ、念力で剣を操った。互角の戦いの中、葉青の二撃目で君陌(くんはく)は一歩後退した。葉青は李慢慢(り・まんまん)との戦いで生死の真理を悟ったと豪語し、君陌(くんはく)に迫り、鎧を貫こうとしたが、失敗に終わった。葉青の力は尽きたが、君陌(くんはく)は無傷だった。君陌(くんはく)は彼に自重するように言い、葉青は一礼して去っていった。

寧缺(ねい・けつ)は夫子(ふうし)の言葉を思い返し、驚神陣の修復方法を探ろうとしたが、陳某が現れてもまだ手がかりはなかった。陳某が皇宮に向かうと、余簾が現れて彼を止め、蝉鳴で封じ込めた。天啓神術が使えなくなった陳某は、余簾が五境を突破していたことに驚愕した。余簾は魔宗の功法で陳某に攻撃し、激しい戦いが始まった。周囲の家屋は破壊され、瓦礫の山となった。陳某は魔宗の功法で莫山山(ばく・さんさん)を攻撃し、彼女は倒れた。駆けつけた李慢慢(り・まんまん)も加勢したが、二人とも陳某に敵わず、打ち倒された。

君陌(くんはく)の鎧が突然砕け散り、四先生(しせんせい)が急いで脱がせると、胸に傷を負っていた。四先生(しせんせい)は、その場で鎧を修復し始めた。

第32話の感想

第32話は、緊迫感あふれる展開で、息つく暇もないほどでした。驚神陣の修復を託された莫山山(ばく・さんさん)と、それを守ろうと奮闘する仲間たちの姿が印象的です。特に、疲労困憊の中、全力を尽くす範悦の姿には胸を打たれました。彼の限界を超えた努力が、後の展開にどう影響するのか、非常に気になります。

葉青と君陌(くんはく)の対決も、見応えがありました。互いの力をぶつけ合う激戦は、手に汗握るものでした。葉青の「生死の真理を悟った」という言葉が印象的でしたが、結局は君陌(くんはく)に及ばず、敗北を喫します。彼の無念さが伝わってくるようで、切ない気持ちになりました。

陳某の圧倒的な強さも際立っていました。李慢慢(り・まんまん)、莫山山(ばく・さんさん)、そして余簾までもが、彼の前に敗れ去ります。破五境に達した余簾でさえも敵わないとは、陳某の力の大きさを改めて思い知らされます。彼の目的が何なのか、今後の動向が非常に気になります。

つづく