盛楚慕(せいそぼ)と陸琪(りくき)のいざこざは、思いがけず皇帝(こうてい)の前で激化。激しい言い争いの末、陸琪(りくき)は盛楚慕(せいそぼ)が妹の陸盈盈を侮辱したと訴える。皇帝(こうてい)は陸琪(りくき)をなだめるため、盛楚慕(せいそぼ)に陸雲戟との関わりを断つよう諭し、褒美を与えることを約束する。盛楚慕(せいそぼ)は機転を利かせ、結婚の希望を伝える。皇帝(こうてい)はキン楠公主(きんなんこうしゅ)のことだと勘違いし、即座に承諾。焦る盛楚慕(せいそぼ)だが、説明しようとした矢先に太子(たいし)が現れ、弁明の機会を失ってしまう。

一方、太子(たいし)は太上皇(たいじょうこう)の教えと皇后(こうごう)からの叱責を受け、落ち込んだ様子で東宮へ戻る。怒りに燃える太子(たいし)は孫霊淑(そんれいしゅく)に当たり散らし、部屋は荒れ果ててしまう。そこにキン楠公主(きんなんこうしゅ)が盛楚令(せいそれい)の助命嘆願に訪れるが、太子(たいし)の怒りの矛先は彼女に向けられ、酷く叱責されてしまう。

その頃、盛楚令(せいそれい)は傷心のキン楠公主(きんなんこうしゅ)と出会い、事情を知り、父の盛驍靖(せいしょうせい)に助けを求める。盛楚令(せいそれい)はキン楠公主(きんなんこうしゅ)への想いを父に打ち明けるが、公主は国公にしか嫁げないという家の決まりが立ちはだかる。すでに国公の位は盛楚慕(せいそぼ)に内定していたため、兄弟は言い争いに。盛驍靖(せいしょうせい)は皇帝(こうてい)の意向を探るため、翌日宮廷へ参内することに。しかし、皇帝(こうてい)は盛驍靖(せいしょうせい)の真意を誤解し、盛楚慕と公主の結婚を承諾してしまう。盛驍靖(せいしょうせい)は驚きながらも、仕方なく礼を述べる。

皇后(こうごう)に叱責された司徒尚儀(しとしょうぎ)は病状が悪化し、太子(たいし)に思いを伝え、息を引き取る。複雑な心境の太子(たいし)は、孫霊淑(そんれいしゅく)の好意にも冷淡な態度を取る。そして、都を離れる陳吉(ちんきち)を訪ね、武芸を教え、匕首を贈り、別れを惜しむ。

海賊を平定した厳子方(げんしほう)は都に戻り、陸盈盈と再会。贈った真珠の行方を尋ね、まだ持っていることを知ると態度を一変させ、捨てるよう命じる。そして、陸雲戟との因縁を明かす。朝廷では、厳子方(げんしほう)が本名を明かし、波紋が広がる。盛楚慕は彼の正体を知り、陸雲戟父子は盛楚慕の策略だと疑い、不満を抱く。

周王(しゅうおう)府を訪れた傅柔(ふじゅう)は、盛楚慕とキン楠公主(きんなんこうしゅ)の“婚約”を知り、動揺するも盛楚慕の真心は変わらないと信じる。周王(しゅうおう)は傅柔(ふじゅう)に厳子方(げんしほう)との過去を語り、彼から託された図柄を渡す。傅柔(ふじゅう)は驚きを隠せない。四海幇の頭領が幼馴染の厳子方(げんしほう)だったのだ。

公主との婚約を解消するため、盛楚慕は大胆にも皇帝(こうてい)に自分が子を作れないと嘘をつく。陸雲戟は太医による検査を提案する。幸い、厳子方(げんしほう)が用意した薬のおかげで検査を逃れるが、この“援助”の裏には、盛楚慕に借りを返すよう迫る厳子方(げんしほう)の思惑が隠されていた。結婚、権力、復讐が複雑に絡み合い、宮廷のドラマは静かに幕を開ける。

第17話の感想

第17話は、様々な登場人物の思惑が交錯し、物語が大きく動き出す、非常にスリリングな展開でした。特に、盛楚慕の機転と大胆な行動には目が離せません。キン楠公主(きんなんこうしゅ)との偽りの婚約を解消するために、なんと自分が子を作れないという嘘をつくとは!彼のとっさの判断力と、多少無謀とも思える行動力は、見ていてハラハラドキドキさせられます。しかし、その裏には厳子方(げんしほう)の存在があり、今後の展開にどう影響していくのかが非常に気になります。

また、太子を取り巻く環境もますます厳しくなっています。太上皇(たいじょうこう)や皇后(こうごう)からのプレッシャー、そして司徒尚儀(しとしょうぎ)の死。彼の苦悩と孤独がより深く描かれており、感情移入せずにはいられません。陳吉(ちんきち)との別れのシーンは、太子の不器用ながらも温かい一面が垣間見え、胸が締め付けられるようでした。

つづく