あらすじ
第二十話では、戚玥(チー・ユエ)が戚爍(チー・シュ)の死を夢で見て大きなショックを受けるところから始まります。戚爍(チー・シュ)は彼女の結婚式に立ち会うと約束していましたが、結局は彼女を置いて別の時空へと旅立ってしまったようです。戚玥(チー・ユエ)はこの現実を受け入れることができず、日常生活は徐々に元に戻りつつも、心の中では常に戚爍を想っていました。
陸暁(ルー・シアオ)は時空理論を研究し、戚爍はもしかしたら平行宇宙で生きているのかもしれないという考えを戚玥に伝え、彼女を慰めようとします。
それから数年後、戚玥には陸爍(ルー・シュ)という息子が生まれ、幸せな家庭を築いていました。ある日、家族で海辺を散歩していると、偶然にも戚爍が現れます。お互いに面識はありませんでしたが、まるで運命が再び二人を引き合わせたかのようでした。たとえ異なる世界にいても、想い合っていればいつかまた会える日が来ることを暗示させるような、そんな再会でした。
ネタバレ
戚玥(チー・ユエ)は夢の中で戚爍(チー・シュ)が遠ざかり、消えていくのを見て泣き叫びます。目を覚ますと、戚爍(チー・シュ)はすぐそばにいて、「今日は君の結婚式だ。ウェディングドレス姿を見るのが楽しみだ」と優しく声をかけます。しかし、次の瞬間、戚爍(チー・シュ)は海へと歩いて行き、「来世でも親子でいよう」という言葉を残して姿を消してしまいます。
結婚式場で倒れた戚玥(チー・ユエ)は病院で目を覚まし、必死に戚爍(チー・シュ)を探します。鄧淑玲(ドン・シューリン)も戚爍(チー・シュ)がいなくなったことに気づき、悲しみに暮れます。陸暁(ルー・シアオ)は戚玥(チー・ユエ)を慰め、「戚爍(チー・シュ)は最初からこの結末を知っていた。君の不幸な人生を変えるために来たんだ。彼の願いは君の幸せだ」と語ります。
戚玥(チー・ユエ)は戚爍(チー・シュ)の不在を受け入れられずにいましたが、陸暁(ルー・シアオ)は「物語の流れは変わり、運命も変わった。もう元には戻れない」と告げます。日常生活に戻った戚玥(チー・ユエ)ですが、毎朝戚爍(チー・シュ)の分の朝食も用意し続けます。「私は母親だから、何をしていても子供は見ている。戚爍(チー・シュ)に私が幸せに暮らしていることを知ってほしい」と願うのでした。
陸暁(ルー・シアオ)は教授に「タイムトラベラーは、元の宇宙ではなく、平行宇宙に戻ったのではないか。過去を変えても、元の宇宙には影響せず、平行宇宙に枝分かれするだけだ」という仮説を提示します。教授は明確な答えを出しませんが、陸暁(ルー・シアオ)は自分の考えに確信を持ち、戚玥(チー・ユエ)に伝えようと急いで家に戻ります。
戚玥(チー・ユエ)は家で戚爍(チー・シュ)の喪失感に苛まれ、数年前の記憶に囚われます。徐兆陽(シュー・ジャオヤン)に結婚して子供を産んでほしいと頼みますが、徐兆陽(シュー・ジャオヤン)は「君への追求は過去のことだ。それに当時は金目当てだった」と冷たく突き放します。絶望した戚玥(チー・ユエ)は高校を訪れ、もう一度高校生活を送りたいと申し出ます。「ダメな私に戻れば、戚爍(チー・シュ)はまた私を変えに戻ってきてくれる」と考えるのでした。
陸暁(ルー・シアオ)は戚玥(チー・ユエ)がいないことに気づき、探し回ります。道端で戚爍(チー・シュ)を想う戚玥(チー・ユエ)を見つけ、一緒に家へ帰ります。戚玥(チー・ユエ)は、戚爍(チー・シュ)の 持ち物が陸暁(ルー・シアオ)によって片付けられていることに気づきます。陸暁(ルー・シアオ)は「戚爍(チー・シュ)は消えたのではなく、平行宇宙で生きている」と説明しますが、戚玥(チー・ユエ)は戚爍(チー・シュ)が残した物が徐々に消えていくのを目の当たりにします。「たとえ世界中の人が戚爍(チー・シュ)を忘れても、私は絶対に忘れない」と心に誓います。
1ヶ月後、陸暁(ルー・シアオ)と戚玥(チー・ユエ)は妊婦検診を受けます。戚玥(チー・ユエ)は男の子だと確信し、名前も考えています。5年後、息子は陸暁(ルー・シアオ)に海で一緒に遊んでほしいと頼みますが、陸暁(ルー・シアオ)は「すごい実験をしている。未来の人が山を越え、海を越えて、一緒にご飯を食べに来る実験だ」と答えます。息子は日記帳を戚玥(チー・ユエ)に渡します。日記帳には何も書かれていませんが、戚玥(チー・ユエ)はかつて誰かが自分のために時空を超えてきたことを知っています。
陸暁(ルー・シアオ)、戚玥(チー・ユエ)、そして息子の陸爍(ルー・シュ)は海辺を散歩します。陸爍(ルー・シュ)が誰かにぶつかり、戚玥(チー・ユエ)は息子に謝るように言います。その人物は、戻ってきた戚爍(チー・シュ)でした。しかし、陸暁(ルー・シアオ)と戚玥(チー・ユエ)は彼を知りません。すれ違いざま、戚爍(チー・シュ)と戚玥(チー・ユエ)はお互いに振り返り、微笑み合います。
異なる時空に隔てられていても、愛する人が幸せに暮らしていることを知れば、きっと満足でしょう。「いつか愛する人と、山も海も越えずに、愛し合える日が来ますように」
第20話の感想
「運命は時空を超えて」第20話は、切なくも温かい余韻を残す感動的な最終回でした。戚爍(チー・シュ)の自己犠牲によって幸せを掴んだ戚玥(チー・ユエ)の姿は、 視聴者の心を締め付けます。特に、結婚式場で戚爍(チー・シュ)が消えていくシーンは涙なしでは見られません。彼が最後に残した「来世でも親子でいよう」という言葉は、深い愛情と切ない別れを象徴しており、戚玥(チー・ユエ)だけでなく視聴者にも大きな悲しみを与えました。
しかし、物語は悲しみだけで終わるわけではありません。戚玥(チー・ユエ)は悲しみを乗り越え、新たな人生を歩み始めます。陸暁(ルー・シアオ)との穏やかな生活、そして息子の誕生は、彼女に希望と未来を与えてくれました。戚爍(チー・シュ)の不在は確かに大きな喪失ですが、彼の存在は戚玥(チー・ユエ)の心の中に生き続け、彼女を支え続けています。
最終シーンで、成長した息子と海辺を歩く戚玥の前に、再び戚爍(チー・シュ)が現れます。二人は言葉を交わすことはありませんが、確かに心を通わせ、微笑み合います。このシーンは、時空を超えた二人の絆を美しく描き出しており、深い感動を与えます。たとえ記憶がなくても、魂の奥底で繋がっているというメッセージは、視聴者の心に温かい光を灯します。
戚爍(チー・シュ)の自己犠牲、戚玥の成長、そして再会という感動的な展開は、視聴者に「本当の愛とは何か」を問いかけます。最終回にふさわしい、心に残るエピソードでした。