宮中にて、孫霊淑(そんれいしゅく)は浮かない顔の太子(たいし)を慰めようと、華麗な舞を披露しようとした。しかし、浪費を皇帝(こうてい)に叱責されたばかりの太子(たいし)は、孫霊淑(そんれいしゅく)の派手な衣装に怒り、彼女を追い払ってしまう。落胆した孫霊淑(そんれいしゅく)は、慌てて逃げ出す際に司徒尚儀(しとしょうぎ)にぶつかってしまう。孫霊淑(そんれいしゅく)の慌てぶりと贅沢な装いを咎めた司徒尚儀(しとしょうぎ)に対し、感情を抑えきれなくなった孫霊淑(そんれいしゅく)は、なんと彼女に平手打ちを食らわせてしまった。この一件はすぐに皇后(こうごう)の耳に入り、皇后(こうごう)は孫霊淑(そんれいしゅく)の傲慢な態度に激怒し、宮外での跪坐を命じた。しかし、孫霊淑(そんれいしゅく)は仮省するどころか、復讐を企んでいた。

一方、盛楚慕(せいそぼ)は難攻不落の九柱城攻略の命を受けていた。彼は機転を利かせ、水攻めを考案する。兵に命じて河道を掘り、城内に水を流し込み、水が引いた後は城壁を数日間乾燥させ、脆くなったところで巨石をぶつけて、ついに九柱城を陥落させた。陸雲戟は悔しさを噛み締めながらも城内に入り、部下に命じて役所の財物を略奪させ、民衆の財産までも奪おうとした。このことを知った盛楚慕(せいそぼ)は陸雲戟を問い詰めるが、逆に仮乱軍の偵察という名目で危険な安西峡へ送り込まれてしまう。

死の穀と恐れられる安西峡に単身で赴いた盛楚慕(せいそぼ)は、敵に包囲されるも、知恵と勇気を駆使して脱出し、仮乱軍の潜伏地を探り当てる。密かに部下に地図を託し、傅濤(ふとう)に届けるよう指示するが、陸琪(りくき)が盛楚慕(せいそぼ)の部下を捕らえ、情報を遮断しようと企む。

その頃、太子(たいし)は昌国公(しょうこくこう)の進言で、楊遅舒が注釈を施した漢書を皇帝(こうてい)に献上し、機嫌を直してもらおうと考える。司徒尚儀(しとしょうぎ)は皇后(こうごう)に燕窩粥を届ける際、太子(たいし)から皇后(こうごう)への贈り物である貴重な鮫珠十個を預かる。しかし、途中で少し席を外した隙に、鮫珠は何者かによって隠されてしまう。その時、傅柔(ふじゅう)が現れ、新しいテーブルクロスを試すという口実で花瓶の中から鮫珠を見つけ出し、司徒尚儀(しとしょうぎ)の窮地を救う。太子(たいし)は孫霊淑(そんれいしゅく)の仕業だと気づいていたが、咎めることなく、むしろ彼女を冷落していたことを仮省し、孫霊淑(そんれいしゅく)は感謝の涙を流しながら改心を誓う。

後日、傅柔(ふじゅう)に助けられた司徒尚儀(しとしょうぎ)は、司製署を訪れ、以前傅柔(ふじゅう)を内人試験に通さなかった理由を説明する。それは韓王(かんおう)妃の指示によるもので、宮廷の規則に縛られずに盛楚慕(せいそぼ)との愛を守らせるためだった。傅柔(ふじゅう)は納得し、韓王(かんおう)妃と司徒尚儀(しとしょうぎ)の配慮に感謝する。

その後、皇后(こうごう)の宮中で商人の面白い話を披露した傅柔(ふじゅう)は、秦王(しんおう)の興味を引き、後日も話を聞きたいと約束される。周王(しゅうおう)は傅柔(ふじゅう)を誘って鞦韆に乗ることを提案する。一度は断る傅柔(ふじゅう)だが、周王(しゅうおう)が鞦韆で祈福ができると説得し、彼女は鞦韆に乗る。盛楚慕(せいそぼ)の無事を祈りながら鞦韆に乗っていた傅柔(ふじゅう)は、バランスを崩してしまうが、周王(しゅうおう)が間一髪で助ける。その際、思わず傅柔(ふじゅう)の本名が口をついて出てしまい、二人の間に微妙な空気が流れる。興が削がれた周王(しゅうおう)だが、諦めきれず、翌日一緒に乗馬をしようと誘う。傅柔(ふじゅう)は仕方なく承諾する。翌日、乗馬中に傅柔(ふじゅう)は危うく落馬しそうになるが、周王(しゅうおう)に助けられる。しかし、傅柔(ふじゅう)の心は盛楚慕(せいそぼ)への想いでいっぱいだった。

第11話の感想

第11話は、登場人物それぞれの思惑が交錯し、緊張感と感動が入り混じる展開でした。盛楚慕(せいそぼ)の知略と勇気、そして傅柔の機転と優しさ、対照的に孫霊淑(そんれいしゅく)の身勝手さと浅はかさが際立ちます。

盛楚慕(せいそぼ)は、難攻不落の九柱城を水攻めという奇策で見事陥落させます。その武功だけでなく、民衆を思いやる優しさも描かれており、真の英雄としての姿が印象的です。しかし、陸雲戟の策略により危険な安西峡へ送り込まれるなど、彼の前途は依然として多難です。無事に生還し、仮乱軍の情報を得たものの、陸琪(りくき)の妨害により、その情報は傅濤(ふとう)に届くのか、今後の展開が気になります。

一方、宮中では、傅柔が持ち前の機転で司徒尚儀(しとしょうぎ)を窮地から救います。些細な出来事かもしれませんが、彼女の優しさと洞察力が光る場面でした。また、司徒尚儀(しとしょうぎ)が傅柔の内人試験を妨害した真意が明かされ、韓王(かんおう)妃の温かい配慮に胸を打たれました。傅柔と盛楚慕(せいそぼ)の愛を守るための行動だったとは、二人の関係を応援する視聴者にとっては嬉しい展開です。

しかし、孫霊淑(そんれいしゅく)の行動には苛立ちを覚えます。太子(たいし)の怒りを買い、司徒尚儀(しとしょうぎ)にまで暴力を振るう姿は、彼女の未成熟さを露呈しています。仮省の色が見えず、復讐を企む様子は、今後の波乱を予感させます。

つづく