重傷を負った寧缺(ねい・けつ)は、満身創痍になりながらも神殿へ上がり、天女(てんにょ)を連れ去ろうと執拗に迫る。激怒した天女(てんにょ)は彼を地に叩き伏せる。桑桑(そうそう)は寧缺(ねい・けつ)の命乞いをし、天女(てんにょ)に慈悲を乞う。寧缺(ねい・けつ)は天女(てんにょ)こそ自分の心に宿る人であり、西陵(せいりょう)から連れ出し桑桑(そうそう)に戻して共に人間として生きると宣言する。この言葉は天女(てんにょ)の怒りに油を注ぎ、彼女は法力を用いて寧缺(ねい・けつ)の全ての修為を奪ってしまう。

葉紅魚(よう・こうぎょ)は寧缺(ねい・けつ)から、かつて自分を侮辱した者が熊初墨であったことを知り、すぐさま彼を問い詰める。余簾が書院(しょいん)の裏山で熊初墨の命を奪えたにも関わらず、意図的に見逃していた事実を知り、葉紅魚(よう・こうぎょ)は動揺する。熊初墨は自分の命運が尽きたことを悟りながらも、これは書院(しょいん)の策略だと主張し、葉紅魚(よう・こうぎょ)に道心に従うよう説得を試みる。しかし葉紅魚(よう・こうぎょ)は耳を貸さず、周囲の者たちをあっという間に製圧する。

熊初墨を殺そうとした葉紅魚(よう・こうぎょ)を、陳某が天書で阻む。諦めきれない葉紅魚(よう・こうぎょ)は桃山から身を投げる。重傷を負った寧缺(ねい・けつ)は幽閣に閉じ込められ、桑桑(そうそう)は悲しみに胸を締めつけながら光明の力で彼を治療し、彼の足を抱きしめて温める。目覚めた寧缺(ねい・けつ)は修為を失ったことに気づき、激怒する。天女(てんにょ)は再び怒りを爆発させ、寧缺(ねい・けつ)に耐え難い苦痛を与える。桑桑(そうそう)が天女(てんにょ)に必死に訴えても、状況は変わらなかった。

何明池(か・めいち)は陣眼杵を要求しに現れ、寧缺(ねい・けつ)に無礼な言葉を浴びせる。寧缺(ねい・けつ)はもし脱出できたら、何明池(か・めいち)を最初に殺すと誓う。何明池(か・めいち)は熊初墨に報告するが、熊初墨は天女(てんにょ)の怒りを買わぬよう、寧缺(ねい・けつ)の行方を勝手に探るなと警告する。

ほどなく、天女(てんにょ)は何明池(か・めいち)を呼び出し、何明池(か・めいち)は恐怖に震える。桑桑(そうそう)は何明池(か・めいち)を嫌悪しており、天女(てんにょ)は衆人の前で何明池(か・めいち)を腰斬にするよう命じ、唐小棠と陳皮皮の追捕を中止するよう宣言する。唐小棠と陳皮皮は疲労困憊の中、西陵(せいりょう)の騎兵に追われていたが、天女(てんにょ)の命令により騎兵は撤退する。陳皮皮はこれは寧缺(ねい・けつ)の仕業だと考える。

天女(てんにょ)が陳皮皮と唐小棠を解放したのを見て、桑桑(そうそう)は寧缺の解放を嘆願する。天女は世俗の情に流されることを拒み、寧缺を神殿に連れてきて、桑桑(そうそう)に彼の変化を見せるよう命じる。神殿に連れてこられた寧缺は、天女に公然と挑戦し、負けを認めるよう勧める。天女は寧缺に、かつて桑桑(そうそう)に仕えていたように自分に仕えるよう要求し、寧缺に著替えまでさせる。寧缺は素直に天女の足を洗い、足にある痣からそれが桑桑(そうそう)の足だと確信するが、桑桑(そうそう)は寧缺に感知されることができず、ただ焦燥しながら見守るしかない。天女は洗脚水を蹴散らし、寧缺は怒ることなく水盆を持って立ち去る。

寧缺は自ら酸辣麺片湯を作り、桑桑(そうそう)は常に彼のそばにいる。寧缺は桑桑(そうそう)との幸せな日々を思い出し、桑桑(そうそう)は永遠に寧缺と共にいると誓う。

第42話の感想

第42話は、寧缺と桑桑(そうそう)、そして天女の複雑な関係性がさらに深まる、感情的なエピソードでした。寧缺は傷ついた体で天女を連れ戻そうとしますが、その行動は天女の怒りを買い、修為を奪われる結果に。それでもなお、桑桑(そうそう)としての記憶を失った天女に、かつての桑桑(そうそう)の姿を重ね合わせ、献身的に尽くす寧缺の姿には胸を打たれます。

特に印象的なのは、寧缺が天女の足を洗い、その痣から桑桑(そうそう)だと確信するシーン。桑桑(そうそう)はすぐ傍に居ながら、天女の中に閉じ込められた自分の存在を寧缺に伝える術もなく、ただ見守ることしかできないもどかしさが、切なく描かれています。天女の冷酷さと、寧缺の変わらぬ愛情、そして桑桑(そうそう)の無力感、三者それぞれの感情が交錯し、見ている側も苦しくなるような展開でした。

一方、葉紅魚(よう・こうぎょ)と熊初墨の対決も大きな見どころ。真実を知り、激しい怒りに燃える葉紅魚(よう・こうぎょ)と、最後まで狡猾な熊初墨の姿は、緊張感に満ち溢れていました。陳某の介入により決著は持ち越されましたが、葉紅魚(よう・こうぎょ)の今後の動向が気になるところです。

何明池(か・めいち)のあっけない最期は、天女の冷酷さを改めて印象付けました。唐小棠と陳皮皮の解放は意外な展開でしたが、これも寧缺の影響なのか、それとも天女自身の意誌によるものなのか、今後の展開に注目したいです。

つづく