広大な草原で、隆慶は紫墨(しぼく)と共に烏珠公主を連れ、金帳王庭(きんちょうおうてい)へ足を踏み入れた。そこで大単于(ぜんう)と、生死と栄誉を賭けた交渉が始まる。大単于(ぜんう)は尊大な態度で、自らを草原の天命を受けた者と称するが、烏珠公主はそれを鼻で笑い、全く意に介さない。隆慶は巧みに烏珠を交換条件として提示し、大単于(ぜんう)の金銭的・政治的支援を取り付けようとする。しかし、大単于(ぜんう)の出迎えの酒には毒が仕込まれていた。隆慶はそれをすぐに見抜き、大単于(ぜんう)の仮面を剝ぎ、主君殺害と公主追放の悪行を皆の前で暴露する。正義感に駆られた隆慶は、天罰を下すべく、大単于(ぜんう)との激しい戦いを開始する。
戦闘において、隆慶は卓越した実力でわずか二合で大単于(ぜんう)を倒し、その非凡な武芸と決意を示す。その後、紫墨(しぼく)は素早く烏珠の拘束を解き、隆慶は自ら烏珠を大単于(ぜんう)の宝座に拠える。草原の民たちはこぞって跪き、新たな単于(ぜんう)の誕生を祝った。
時は流れ、一年が過ぎた。葉紅魚(よう・こうぎょ)は未だ天書から寧缺(ねい・けつ)の行方を見つけることができず、焦燥感と寧缺(ねい・けつ)への複雑な想いを募らせていた。兄の葉青はその変化に気付くも、葉紅魚(よう・こうぎょ)は言葉を濁し、真意を隠そうとする。
一方、魔宗聖女の唐小棠は書院(しょいん)での生活に馴染み、三先生・余簾の優秀な弟子となっていた。陳皮皮は彼女を優しく見守り、二人の仲は深まり、未来への希望を共に描いていく。しかし、故郷への帰還と結婚という決断に、二人は躊躇していた。そこに余簾が現れ、陳皮皮の知守観への帰還を安全上の理由から止めようとする。
寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)を探すため、李慢慢(り・まんまん)は家を出て一年以上が経ち、音信不通の状態が続いていた。君陌(くんはく)は心配を募らせる。夫子(ふうし)は天意を読み取り、寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)が岐山(きざん)の碁盤の中にいることを告げる。桑桑(そうそう)は夢の中で再び天女(てんにょ)に導かれ、雪山を越える。目を覚ますと水不足に気付き、一人で水を探しに出かける。そこで謎の老人に遭遇し、襲われそうになるが、寧缺(ねい・けつ)が間一髪で駆けつけ、激しい戦いの末、老人は寧缺(ねい・けつ)の矢に倒れる。この一部始終を七念(しちねん)が目撃していた。
寧缺(ねい・けつ)は重傷を負った桑桑(そうそう)を馬車に乗せ、旅を続ける。荒野を彷徨っていた李慢慢(り・まんまん)は、七念(しちねん)の導きにより、ついに寧缺(ねい・けつ)の居場所を知る。再会を果たした李慢慢(り・まんまん)はすぐに桑桑(そうそう)を診察し、七海雪山が封じられていることを発見し、自らの修為を全て使い果たして桑桑(そうそう)を回復させる。その後、七念(しちねん)たちの追跡に対し、李慢慢(り・まんまん)は自ら殿を務め、寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)を月輪(げつりん)国へ逃がす。
逃亡の途中、寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)は機転を利かせて追跡者たちの羅盤による追跡をかわし、危機を脱する。一方、外の世界では、西陵(せいりょう)と諸国による桑桑(そうそう)の追捕が激しさを増し、唐国の朝廷でも波乱が続いていた。李仲易は寧缺(ねい・けつ)への信頼を貫くが、親王の李沛言は民意に従い、冥王の娘である桑桑(そうそう)を処刑すべきだと主張する。複雑な状況の中、寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)の運命は、未だ定かではない。
第9話の感想
第9話は、それぞれのキャラクターの苦悩や決断、そして再会が印象的なエピソードでした。隆慶の正義感と武 prowess が際立つ草原でのシーンは、まさに圧巻。大単于(ぜんう)との対決は、彼の揺るぎない決意と実力を鮮やかに描き出していました。烏珠公主を新たな単于(ぜんう)に拠えるシーンは、草原の民たちの希望に満ちた未来を予感させ、胸が熱くなりました。
一方、寧缺と桑桑(そうそう)を取り巻く状況は、依然として厳しい状況が続いています。岐山(きざん)の碁盤の中での過酷な旅、水不足、謎の老人の襲撃…と、息つく暇もない展開にハラハラさせられました。特に、桑桑(そうそう)を救うために李慢慢(り・まんまん)が自らの修為を全て使い果たすシーンは、彼の深い愛情と覚悟を感じさせ、涙を誘います。二人の再会は感動的でしたが、すぐに七念(しちねん)たちに追われる身となり、今後の展開がますます気になります。
葉紅魚(よう・こうぎょ)と天書のシーンは、彼女の寧缺への複雑な想いがより深く描かれており、切ない気持ちになりました。兄・葉青の心配そうな様子も印象的でした。また、唐小棠と陳皮皮の微笑ましい関係も、物語の癒やしとなっています。しかし、余簾の登場により、二人の未来に影が差したことも気になります。
つづく