周王(しゅうおう)は再び傅柔(ふじゅう)を食事に招き、二人は語り合い、良い雰囲気に。周王(しゅうおう)は「民以食為天」の故事を引用し、博識ぶりを披露。傅柔(ふじゅう)は感銘を受け、周王(しゅうおう)への印象が変わり始める。しかし、傅柔(ふじゅう)は窓の外で太子(たいし)と陳吉(ちんきち)が親密にしている様子を目撃し、複雑な気持ちになる。一方、周王(しゅうおう)は傅柔(ふじゅう)が馬で壊した農作物の弁償として農夫に扇子を贈るが、農夫は間違えて韓王(かんおう)の店に入り、扇子は韓王(かんおう)の手に渡ってしまう。これは後に周王(しゅうおう)にとっての災いの種となる。

太子(たいし)は漢書を献上した功績で褒美を受け、祝宴が開かれる。昌国公(しょうこくこう)はこの機に、周王(しゅうおう)の扇子を持ち出し、周王(しゅうおう)が狩りで農作物を荒らしたと嘘の告発をする。皇帝(こうてい)は激怒し、周王(しゅうおう)の側近である錢文景(せんぶんけい)を更迭、周王(しゅうおう)自身にも杖刑を命じる。周王(しゅうおう)は傅柔(ふじゅう)をかばうため、女官を連れ出したことは黙認し、罰を受け入れる。

周王(しゅうおう)の罰を知った傅柔(ふじゅう)は心配し、見舞いに行く。なぜ弁明しなかったのかと問う傅柔(ふじゅう)に、周王(しゅうおう)は事情を説明する。傅柔(ふじゅう)は感謝し、お返しに史記を読んで聞かせると約束。周王は傅柔(ふじゅう)の興味を知り、翌日自ら教えることを提案する。

太子(たいし)は上機嫌で、陳吉(ちんきち)を呼び寄せ碁を打つ。陳吉(ちんきち)の歌声にうっとりとした太子(たいし)は、太子(たいし)妃の孫霊淑(そんれいしゅく)が来ても気づかず、孫霊淑(そんれいしゅく)は落胆する。夜になっても太子(たいし)は陳吉(ちんきち)と碁を続け、孫霊淑(そんれいしゅく)を完全に無視する。

一方、盛楚慕(せいそぼ)は戦場で窮地に陥り、奮戦するも多勢に無勢、矢を受けて崖から転落し生死不明となる。彼の部下は命がけで敵の情報を持ち帰り、傅濤(ふとう)はこの情報を利用して陸雲戟の信頼を得て、彼の親衛隊に潜入する。盛楚慕(せいそぼ)が死んだと考えた陸雲戟は、彼の手柄を偽って軍報で発表する。

盛楚慕(せいそぼ)の「戦死」の知らせは長安(ちょうあん)に届き、盛家は悲しみに暮れ、陸雲戟への疑念と怒りを抱く。盛楚令(せいそれい)はキン楠公主(きんなんこうしゅ)の侍衛となり、公主に近づき復讐を企てる。

傅柔(ふじゅう)は宮中で、周王の罰は太子(たいし)が関わっているという噂を耳にし、不安を募らせる。太子(たいし)は傅柔(ふじゅう)に、太子(たいし)妃が刺繍に不満を持っていると告げ、皇后(こうごう)は傅柔(ふじゅう)を庇護する。しかし、孫霊淑(そんれいしゅく)は傅柔が自分を陥れようとしていると思い込み、恨みを抱く。

傅柔は連日周王の凌霄閣で勉学に励む傍ら、盛楚慕(せいそぼ)の安否を気にかけていた。周王が冗談で盛楚慕(せいそぼ)は既にこの世にいないかもしれないと言うと、傅柔は怒って出て行き、二度と来ないと宣言する。その夜、盛楚慕(せいそぼ)の戦死の知らせを聞いた傅柔は悲しみのあまり倒れてしまう。幸い周王が助け、顔妃(がんひ)の宮で静養することになる。

辺境では、陸雲戟が勝利し祝宴が開かれる。傅濤(ふとう)は陸雲戟に近づき闇殺を企てるが、残党が現れ戦闘になる。傅濤(ふとう)は陸雲戟を守り、逆に陸雲戟父子の信頼を深める。

盛楚慕(せいそぼ)は崖から落ちたものの奇跡的に生き残り、厳子方(げんしほう)に助けられる。運命の歯車が静かに動き出し、大きな嵐の予感が漂う。

第12話の感想

第12話は、様々な登場人物の思惑が交錯し、物語が大きく動き出す波乱の回でした。周王と傅柔の関係性が深まる一方で、陰謀の影が忍び寄り、緊張感が高まります。

周王は傅柔との食事を通して知性と教養を披露し、彼女からの好感度も上がっているように見えます。しかし、善意で贈った扇子が思わぬ形で韓王(かんおう)の手に渡り、後に大きな災いを招く伏線が張られました。周王の優しさと聡明さが、逆に彼を危険に晒す皮肉な展開に、今後の動向が不安になります。

一方、太子(たいし)は陳吉(ちんきち)に夢中で太子(たいし)妃をないがしろにするなど、軽率な行動が目立ちます。昌国公(しょうこくこう)の奸計に乗せられ、周王を陥れる片棒を担がされることになり、彼の未熟さが露呈しました。

盛楚慕(せいそぼ)は崖から転落し生死不明という衝撃的な展開に息を呑みました。彼の生死が今後の物語を大きく左右することは間違いありません。傅濤(ふとう)は陸雲戟への復讐に一歩近づきますが、皮肉にもそれが陸雲戟からの信頼を深める結果となり、複雑な状況を生み出しています。

傅柔は周王への尊敬の念を抱き始めますが、盛楚慕(せいそぼ)の戦死の知らせに深い悲しみに暮れます。二人の男性の間で揺れ動く彼女の心情が繊細に描かれており、共感せずにはいられません。

つづく