宮中の奥深くで、皇后(こうごう)は皇帝(こうてい)に太子(たいし)の赦免を強く願う。皇帝(こうてい)は皇后(こうごう)を慰め、太子(たいし)は我が子であり、改心の機会を与えると約束する。そして、科挙の後、太子(たいし)を補佐する優秀な臣下を選抜する考えを明かす。

科挙の結果、杜寧(とねい)は皇帝(こうてい)に高く評価され甲等に。晴れて官吏となった杜寧(とねい)は傅音(ふいん)に求婚し、傅音(ふいん)は喜びの涙と共に承諾する。

皇帝(こうてい)は皇子たちと新任官吏の杜寧(とねい)を連れ、庭園を散策しながら治国の道を説く。だが、陳吉(ちんきち)を想う太子(たいし)は上の空で、皇帝(こうてい)の注意を何度も受ける。韓王(かんおう)は地方誌編纂の誌を語り、皇帝(こうてい)はこれを賞賛し、彼に文学館の設立を許可する。一方、太子(たいし)はあくびを繰り返し、ついに皇帝から退出を命じられる。

皇后(こうごう)を訪ねた皇帝は、太子(たいし)のやつれた姿に心を痛める。太子は政務に加え皇后(こうごう)の世話もしており、皇帝は密かに太子に披風をかける。

傅柔(ふじゅう)は盛楚慕(せいそぼ)との逢瀬に出かけるが、宮門前で思いがけず厳子方(げんしほう)と遭遇する。厳子方(げんしほう)は過去を説明しようとするが、盛楚慕(せいそぼ)に海賊の過去を指摘され言葉を詰まらせる。そこに周王(しゅうおう)が現れ、傅柔(ふじゅう)への想いとキスした事実を語り、事態は混迷を極める。傅柔(ふじゅう)は混乱に乗じて傅家へと戻る。

傅家で、傅音(ふいん)は傅柔(ふじゅう)に杜寧(とねい)との結婚を報告し、三夫人(さんふじん)の遺品の腕輪を著けてもらう。盛楚慕(せいそぼ)は傅濤(ふとう)を傅家に連れ帰るのに手間取り、傅柔(ふじゅう)に会えずじまいとなる。

傅濤(ふとう)は傅音(ふいん)との再会後、傅柔(ふじゅう)に秘密を守るよう言い残し姿を消す。そして、陸雲戟が傅家に放火し、三夫人(さんふじん)を殺害した真実を明かし、傅音(ふいん)に衝撃を与える。

太子が披風を返しに来た際、皇帝は太子に期待を込めて更生を促す。太子は陳吉(ちんきち)との無実を訴えるが、皇帝は聞き入れず、陳吉(ちんきち)こそが太子の過ちの原因だと断じる。そして、信頼できる臣下を太子につけると約束する。夜更け、太子は陳吉(ちんきち)の墓を訪れ、そこで懺悔する孫霊淑(そんれいしゅく)と出会う。二人は陳吉(ちんきち)が孫霊淑(そんれいしゅく)のために花を摘み怪我をした過去を思い出し、感慨にふける。

一方、李宝林の元を訪れた傅柔は、白雀の騒ぎに悩む李宝林が巣を壊そうとする場面に遭遇する。白雀を吉兆とする皇帝と皇后(こうごう)の怒りを買い、李宝林は罰せられそうになるが、傅柔は機転を利かせた弁舌で李宝林を救う。このことで皇帝の目に留まり、傅柔は司言に昇進する。

第19話の感想

第19話は、様々な登場人物の心情が交錯し、物語が大きく動き出す、非常に重要な回だったと言えるでしょう。特に太子の苦悩と皇帝の葛藤が深く描かれており、見ていて胸が締め付けられました。陳吉(ちんきち)への想いを断ち切れない太子は、皇帝の期待に応えられず、苦しい立場に立たされています。皇帝もまた、太子を思うが故に厳しく接するしかなく、親子の情愛と国の秩序の間で揺れ動く姿が印象的でした。

一方、杜寧(とねい)と傅音(ふいん)の婚約は、闇い雰囲気の中で一筋の光のように輝いていました。二人の幸せそうな様子は見ているこちらも温かい気持ちになります。しかし、傅柔をめぐる盛楚慕(せいそぼ)、厳子方(げんしほう)、周王(しゅうおう)の三角関係、それ以上に複雑な関係は、この先の波乱を予感させます。周王(しゅうおう)の乱入によって、傅柔の恋模様はさらに混沌としてきました。今後、傅柔は誰を選ぶのか、あるいは誰にも選ばないのか、非常に気になるところです。

また、傅濤(ふとう)の登場と陸雲戟の悪行の暴露は、物語に新たな展開をもたらしました。傅音にとっては衝撃的な真実であり、今後の傅家の動向にも大きな影響を与えるでしょう。傅柔は、この事実を知り、どのように行動するのでしょうか。

つづく