陸家が三夫人(さんふじん)の死に関わっていることを知った傅音(ふいん)は、復讐心に燃えていました。杜寧(とねい)に別れの手紙を残し、彼にこれ以上迷惑をかけまいと、独りで家を出て蔡国公府へ。陸琪(りくき)の書斎の侍女となり、陸家の陰謀を暴く決意を固めました。しかし、新参者の傅音(ふいん)は、特に陸琪(りくき)の元々の侍女である玲瓏から敵意を向けられ、寵愛を奪うライバルとみなされます。

一方、周王(しゅうおう)は先日傅柔(ふじゅう)と口論になった際に彼女の作った服を破いてしまったため、彼女を呼び寄せ修繕を頼みます。書斎で二人きりになり、周王(しゅうおう)は読書、傅柔(ふじゅう)は縫い物をする静かな時間が流れます。しかし、周王(しゅうおう)は錢長史が長安(ちょうあん)へ戻る話などを持ち出し、傅柔(ふじゅう)に近づこうとします。そして再び好意を伝え、チャンスが欲しいと懇願しますが、既に想いを寄せる人がいる傅柔(ふじゅう)は、そっと周王(しゅうおう)の手を振りほどき、立ち去ります。周王(しゅうおう)は一人、失意と無念さに沈みます。

宮中では、皇帝(こうてい)が韓王(かんおう)の府に文学館の設立を許可したことに、太子(たいし)は警戒心を抱きます。太上皇(たいじょうこう)からの忠告もあり、韓王(かんおう)が皇帝(こうてい)のように勢力を拡大することを危惧します。韓王(かんおう)の言動、特に孫霊淑(そんれいしゅく)への寛容な態度は、太子(たいし)の疑念をさらに深めます。

盛楚慕(せいそぼ)は周王(しゅうおう)が傅柔(ふじゅう)に好意を抱いていることを知り、焦燥感を募らせます。妹の盛楚令(せいそれい)に傅柔(ふじゅう)の宮中での安全を頼みますが、断られてしまいます。逆に、馬海妞(ば かいちゅう)との問題を解決するよう忠告されます。盛楚慕(せいそぼ)は弟の盛楚俊(せいそしゅん)と共に馬海妞(ば かいちゅう)を説得し、厳子方(げんしほう)との借金問題を解決しようとしますが、誤解され、逆に叱責されてしまいます。

蔡国公府では、玲瓏の嫌がらせにも傅音(ふいん)は屈せず、かえって闘誌を燃やします。玲瓏が陸琪(りくき)に色仕掛けを試みるも失敗し、陸漢星と結託する場面を目撃します。陸漢星は陸琪(りくき)が陸盈盈に贈った真珠の衣を横領し、玲瓏に贈っていました。二人の会話から、傅家陥害への関与も明らかになります。玲瓏と陸漢星がほくそ笑んでいるところに、傅音(ふいん)が現れ、二人は驚愕します。

太子(たいし)は梁王府を訪ねた際、遊侠姿の護衛がいるのを発見し、梁王に謀仮の疑いを抱きます。梁王は自分の江湖への憧れを満たしているだけだと説明し、二人で武芸の披露を見て食事を共にします。太子(たいし)はそこで禁製品である牛肉が盗まれたものだと気づき、不快感を覚えますが、梁王の熱心な勧めもあり、断りきれずに食べてしまいます。酔って帰った太子(たいし)は、孫霊淑(そんれいしゅく)の介抱を受け、少しだけ慰められます。

皇帝(こうてい)は太子(たいし)の地位を固めるため、詹軒智(せんけんち)を補佐につけます。詹軒智(せんけんち)は太子(たいし)に梁王との親密な交際を諫言し、太子(たいし)は面目を失います。しかし、太子(たいし)はすぐに冷静さを取り戻し、詹軒智(せんけんち)に謝罪し、梁王との付き合いを控えることを約束します。皇太子(たいし)としての成熟さと賢明さを示しました。

第20話の感想

第20話は、それぞれの登場人物の思惑が交錯し、緊張感が高まる展開でした。傅音(ふいん)の復讐への強い意誌、周王(しゅうおう)の切ない片思い、太子(たいし)の不安、盛楚慕(せいそぼ)の焦り、そして権力争いの影――それぞれの感情が複雑に絡み合い、今後の物語の展開がますます気になる内容でした。

特に印象的だったのは、傅音(ふいん)の毅然とした態度です。愛する人のため、そして家族の汚名を晴らすため、単身敵地に乗り込む彼女の勇気には心を打たれました。侍女という立場でありながら、決して怯むことなく、真実を暴こうとする強い意誌が感じられました。今後の彼女の活躍、そして陸家の陰謀がどのように明らかになるのか、期待が高まります。

一方、周王(しゅうおう)の傅柔(ふじゅう)への想いは、切なくも報われないものを感じさせます。傅柔(ふじゅう)への真摯な気持ちとは裏腹に、彼女の心は既に他の人へと向いている。その現実に苦悩する周王(しゅうおう)の姿は、見ていて胸が締め付けられるようでした。

また、太子(たいし)と韓王(かんおう)、そして梁王の関係性も、今後の物語の重要な鍵となりそうです。皇帝(こうてい)の意図、それぞれの思惑、そして権力争いの渦巻く宮廷の中で、彼らはどのような道を歩むのでしょうか。

盛楚慕(せいそぼ)と馬海妞(ば かいちゅう)のコミカルなやり取りは、物語の緊張感を和らげる良いアクセントとなっています。しかし、彼らの関係もまた、今後の展開に影響を与える可能性があり、注目が必要です。

つづく