寧缺(ねい・けつ)は桑桑(そうそう)の手から梨を奪い取り、急いで食べながら碁を促した。宝妮が二人の様子をからかう中、最後の木の葉が碁盤に落ちた瞬間、桑桑(そうそう)が倒れた。岐山(きざん)大師(きさん)は、桑桑(そうそう)が碁盤の中に閉じ込められたと言う。
寧缺(ねい・けつ)は剣で碁盤を割ろうとするが、逆に吹き飛ばされ、山々に囲まれた場所で記憶を失った桑桑(そうそう)を見つける。必死に呼びかけ、ついに桑桑(そうそう)の記憶を取り戻し、二人は抱き合った。
朝になり、二人は元の場所に戻っていた。宝樹は碁盤が天擎宗の宝であることを知り、盂蘭鈴(うられい)で寧缺(ねい・けつ)の身元を確かめようとするが、岐山(きざん)に阻まれる。
桑桑(そうそう)は生活の苦しさから老筆斎を売ろうと提案するが、寧缺(ねい・けつ)は仮対する。桑桑(そうそう)はへそくりがあること、そして莫山山(ばく・さんさん)からの手紙のことを話す。
岐山(きざん)は桑桑(そうそう)の体内の寒毒が深刻なことを知り、天擎の修行を勧める。桑桑(そうそう)は弟子入りし、寧缺(ねい・けつ)は夫子(ふうし)から“借りた”酒を謝礼として渡す。岐山(きざん)は桑桑(そうそう)に経典を贈った。
夜、桑桑(そうそう)は寧缺(ねい・けつ)との思い出を書き綴る。寧缺はそれを読み、桑桑(そうそう)の深い愛情に心を打たれる。
翌日、寧缺は岐山(きざん)に桑桑の碁盤の中での出来事と、自分が冥王の子であることが桑桑に及ぼす影響を心配する。岐山(きざん)は彼を慰め、「天擎手印」の秘伝を授ける。そして、観海(かんかい)に盂蘭鈴(うられい)を懸空寺へ返すよう命じる。
盂蘭節が近づき、各派が集まる瓦山で、陸晨迦は曲妮(きょくじ)から寧缺を狙う計画を聞き、ほくそ笑む。寧缺は修行に励み、桑桑の体調も回復する。二人は盂蘭節後に書院(しょいん)へ戻る約束をするが、曲妮(きょくじ)の陰謀が動き出す。観海(かんかい)が盂蘭鈴(うられい)を運ぶ途中、襲撃され、盂蘭鈴(うられい)は奪われる。嵐の予感が漂っていた。
第4話 岐路に立つ二人、迫り来る陰謀
第4話は、寧缺と桑桑の絆の深まりと、周囲を取り巻く陰謀が交錯する、緊張感あふれるエピソードでした。碁盤の中の異世界での再会は、二人の強い愛情を改めて感じさせる感動的なシーンでした。記憶を失った桑桑を必死に呼び戻す寧缺の姿は、胸を締め付けられるものがありました。しかし、感動的な再会も束の間、現実世界の厳しさは容赦なく二人に襲いかかります。桑桑の病、生活の苦しさ、そして冥王の子である寧缺の宿命。これらの困難が、二人の未来に闇い影を落とします。
特に印象的だったのは、桑桑が夜中に書き綴る寧缺への手紙です。日々の些細な出来事、楽しかった思い出、そして未来への不安。彼女の言葉の一つ一つに、寧缺への深い愛情と、運命に翻弄される悲しみが込められており、涙を誘います。また、岐山大師(きさん)の存在も重要です。彼は桑桑の師となり、天擎の修行を授けることで、彼女を救う道筋を示します。しかし、同時に盂蘭鈴(うられい)をめぐる争奪戦にも巻き込まれ、物語はさらに複雑な様相を呈していきます。
つづく