寧缺(ねい・けつ)は天女(てんにょ)のために熱々の酸辣湯麺を作ったが、感謝されるどころか追い払われてしまった。天女(てんにょ)は寧缺(ねい・けつ)と麺を分け合った日々を思い出し、未練を感じながらも意地を張って冷たく接する。寧缺(ねい・けつ)は諦めず、食器を洗い桑桑(そうそう)の苦労を改めて知る。天女(てんにょ)はわざと食器を汚し、寧缺(ねい・けつ)に洗い直しをさせる。
寧缺(ねい・けつ)は天女(てんにょ)のご機嫌取りに奔走し、桑桑(そうそう)は手伝おうとするも拒否される。夜、寧缺(ねい・けつ)は天女(てんにょ)のために足を洗い、布団を温めるが、追い出される。
翌朝、雪が積もる中、寧缺(ねい・けつ)は桑桑(そうそう)と雪だるまを作った思い出に浸る。天女(てんにょ)の命令で雪かきをする寧缺(ねい・けつ)は、雪の上に桑桑(そうそう)の名前を書くが、天女(てんにょ)に消されてしまう。桑桑(そうそう)は天女(てんにょ)の冷酷さを責め、天女(てんにょ)は寧缺(ねい・けつ)へのこれまでの行為を挙げ、見返りを求める。桑桑(そうそう)は寧缺(ねい・けつ)が命がけで何度も助けたことを訴えるが、天女(てんにょ)はそれを軽視する。
雪かき中、寧缺(ねい・けつ)は天女(てんにょ)の冷たさを嘆く。天女(てんにょ)は自分の運命であり、寧缺(ねい・けつ)が現れたのは偶然で感謝していないと言う。桑桑(そうそう)の存在を感じ、寧缺を苦しめる天女。寧缺は桑桑(そうそう)を返して欲しいと懇願するが、天女は桑桑(そうそう)との繋がりを断つよう要求する。寧缺は拒否し、箒を投げ捨て、手で雪かきを続け、疲れ果てながらも桑桑(そうそう)そっくりの雪だるまを作る。
雪だるまを見た天女は心を揺さぶられ、無意識に雪を銀に例える。それは桑桑(そうそう)だけが使う言葉だった。正体を見破られた天女は寧缺に更なる労働を課すが、寧缺は喜んで受け入れる。夜、寧缺は天女に「命の根」を返すよう迫り、桑桑(そうそう)に戻ったと思い込みキスをしようとするが、突き飛ばされる。
立ち上がった寧缺は、天女が過去を懐かしんでいるのか問いただすが、天女は否定する。怒った寧缺は去ろうとするが、天女は引き止め、全ては夫子(ふうし)との戦いのためだと明かす。彼女は人間に化け、夫子(ふうし)を昇天させた。寧缺の大切な記憶は全て夫子(ふうし)を騙すための罠だった。天女は夫子(ふうし)から受けた力は毒であり、弱っていると告白する。絶望した寧缺は桑桑(そうそう)と共に死ぬことを決意し、崖から飛び降りる。
間一髪、天女に助けられた寧缺は、自分が追い詰められて桑桑(そうそう)と同じ行動を取ったことに気づく。そこに黒い馬車が到著し、天女は寧缺と共に人間界へ行くと言う。
寧缺は桑桑(そうそう)と共に顔瑟(がんしつ)と衛光明(えい・こうめい)の墓参りに行き、桑桑(そうそう)は天界に行った夢を見たと言う。二人は故友に敬意を表し、共に戦った日々を語り合う。そして、黒い馬車に乗り、新たな旅、幸せな生活へと出発する。
第43話の感想
『将夜 冥王の子』最終回、第43話は、様々な感情が渦巻く、感動的な結末でした。天女の真意が明かされ、寧缺と桑桑(そうそう)の愛の深さが改めて描かれる展開は、見ている者の心を強く揺さぶりました。
特に印象的だったのは、天女の複雑な心情です。夫子(ふうし)との戦い、体に残る毒、そして寧缺への想い。様々な葛藤を抱えながらも、最終的には寧缺と桑桑(そうそう)の愛に心を動かされ、人間界へ同行することを決意する姿は、彼女の変化と成長を感じさせました。
また、寧缺が桑桑(そうそう)のために雪だるまを作るシーンは、彼らの強い絆を象徴する名場面でした。天女の仕打ちにもめげず、一途に桑桑(そうそう)を想う寧缺の姿は、胸を打つものがありました。そして、桑桑(そうそう)の口癖を無意識に口にする天女の姿からは、彼女の中に桑桑(そうそう)が確かに存在していることが感じられ、切ない気持ちになりました。
物語の終盤、寧缺と桑桑(そうそう)が崖から飛び降りるシーンは、衝撃的ながらも、彼らの愛の強さを改めて示すものでした。そして、天女が彼らを救い、共に人間界へ行くという結末は、希望に 満たされた た温かいものでした。