あらすじ

第九話は主に以下の出来事を描いています。

まず、隆慶りゅうけいが大単于ぜんうを倒し、烏珠を新たな単于ぜんうに据えることに成功します。

一方、葉紅魚よう・こうぎょ寧缺ねい・けつへの想いを募らせ、彼を探し続けています。

また、陳皮皮ちんぴぴ唐小棠とう・しょうとうの恋は進展するものの、困難にも直面しています。

そして、寧缺ねい・けつ桑桑そうそうは棋盤の世界で様々な出来事に遭遇します。桑桑そうそうが謎の老人に襲われ、寧缺ねい・けつが彼女を救い出し、共に追手から逃れる様子が描かれています。

最後に、李仲易り・ちゅうえき西陵せいりょうや諸国からの圧力に晒されながら、寧缺ねい・けつ桑桑そうそうをどう扱うべきか頭を悩ませます。

ネタバレ

広大な草原で、隆慶りゅうけい紫墨しぼくと共に烏珠公主を連れ、金帳王庭きんちょうおうていへ足を踏み入れた。そこで大単于ぜんうと、生死と栄誉を賭けた交渉が始まる。大単于ぜんうは尊大な態度で、自らを草原の天命を受けた者と称するが、烏珠公主はそれを鼻で笑い、全く意に介さない。隆慶りゅうけいは巧みに烏珠を交換条件として提示し、大単于ぜんうの金銭的・政治的支援を取り付けようとする。しかし、大単于ぜんうの出迎えの酒には毒が仕込まれていた。隆慶りゅうけいはそれをすぐに見抜き、大単于ぜんうの仮面を剝ぎ、主君殺害と公主追放の悪行を皆の前で暴露する。正義感に駆られた隆慶りゅうけいは、天罰を下すべく、大単于ぜんうとの激しい戦いを開始する。

戦闘において、隆慶りゅうけいは卓越した実力でわずか二合で大単于ぜんうを倒し、その非凡な武芸と決意を示す。その後、紫墨しぼくは素早く烏珠の拘束を解き、隆慶りゅうけいは自ら烏珠を大単于ぜんうの宝座に拠える。草原の民たちはこぞって跪き、新たな単于ぜんうの誕生を祝った。

時は流れ、一年が過ぎた。葉紅魚よう・こうぎょは未だ天書から寧缺ねい・けつの行方を見つけることができず、焦燥感と寧缺ねい・けつへの複雑な想いを募らせていた。兄の葉青ようせいはその変化に気付くも、葉紅魚よう・こうぎょは言葉を濁し、真意を隠そうとする。

一方、魔宗まそう聖女の唐小棠とう・しょうとう書院しょいんでの生活に馴染み、三先生・余簾よれんの優秀な弟子となっていた。陳皮皮ちんぴぴは彼女を優しく見守り、二人の仲は深まり、未来への希望を共に描いていく。しかし、故郷への帰還と結婚という決断に、二人は躊躇していた。そこに余簾よれんが現れ、陳皮皮ちんぴぴの知守観への帰還を安全上の理由から止めようとする。

寧缺ねい・けつ桑桑そうそうを探すため、李慢慢り・まんまんは家を出て一年以上が経ち、音信不通の状態が続いていた。君陌くんはくは心配を募らせる。夫子ふうしは天意を読み取り、寧缺ねい・けつ桑桑そうそう岐山きざんの碁盤の中にいることを告げる。桑桑そうそうは夢の中で再び天女てんにょに導かれ、雪山を越える。目を覚ますと水不足に気付き、一人で水を探しに出かける。そこで謎の老人に遭遇し、襲われそうになるが、寧缺ねい・けつが間一髪で駆けつけ、激しい戦いの末、老人は寧缺ねい・けつの矢に倒れる。この一部始終を七念しちねんが目撃していた。

寧缺ねい・けつは重傷を負った桑桑そうそうを馬車に乗せ、旅を続ける。荒野を彷徨っていた李慢慢り・まんまんは、七念しちねんの導きにより、ついに寧缺ねい・けつの居場所を知る。再会を果たした李慢慢り・まんまんはすぐに桑桑そうそうを診察し、七海雪山が封じられていることを発見し、自らの修為を全て使い果たして桑桑そうそうを回復させる。その後、七念しちねんたちの追跡に対し、李慢慢り・まんまんは自ら殿を務め、寧缺ねい・けつ桑桑そうそう月輪げつりん国へ逃がす。

逃亡の途中、寧缺ねい・けつ桑桑そうそうは機転を利かせて追跡者たちの羅盤による追跡をかわし、危機を脱する。一方、外の世界では、西陵せいりょうと諸国による桑桑そうそうの追捕が激しさを増し、唐(とうの朝廷でも波乱が続いていた。李仲易り・ちゅうえき寧缺ねい・けつへの信頼を貫くが、親王の李沛言りはいげんは民意に従い、冥王の娘である桑桑そうそうを処刑すべきだと主張する。複雑な状況の中、寧缺ねい・けつ桑桑そうそうの運命は、未だ定かではない。

第9話の感想

第9話は、それぞれのキャラクターの苦悩や決断、そして再会が印象的なエピソードでした。隆慶りゅうけいの正義感と武 prowess が際立つ草原でのシーンは、まさに圧巻。大単于ぜんうとの対決は、彼の揺るぎない決意と実力を鮮やかに描き出していました。烏珠公主を新たな単于ぜんうに拠えるシーンは、草原の民たちの希望に満ちた未来を予感させ、胸が熱くなりました。

一方、寧缺ねい・けつ桑桑そうそうを取り巻く状況は、依然として厳しい状況が続いています。岐山きざんの碁盤の中での過酷な旅、水不足、謎の老人の襲撃…と、息つく暇もない展開にハラハラさせられました。特に、桑桑そうそうを救うために李慢慢り・まんまんが自らの修為を全て使い果たすシーンは、彼の深い愛情と覚悟を感じさせ、涙を誘います。二人の再会は感動的でしたが、すぐに七念しちねんたちに追われる身となり、今後の展開がますます気になります。

葉紅魚よう・こうぎょと天書のシーンは、彼女の寧缺ねい・けつへの複雑な想いがより深く描かれており、切ない気持ちになりました。兄・葉青ようせいの心配そうな様子も印象的でした。また、唐小棠とう・しょうとう陳皮皮ちんぴぴの微笑ましい関係も、物語の癒やしとなっています。しかし、余簾よれんの登場により、二人の未来に影が差したことも気になります。

つづく