孫潭(そんたん)の屋敷は重苦しい空気に包まれていた。娘の孫霊淑(そんれいしゅく)が東宮で問題ばかり起こし、皇后(こうごう)の怒りを買っていると知った孫潭(そんたん)は、妻に怒りをぶつける。それを陰で聞いていた孫霊薇(そんれいび)は、心を痛め、霊淑から聞いた太子(たいし)の不行状を両親に伝える。孫潭(そんたん)は嘆き、太子(たいし)の将来を深く憂慮する。
一方、陸盈盈は皇后(こうごう)の見舞いに行く途中、厳子方(げんしほう)と偶然出会う。盈盈は子方に以前贈られた真珠を返し、結婚が決まったことを告げる。子方は「おめでとう」とだけ淡白に答え、怒った盈盈は思わず平手打ちしてしまう。
朝廷では、御史が昌国公(しょうこくこう)の収賄と官職売買を弾劾する。太子(たいし)は昌国公(しょうこくこう)を弁護するが、皇帝(こうてい)は激怒し、自ら昌国公(しょうこくこう)を尋問することに決める。さらに、道士・許昌(きょしょう)が皇后(こうごう)を呪詛しているという奏状が届き、皇帝(こうてい)の怒りは頂点に達する。盛楚慕(せいそぼ)は許昌(きょしょう)に真の才能はなく、口先だけで宮中に入り込み、人々を惑わしていると指摘する。実は、昌国公(しょうこくこう)は息子の病気治療を許昌(きょしょう)に依頼し、治癒後、その功績を大げさに吹聴していたのだ。これが皇帝(こうてい)の怒りに火を注ぐ。
太子(たいし)は昌国公(しょうこくこう)を庇おうとするが、皇帝(こうてい)から厳しく叱責され、小人に惑わされていると指摘される。孫潭(そんたん)はすかさず陳吉(ちんきち)のことを持ち出し、太子(たいし)と陳吉(ちんきち)の交際は堕落だと非難し、厳罰を求める。激怒した皇帝(こうてい)は、太子(たいし)に陳吉(ちんきち)を殺すよう命じ、さもなくば廃太子(たいし)にすると言い放つ。この様子を、殿外の傅柔(ふじゅう)が偶然聞いてしまう。傅柔(ふじゅう)は焦り、盛楚令(せいそれい)に伝えようと奔走し、陸盈盈を通じて陳吉(ちんきち)に知らせる。しかし、陳吉(ちんきち)は太子(たいし)への忠誠を選び、逃亡を拒否し自害する。
太子(たいし)が陳吉(ちんきち)の屋敷に駆けつけると、そこには冷たくなった遺体と匕首があった。父が皇帝(こうてい)に訴え、廃太子(たいし)の危機に瀕していることを知った霊淑は、東宮で跪き、罪を乞う。戻ってきた太子(たいし)は、放心状態で陳吉(ちんきち)の匕首を霊淑の前に投げつける。翌日、霊淑は韓王(かんおう)妃と共に皇后(こうごう)に謝罪する。皇后(こうごう)は霊淑の妊娠を考慮し、罪を許す。それを見た盛楚令(せいそれい)は、韓王(かんおう)妃を救うためキン楠公主(きんなんこうしゅ)に助けを求め、皇后(こうごう)は韓王(かんおう)妃も許すが、韓王(かんおう)には二人の麗人を下賜する。
一方、厳子方(げんしほう)は盛楚慕(せいそぼ)に頼み、馬海妞(ば かいちゅう)と舟遊びをする。二人は舟の上でじゃれ合い、誤って水に落ちる。馬海妞(ば かいちゅう)は気を失ったふりをする。盛楚慕(せいそぼ)が助けようとした瞬間、馬海妞(ば かいちゅう)は盛楚慕(せいそぼ)にキスをする。騙されたと気づいた盛楚慕(せいそぼ)は慌てて逃げ出す。
昌国公(しょうこくこう)は罪により故郷へ左遷される。陸雲戟は太子(たいし)に近づき、盛楚慕(せいそぼ)や韓王(かんおう)との関係を悪化させようと画策する。盈盈の結婚も破談となり、彼女は自分の気持ちに従い、子方を追いかける。盈盈は大胆にも子方にキスをする。子方は驚き、その場を立ち去る。
皇后(こうごう)的容態は悪化し、見舞いに来た皇帝(こうてい)は再び太子への失望を口にする。宮廷の内外で様々な思惑が渦巻き、権力と愛憎の駆け引きが静かに繰り広げられる。
第18話 感想
第18話は、宮廷内の権力争いと複雑に絡み合う人間模様が激化し、息もつかせぬ展開でした。太子をめぐる陰謀、それぞれの愛憎、そして登場人物たちの苦悩が深く描かれており、非常に印象的なエピソードでした。
特に、陳吉(ちんきち)の最期は悲劇的でした。太子への忠義を貫き、自らの命を絶つ選択をする姿は、胸を締め付けられる思いでした。太子の苦悩も深く、庇いきれなかった無念さと、皇帝(こうてい)の怒りへの恐怖が見て取れました。陳吉(ちんきち)の死は、太子にとって大きな転換点となるでしょう。
また、孫潭(そんたん)の告発は、娘の霊淑を思えばこそとはいえ、太子を窮地に追い込む結果となり、複雑な心境です。霊淑もまた、父の行動と太子の苦境に板挟みになり、辛い立場に立たされています。
一方、陸盈盈と厳子方(げんしほう)の関係も進展を見せました。盈盈の積極的なアプローチは、子方の心を動かすのでしょうか。二人の恋の行方も気になるところです。
つづく