酒飲みと肉屋は天女(てんにょ)の緊急指令を受け、桃山へ急行するも、途中、朝小樹と李慢慢(り・まんまん)に阻まれる。酒飲みは躊躇なく瓢箪を李慢慢(り・まんまん)に投げつけるが、軽くいなされてしまう。その後、二人は激しい戦闘に突入、互角の攻防を繰り広げるが、共に内傷を負い、決著はつかなかった。

この状況に激怒した肉屋は、屠刀を振るって李慢慢(り・まんまん)に襲いかかる。その時、朝小樹は身を挺して盾となる。驚くべきことに、朝小樹は自らの修為を捨て、敵を欺く策に出たのだ。不意を突かれた肉屋は朝小樹を斬りつけるが、その拍子に朝小樹の体内に隠された利剣が発動。仮撃を受けた肉屋は倒れ、吐血し、息絶えた。使命を果たした朝小樹は微笑みながら逝き、李慢慢(り・まんまん)は悲しみに暮れ、天を仰いで慟哭する。

一方、酒飲みと肉屋の敗北を悟った天女(てんにょ)は、熊初墨に西陵(せいりょう)の神官たちを率いて寧缺(ねい・けつ)を包囲するよう命じる。危機的状況の中、葉紅魚(よう・こうぎょ)と隆慶が寧缺(ねい・けつ)に加勢する。熊初墨は光明神の光を祈るが、その光は意外にも寧缺(ねい・けつ)を包み込む。実はこれは桑桑(そうそう)が陰ながら助けていたのだ。力の源を感じ取った寧缺(ねい・けつ)は自信を深め、光明神の光を借りて熊初墨たちを次々と打ち破る。寧缺(ねい・けつ)は隆慶の援護に感謝し、熊初墨が葉紅魚(よう・こうぎょ)に犯した非道な行いを暴露する。

同時に、剣聖柳白は天女(てんにょ)に挑戦するが、剣先は目に見えない壁に阻まれる。柳白は諦めず、剣は徐々に侵食され、鞘だけが残る。彼は隙を突いて禁製を破ろうとするが、天女(てんにょ)には全てお見通しだった。怒りに燃える天女(てんにょ)の前に、柳白の姿は忽然と消え失せる。

天女(てんにょ)は寧缺(ねい・けつ)に迫り、仲間の命を盾に降伏を迫る。寧缺(ねい・けつ)は屈せず、激怒した天女(てんにょ)は陳皮皮を灰に変えてしまう。寧缺(ねい・けつ)と唐小棠は悲しみに打ちひしがれるが、天から恵みの雨が降り注ぎ、炎を消し止める。寧缺(ねい・けつ)は夫子(ふうし)が救いの手を差し伸べたのではないかと推測する。

寧缺(ねい・けつ)の心に最も強くある思いは、桑桑(そうそう)を家に連れ帰り、天女(てんにょ)を永遠に人間界にとどめておくこと。彼は光明殿(こうめいでん)に侵入し、桑桑(そうそう)を天女(てんにょ)から引き離そうとするが、天女(てんにょ)の力によって感知を遮断されてしまう。桑桑(そうそう)は悲しみのあまり泣き叫ぶ。

天女(てんにょ)に対し、寧缺(ねい・けつ)は彼女こそが桑桑(そうそう)だと断言し、共に過ごした日々を振り返り、二人の切り離せない繋がりを訴える。桑桑(そうそう)に近づこうとする寧缺(ねい・けつ)だが、強力な念力に阻まれる。それでも諦めず、深い愛情と記憶で天女(てんにょ)の心を揺さぶろうと試みる。天女は桑桑(そうそう)は既に死んだと主張するが、寧缺は桑桑(そうそう)がまだ生きていると信じている。

天女は永遠の命で寧缺を誘惑するが、寧缺は心を動かされない。彼は天女の心の葛藤を見抜き、彼女が人間的な感情に染まり、それを捨てきれないでいることを指摘する。痛いところを突かれた天女は激怒し、寧缺に服従を強いるが、寧缺は断固として拒否する。寧缺は天女と共に人間として暮らし、残りの人生を共に過ごしたいと願う。この行動は天女の怒りを完全に爆発させ、彼女は再び寧缺に容赦ない攻撃を加え、瀕死の重傷を負わせる。しかし、寧缺はそれでも諦めず、最後の瞬間まで桑桑(そうそう)を守り抜こうとする。

第41話の感想

緊迫感溢れる展開の連続で、息つく暇もない第41話でした。酒飲みと肉屋のコンビ、そして朝小樹の自己犠牲による肉屋の死は、物語の大きな転換点と言えるでしょう。朝小樹の最期の微笑みは、悲壮ながらもどこか清々しく、深い印象を残しました。彼の行動は、李慢慢(り・まんまん)にとってどれほどの悲しみだったのか、想像するだけで胸が締め付けられます。

一方、寧缺と天女の対峙は、まさにクライマックスへ向かう序章といったところでしょうか。天女の圧倒的な力と、それでも屈しない寧缺の強い意誌がぶつかり合い、目が離せない展開でした。特に、陳皮皮が灰燼と化すシーンは衝撃的でした。天女の冷酷さと、寧缺の絶望がひしひしと伝わってきて、思わず息を呑みました。しかし、そこに夫子(ふうし)と思しき存在が介入したことで、一筋の希望が見えたように感じます。

そして、何よりも印象的だったのは、寧缺が桑桑(そうそう)への変わらぬ愛を貫く姿です。天女の力に阻まれながらも、記憶を辿り、二人の絆を訴え続ける姿は、真に胸を打つものがありました。桑桑(そうそう)を取り戻したいという一心で、天女の心に揺さぶりをかけ続ける寧缺。果たして、彼は天女の心を溶かし、桑桑(そうそう)を取り戻すことができるのでしょうか?今後の展開に期待が高まります。

つづく