皇后(こうごう)は傅柔(ふじゅう)に顔妃(がんひ)の宮で療養することを許し、韋松(いしょう)に韓王(かんおう)妃へ見舞いの品を送らせました。意識を取り戻した傅柔(ふじゅう)でしたが、気落ちして何も口にしません。焦れた周王(しゅうおう)は、自ら薬を飲み、傅柔(ふじゅう)に口移しで飲ませました。「薬を飲まなければ、いつもこうする」と告げ、傅柔(ふじゅう)はやむなく薬を飲みました。その後、傅柔(ふじゅう)は盛楚慕(せいそぼ)の墓参りを周王(しゅうおう)に頼みます。実は周王(しゅうおう)は傅柔(ふじゅう)の願いを予期しており、既に準備を整えていました。盛楚慕(せいそぼ)の衣冠塚を訪れた傅柔(ふじゅう)は、周王(しゅうおう)に一人にしてくれるよう頼み、墓前で泣き崩れ、盛楚慕(せいそぼ)が戻るまでずっと待ち続けると誓いました。
盛楚慕(せいそぼ)の死で落ち込む盛楚令(せいそれい)を、キン楠公主(きんなんこうしゅ)は言葉で慰めることはできませんでしたが、ただ寄り添い続けました。キン楠公主(きんなんこうしゅ)の存在が、盛楚令(せいそれい)の心を少しだけ癒しました。
太子(たいし)妃は月事がなく、太医の診断の結果、ほぼ間違いないでしょうが妊娠の可能性が高いと分かりました。太子(たいし)と太子(たいし)妃は大喜びです。太子(たいし)妃は妊娠したので、太子(たいし)に仕えることができなくなりました。皇后(こうごう)は陸盈盈も太子(たいし)に嫁がせようと画策します。この話を聞いた傅柔(ふじゅう)は、陸家への不満から、陸盈盈は子宝に恵まれなかった絶世の美女「荘姜(そうきょう)」のようだと語り、美しい女性は国を傾ける可能性があると闇に伝えました。皇后(こうごう)的気持ちが静まり、傅柔(ふじゅう)を下がらせた後、韋松(いしょう)に陸盈盈の肖像画はもう持ってこなくて良いと命じました。陸盈盈の入宮を阻止した傅柔(ふじゅう)でしたが、卑怯なことをしたと自責の念に駆られました。
一方、盛楚慕(せいそぼ)は厳子方(げんしほう)によって助けられていました。厳子方(げんしほう)の真意を測りかねる盛楚慕(せいそぼ)は、盗賊とは手を組まないと釘を刺します。すると厳子方(げんしほう)は、以前傅柔(ふじゅう)から聞いた言葉を思い出し、自身の家が滅びた経緯を語り始めました。盛楚慕(せいそぼ)も陸雲戟に陥れられたことを打ち明け、二人は共通の敵を持つことが分かりました。盛楚慕(せいそぼ)は厳子方(げんしほう)との会話から、彼が海賊と戦い続けてきたのは朝廷に招安されるためであり、自分を助けたのも朝廷との繋がりを得るため、そして自分に口添えをしてもらうためだと見抜きました。
陸雲戟の軍隊が凱旋し、盛家の人々は彼の得意げな様子に歯噛みしました。陸雲戟は魯国公府を訪れ、盛驍靖(せいしょうせい)に対し、盛楚慕(せいそぼ)が自ら安西峡へ行ったのだと嘘をつきます。盛家の人々は当然そんな作り話を信じず、陸雲戟の偽善的な態度に怒りを募らせました。
皇帝(こうてい)から褒美と昇進を受けた陸雲戟は、屋敷で祝宴を開いていました。その時、盛楚慕(せいそぼ)は長安(ちょうあん)に戻り、皇帝(こうてい)に謁見していました。宮中で傅柔(ふじゅう)と偶然出会った盛楚慕(せいそぼ)は、再会を喜ぶ傅柔に後で会うことを約束し、皇帝(こうてい)のもとへ急ぎました。盛楚慕(せいそぼ)は陸雲戟の悪事を全て皇帝(こうてい)に報告し、皇帝(こうてい)は激怒しました。しかし、陸雲戟は功績を挙げたばかりです。皇帝(こうてい)は盛楚慕の言葉だけを鵜呑みにすることはできません。盛楚慕は用意周到にも証拠を提示し、皇帝(こうてい)は陸雲戟と陸琪(りくき)の逮捕を命じました。皇帝(こうてい)に謁見した後、盛楚慕は両親に無事であることを伝え、一家は再会を喜びました。
投獄された陸雲戟は、陸漢星に中央の大臣たちに働きかけ、助命嘆願書を提出するよう指示しました。皇帝(こうてい)との長年の君臣関係を頼りに、許してもらえると考えていました。しかし、陸雲戟が仮省の色も見せず、賄賂を企てていることを知った皇帝(こうてい)はさらに激怒し、陸漢星の逮捕も命じ、陸雲戟を厳罰に処すことを決意しました。陸盈盈は宮外から皇帝(こうてい)に謁見を願い出ますが、皇帝(こうてい)は会うことを拒否しました。
第13話の感想
第13話は、まさに怒涛の展開でした。前半は傅柔の悲しみと周王(しゅうおう)の優しさ、そして盛楚令(せいそれい)とキン楠公主(きんなんこうしゅ)の静かな絆が描かれ、切なくも心温まるシーンが続きました。特に、周王(しゅうおう)が傅柔に薬を飲ませるシーンは、彼の深い愛情が伝わってきて胸を締め付けられました。
しかし、後半は一転、盛楚慕の帰還と陸雲戟への復讐劇が繰り広げられます。盛楚慕が生きていたという衝撃、そして皇帝への報告、証拠の提示、陸家の逮捕劇と、息つく暇もない展開に手に汗握りました。陸雲戟の悪行がついに明るみに出て、スカッとした一方で、彼の狡猾さと盛家の怒り、そして権力争いの恐ろしさを改めて感じさせられました。
傅柔と盛楚慕の再会シーンは、短いながらも感動的でした。再会を喜ぶ傅柔と、皇帝への報告を優先する盛楚慕。二人の表情が、これまでの苦難とこれからの希望を物語っているようでした。
つづく