月輪(げつりん)国の国師の曲妮(きょくじ)は、宝樹の死の責任を唐国に問いただすため、棺桶を持ち込み王宮前に居座る。李青山は舒城(じょじょう)将軍(しょじょうしょうぐん)が月輪(げつりん)国都の朝陽へ進軍していることを伝えるも、曲妮(きょくじ)は激昂し李仲易との面会を要求する。

一方、熊初墨は莫山山(ばく・さんさん)を冥王の娘を逃がした罪で裁こうとする。羅克敵は酌師姐(しゃくししょう)の命を盾に莫山山(ばく・さんさん)の自白を迫り、酌師姐(しゃくししょう)は自らの命を絶つ。悲しみに打ちひなされた莫山山(ばく・さんさん)は抵抗するも捕らえられ、葉紅魚(よう・こうぎょ)によって幽閣に閉じ込められる。死刑宣告を待つばかりとなる。

桑桑(そうそう)の衰弱した姿を見た寧缺(ねい・けつ)は、莫山山(ばく・さんさん)の献身を思い出し、天を仰いで叫ぶ。李青山は曲妮(きょくじ)を南門観へ案内した後、李仲易に事の次第を報告する。激怒した李仲易は宝樹の棺を燃やすよう命じる。曲妮(きょくじ)は国書で寧缺(ねい・けつ)の処罰を要求するが、李仲易はこれを破り捨て、李青山に曲妮(きょくじ)の説得を命じる。

宝樹の棺が燃やされたことを知った曲妮(きょくじ)は激昂し、王宮へ突入しようとする。御林軍がこれを阻む中、曲妮(きょくに)は夫子(ふうし)を侮辱し、その罰を受ける。

目を覚ました桑桑(そうそう)は記憶を失い、寧缺(ねい・けつ)と共に荒野を彷徨う。桑桑(そうそう)は夢の中で見た景色を思い出し、自分が冥王の娘であることを自覚する。世界の破滅を恐れた桑桑(そうそう)は崖へ向かうが、寧缺(ねい・けつ)は彼女を止め、永遠の愛を誓う。

李慢慢(り・まんまん)は寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)を探し続ける。君陌(くんはく)は夫子(ふうし)のために料理を作るが、夫子(ふうし)は満足しない。陳皮皮が莫山山(ばく・さんさん)の救出を夫子(ふうし)に懇願すると、夫子(ふうし)は彼に料理を作らせ、莫山山(ばく・さんさん)は死なないと告げる。

幽閣に囚われた莫山山は、静かに書道を続ける。葉紅魚(よう・こうぎょ)は改心を促すが、莫山山は寧缺(ねい・けつ)への愛を貫く覚悟を語る。

第七話 感想

第七話は、それぞれのキャラクターの苦悩と決意が深く描かれた、非常に重厚なエピソードでした。冥王の娘であるという運命を思い出した桑桑(そうそう)の絶望、彼女を守ろうとする寧缺の強い意誌、そして友のために犠牲となった莫山山の悲劇。それぞれの想いが交錯し、胸を締め付けられるような展開でした。

特に印象的だったのは、桑桑(そうそう)が崖に向かうシーンです。世界の破滅を恐れ、自ら命を絶とうとする彼女の姿は、冥王の娘という宿命の残酷さを改めて感じさせました。 それを必死に止める寧缺の言葉は、愛の深さだけでなく、運命に抗おうとする人間の強さをも表現していたように思います。

つづく