宮中で、盛楚令(せいそれい)は弟の盛楚俊(せいそしゅん)に凧を使って傅柔(ふじゅう)に手紙を届けるよう指示したが、その凧は偶然にもキン楠公主(きんなんこうしゅ)の手に渡ってしまう。公主は盛楚令(せいそれい)の悪戯だと勘違いし、真相を探ろうとした矢先、侍女の珍珠(ちんじゅ)が凧を拾っている最中に梁王に目をつけられてしまう。梁王は珍珠(ちんじゅ)の美しさに心を奪われ、邪な考えを抱くが、珍珠(ちんじゅ)は機転を利かせて抵抗し、難を逃れる。しかし、梁王は諦めず、逆に太上皇(たいじょうこう)に訴え出て、珍珠(ちんじゅ)を罰するよう要求する。激怒した太上皇(たいじょうこう)は皇后(こうごう)に珍珠(ちんじゅ)を梁王に引き渡すよう命じ、キン楠公主(きんなんこうしゅ)は焦慮する。
太上皇(たいじょうこう)の威厳に、皇后(こうごう)は珍珠(ちんじゅ)を不憫に思いながらも逆らえず、キン楠公主(きんなんこうしゅ)に翌日珍珠(ちんじゅ)を差し出すよう命じる。公主は諦めきれず、太子(たいし)に助けを求める。太子(たいし)は一計を案じ、太上皇(たいじょうこう)が奇石を好むことを利用し、貴重な奇石を公主に贈り、それを交渉材料として太上皇(たいじょうこう)に交換条件を提示するよう助言する。公主は太子(たいし)の指示通り、太上皇(たいじょうこう)の奇石鑑定能力を賭けにし、見事に太上皇(たいじょうこう)の歓心を買う。そして、その機に乗じて珍珠(ちんじゅ)の助命嘆願を行い、ついに珍珠(ちんじゅ)を救うことに成功する。
一方、傅柔(ふじゅう)は宮中で山川錦繍図を研究している際に、図の中に海図が隠されている秘密を発見する。彼女は皇后(こうごう)に刺繍を解くことを提案する。隠された宝の地図を探すためだけでなく、慧娘子(えいじょうし)の独特な針技を継承するためでもある。皇后(こうごう)は傅柔(ふじゅう)の熱意と才能に感銘を受け、彼女の願いを聞き入れる。傅柔(ふじゅう)は努力の末、海図を復元するだけでなく、皇帝(こうてい)の賞賛も得て、厳子方(げんしほう)の招安にも貢献する。その褒美として、皇后(こうごう)は傅柔(ふじゅう)に月に一度裏帰りすることを許可する。
同時に、盛楚令(せいそれい)は東宮に復帰するが、キン楠公主(きんなんこうしゅ)の訪問を無視し、公主の怒りを買う。そこに孫霊淑(そんれいしゅく)が太子(たいし)と陳吉(ちんきち)のことを持ち出し、キン楠公主(きんなんこうしゅ)は衝動的に傅柔(ふじゅう)に失礼な言葉を投げかけ、彼女を太子(たいし)と陳吉(ちんきち)の間の第三者だと誤解する。その後、公主は誤解を皇后(こうごう)に伝え、傅柔(ふじゅう)を罰するよう求めるが、逆に周王(しゅうおう)と傅柔(ふじゅう)の関係が明らかになってしまう。皇后(こうごう)は公正に事を処理し、傅柔(ふじゅう)を罰するどころか、後宮の管理、特に門禁を強化する。
傅柔(ふじゅう)は失言で罰を受け、膝を傷めるまで跪いていたが、周王(しゅうおう)が優しく介抱し、二人の絆はさらに深まる。周王(しゅうおう)は太子(たいし)と陳吉(ちんきち)のことを利用して皇后(こうごう)に復讐しようとしていたが、傅柔(ふじゅう)の懇願により計画を断念する。そして、盛楚令(せいそれい)とキン楠公主(きんなんこうしゅ)は城外の湖畔で再会し、話し合いを経て誤解が解け、二人の関係にも変化の兆しが見え始める。この一件は韓王(かんおう)府にも影響を与え、韓王(かんおう)夫妻は孫霊淑(そんれいしゅく)の言動に失望し、今後の対策を講じることにする。
第15話の感想
第15話は、様々な登場人物の思惑が交錯し、それぞれの関係性に変化が生じた、波乱万丈のエピソードでした。特に印象的だったのは、キン楠公主(きんなんこうしゅ)の行動です。侍女を守るための機転と行動力、そして太子(たいし)への信頼は、彼女の聡明さと優しさを改めて感じさせました。一方、傅柔(ふじゅう)への誤解による言動は、彼女の未熟さや嫉妬深さを露呈する結果となりました。この対比が、彼女の複雑な内面をより深く理解させてくれます。
また、傅柔の慧眼と機智も光りました。山川錦繍図に隠された海図を発見し、皇后(こうごう)を説得して解体するという大胆な行動は、彼女の知性と勇気を示しています。そして、その功績が皇帝(こうてい)の賞賛と招安に繋がり、結果的に傅柔自身の裏帰りというささやかな幸せにも繋がったことは、大変喜ばしい展開でした。
一方、盛楚令(せいそれい)とキン楠公主(きんなんこうしゅ)の関係にも変化の兆しが見られました。誤解から生じたぎこちなさを乗り越え、互いの気持ちを理解し始める二人の姿は、今後の展開への期待を高めます。
つづく