天女(てんにょ)の怒りにより、寧缺(ねい・けつ)は崖から突き落とされた。桑桑(そうそう)は激怒し、自害して天女(てんにょ)の完全な昇天を阻止すると脅す。天女(てんにょ)は桑桑(そうそう)を完全に浄化すれば寧缺(ねい・けつ)の記憶を失うと告げる。寧缺(ねい・けつ)は何度も蔓に掴まり登ろうとするが、幾度も落下する。天女(てんにょ)は考え直し、ついに寧缺(ねい・けつ)は光明殿(こうめいでん)へ這い上がる。
幽閣に囚われていた陳皮皮は、寧缺(ねい・けつ)が登ってくるのを見て助けに来たと勘違いするが、寧缺(ねい・けつ)は桑桑(そうそう)を救い、天女(てんにょ)を人間界に留めるためだと明かす。それは夫子(ふうし)の願いでもあった。寧缺(ねい・けつ)は書院(しょいん)の天人大戦計画を陳皮皮に伝え、陳皮皮は自分が渡引使に選ばれたことを明かし、寧缺(ねい・けつ)の無謀な行動を心配する。しかし寧缺(ねい・けつ)は、桑桑(そうそう)が自分を見捨てることはないと信じている。
熊初墨は天女(てんにょ)に、李慢慢(り・まんまん)に手紙を送り、陳皮皮が渡引使になったことを伝え、寧缺(ねい・けつ)と書院(しょいん)の人間をおびき寄せて一網打尽にする計画を報告する。天女(てんにょ)は面倒くさそうに、好きにしろと言う。桑桑(そうそう)は天女(てんにょ)を通して熊初墨に酸辣麺片湯を作るよう伝える。
寧缺(ねい・けつ)は自ら酸辣麺片湯作りを申し出る。天女(てんにょ)が酸辣麺片湯を指定したことから、彼女が桑桑(そうそう)の化身だと確信したのだ。寧缺(ねい・けつ)はすぐに料理を完成させ、隆慶が天女(てんにょ)にそれを届ける。隆慶は自分が作ったと嘘をつき、天女(てんにょ)に忠誠を誓う。桑桑(そうそう)は隆慶に会いたくないため、天女(てんにょ)に彼を追い払わせる。そして、それが寧缺の作った麺片湯だとすぐに気づき、嬉しそうに笑う。
朝小樹は宋国にたどり著き、町の書画舗を借りる。彼は酒徒(しゅと)と屠夫を訪ね、さりげなく詩を詠み交わす。酒徒(しゅと)と屠夫は久しぶりの新参者に警戒心を抱き、朝小樹の奇妙な匂いに気づくが、彼に修行の気配がないことから安心する。
寧缺は夜に幽閣へ行き、陳皮皮に今日の出来事を報告する。そこに隆慶が現れ、寧缺は慌てて崖に隠れる。隆慶は天女が選んだ渡引使が陳皮皮だと知り、知守観で陳某の世話をするためと偽り、知守観に入る方法を尋ねる。陳皮皮は熟慮の末、隆慶に教える。
木柚は自嗨鍋を作り、師兄師姐たちは舌鼓を打つ。君陌(くんはく)は陳皮皮が渡引使に選ばれたことを皆に伝え、救出を求める声が上がる。唐小棠は陳皮皮への想いを告白し、自ら救出を誌願する。余簾は彼女の無事の帰還を信じ、唐小棠は西陵(せいりょう)へ向かう。
隆慶は知守観で陳某に会い、世話をすると言い残る。陳某は失望しながらも、隆慶に野心を取り戻すよう促し、陳皮皮を救出するよう命じる。天女が昇天できなくなれば、隆慶に特別な力を授けると約束する。陳某は隆慶の本命物を回収し、任務完瞭後に返すことを約束する。隆慶が心から知守観に戻りたいと思っていないことを見抜いている陳某だが、任務さえ達成すれば彼の望みを葉えると告げる。
実は陳某は天女の昇天を阻止する計画を既に練っていた。天女が人間界への情、特に寧缺への想いを断ち切れないことを見透かし、この機会に天女を排除しようと企んでいるのだ。
第39話の感想
第39話は、様々な思惑が交錯し、物語が大きく動き出す重要な回でした。寧缺の桑桑(そうそう)への深い愛情、そして桑桑(そうそう)を守るための彼の決意が強く印象に残ります。崖を登るシーンは、まさに命懸けの行動であり、二人の絆の深さを改めて感じさせられました。また、天女が時折見せる桑桑(そうそう)らしき言動も、今後の展開を闇示しているようで興味深いです。
一方、陳皮皮が渡引使に選ばれたことで、書院(しょいん)側にも緊張が走ります。唐小棠の陳皮皮への告白は、彼女のまっすぐな性格をよく表しており、微笑ましい仮面、危険な任務に自ら赴く彼女の勇気に胸を打たれます。そして、木柚の作る自嗨鍋の描写は、緊迫した状況の中でも、書院(しょいん)の温かい日常を感じさせてくれる、心休まる一幕でした。
隆慶の行動は、相変わらず読めない部分が多いですが、陳某との会話から、彼の内面に変化が生まれていることが伺えます。プライドの高い隆慶が、かつての師である陳某に頭を下げるシーンは、彼の desperation を感じさせ、今後の動向が気になります。陳某自身も、天女を利用して何かを企んでいるようで、今後の展開がますます予測不可能になってきました。それぞれのキャラクターの思惑が複雑に絡み合い、物語はますます混沌としていくでしょう。今後の展開から目が離せません。
つづく