韓王(かんおう)府への失言で太子(たいし)に叱責された孫霊淑(そんれいしゅく)は、悔しさのあまり、韓王(かんおう)府出身の侍女・冬児(とうじ)に濡れ衣を著せて追い出す。怒った韓王(かんおう)は太子(たいし)に詰め寄ろうとするが、韓王(かんおう)妃は事を荒立てずに済ませようと考える。

一方、傅柔(ふじゅう)と盛楚慕(せいそぼ)は再会を果たし、喜びを分かち合う。盛楚慕(せいそぼ)は厳子方(げんしほう)に助けられた経緯や、傅柔(ふじゅう)の兄・傅濤(ふとう)が陸雲戟の親兵になっていることを話す。

太子(たいし)への影響力を強めようと、昌国公(しょうこくこう)は息子と陸盈盈を結婚させようとする。これは、息子の婚約者だった孫霊薇(そんれいび)との縁談を破棄することを意味し、孫霊淑(そんれいしゅく)は不満を抱く。しかし、陸盈盈は既に厳子方(げんしほう)に想いを寄せており、結婚には乗り気でない。孫霊淑(そんれいしゅく)は太子(たいし)に昌国公(しょうこくこう)の策略を吹き込み、二人の仲を引き裂こうとするが、逆効果となり、太子(たいし)は陳吉(ちんきち)と囲碁を打ちに出かけてしまう。

司徒尚儀(しとしょうぎ)は、太子(たいし)と陳吉(ちんきち)の深夜の囲碁に気付き、太子に忠告する。傅柔(ふじゅう)もまた陳吉(ちんきち)に東宮への出入りを控えるよう諭す。太子と陳吉(ちんきち)は別れを惜しみつつ、最後の囲碁を打つ。

太上皇(たいじょうこう)が倒れたため、太子は大安宮で看病をすることになる。太子の留守中、孫霊淑(そんれいしゅく)は陳吉(ちんきち)に恨みを晴らそうと、足の怪我にもかかわらず無理やり芝居をさせる。陳吉(ちんきち)は二度目の芝居で舞台から落下するが、傅柔(ふじゅう)が事前に張っていた紅綢のおかげで一命を取り留める。

司徒尚儀(しとしょうぎ)が出宮の日、皇后(こうごう)に挨拶をしていると、孫霊淑(そんれいしゅく)がやって来る。皇后(こうごう)は芝居の一件を知り、孫霊淑(そんれいしゅく)を叱責する。責任逃れを図る孫霊淑は、陳吉と司徒尚儀(しとしょうぎ)に罪をなすりつける。激怒した皇后(こうごう)は陳吉を捕らえようとするが、司徒尚儀(しとしょうぎ)は太子の名誉を守るため、既に陳吉は東宮を去ったと説明する。しかし、皇后(こうごう)の怒りは収まらず、司徒尚儀(しとしょうぎ)も罰を受ける。

盛楚慕(せいそぼ)は長安(ちょうあん)の門の警備中に、狩りから遅れて戻ってきた陸琪(りくき)をわざと挑発し、陸盈盈を侮辱する。怒った陸琪(りくき)は盛楚慕(せいそぼ)を殴り、盛楚慕(せいそぼ)は陸琪(りくき)を捕らえ、皇帝(こうてい)の裁きを仰ごうとする。

第16話の感想

第16話は、様々な登場人物の思惑が交錯し、それぞれの運命が大きく動き出す波乱の回でした。特に印象的なのは、孫霊淑の悪意と、それによって引き起こされる様々な不幸です。彼女は嫉妬と保身のために他人を陥れることに躊躇がなく、その行動は周囲に大きな影響を与えています。侍女の冬児(とうじ)への濡れ衣、陳吉への意地悪、そして皇后(こうごう)への虚偽の報告など、彼女の悪行の数々は見ていて憤りを感じさせます。

一方、傅柔(ふじゅう)は相変わらずの優しさと機転で、陳吉の命を救います。盛楚慕(せいそぼ)との再会シーンは、これまでの苦労を乗り越えた二人の喜びが伝わってきて、心温まるものでした。しかし、盛楚慕と陸琪(りくき)の衝突は、今後の波乱を予感させます。

また、太子と陳吉の友情にも胸を打たれました。身分の違いを越えた二人の絆は、陳吉が東宮を去るシーンでより一層際立ちます。陳吉の太子への忠誠心と、太子の陳吉への信頼は、二人の別れをより切ないものにしていました。

つづく