傅柔(ふじゅう)は周王(しゅうおう)に描いてもらった絵を受け取ろうとしたが、梁王に渡すつもりだと知った周王(しゅうおう)は、慌てて傅柔(ふじゅう)の絵を全て隠した。そして、梁王が傅柔(ふじゅう)を気に入って要求してきたらどうするのかと忠告。傅柔(ふじゅう)はハッとして感謝を述べると、周王(しゅうおう)は改めて陸盈盈の絵を描いた。しかし、傅柔(ふじゅう)は陸盈盈の絵を提出することを拒否。陸雲戟とは敵対しているものの、陸盈盈には何の恨みもないからだと主張した。困り果てた周王(しゅうおう)は、傅柔(ふじゅう)の頑固さに感嘆しつつ、架空の美人の絵を描くことを約束した。

梁王は太子(たいし)を遊びに誘ったが断られ、陸琪(りくき)は盛楚慕(せいそぼ)が太子(たいし)と梁王の関係を裂こうとしていると唆し、盛楚慕(せいそぼ)への対抗を促した。そして、傅柔(ふじゅう)は盛楚慕(せいそぼ)の恋人だと告げ、傅柔(ふじゅう)を手に入れれば盛楚慕(せいそぼ)を殺すより辛い目にさせられると吹き込んだ。

玲瓏は傅音(ふいん)の腕輪を見て、盗んだと濡れ衣を著せた。言い争っているところに陸琪(りくき)が現れ、二人を止めさせた。陸琪(りくき)は呉管家(ごかんか)を呼び、腕輪は盗まれたものではないと証明。玲瓏への嫌悪感を募らせた陸琪(りくき)は玲瓏を追い出し、傅音(ふいん)に墨を磨らせようとした。そこへ陸盈盈が現れ、傅音(ふいん)に好感を抱き、玲瓏への不満を口にしたが、陸琪(りくき)の侍女のことなので深くは関わろうとしなかった。陸盈盈が去ると、陸琪(りくき)は傅音(ふいん)に墨を磨らせた。傅音(ふいん)は陸琪(りくき)が描いた木の絵が下手だと指摘し、杜寧(とねい)から絵を習っていたため、つい口を出してしまった。そして、杜寧(とねい)のことを思い出しぼんやりしていると、陸琪(りくき)は傅音(ふいん)に言い寄ってきたため、傅音(ふいん)は抵抗して部屋へ逃げ帰った。すると、陸漢星が訪ねてきた。傅音(ふいん)は陸漢星が傅家を焼き討ちした犯人だと気づき、衝動的に鋏で殺そうとしたが、玲瓏が香粉を買ってくるように言いに来たため、慌てて鋏を隠した。

傅音(ふいん)がいなくなってから、杜寧(とねい)はすっかり落ち込み、傅音(ふいん)の絵を持って街中を探し回っていた。傅音(ふいん)は杜寧(とねい)を見かけたが、辛いながらも会うことはできなかった。盛楚令(せいそれい)は傅柔(ふじゅう)に傅音(ふいん)の失踪を伝え、傅柔(ふじゅう)は心配しながら宮殿へ戻る途中、宮女とぶつかった。宮女が落とした包みを拾い声をかけようとしたが、宮女は逃げ出した。侍衛に捕まった宮女は、砒素を持っていたことが発覚し、連行された。皇后(こうごう)の尋問で、宮女は倉庫の鼠退治のために内侍省の楊厚から砒素をもらったと証言した。皇后(こうごう)は尋問後、宮女を死罪、楊厚を杖刑に処した。傅柔(ふじゅう)は、宮女に悪意がないのに死罪になったことに驚き、皇后(こうごう)に理由を尋ねたが、皇后(こうごう)は司徒尚儀(しとしょうぎ)を偲びつつ、詩集を傅柔(ふじゅう)に与えただけだった。

傅柔は宮中では規則が人命より重要だと悟り、大きなショックを受けた。夜、眠れない傅柔は川辺で花灯を流し、死んだ宮女を弔った。そのことを知った周王(しゅうおう)は傅柔を慰めた。

陸琪(りくき)は傅音の部屋で杜寧(とねい)の絵を見つけ、傅音が自分の絵を描いて好意を持っていると勘違いした。傅音が泣いているのを見て、玲瓏にいじめられたと思い込み、玲瓏を叱りつけた後、傅音を呼び出して絵を描かせた。陸琪(りくき)が傅音に夢中になっている様子を見て、玲瓏は嫉妬した。絵を描いている最中、陸琪(りくき)は手紙を受け取り、激怒して傅音を帰らせた。玲瓏は傅音への嫉妬から、陸漢星と共謀して傅音を陥れようと企んだ。夜、玲瓏は腹痛を装い、傅音に呉管家(ごかんか)から薬をもらってくるように頼んだ。陸漢星は待ち伏せして傅音を自分の部屋に連れ込み、襲おうとした。

第21話の感想

第21話は、宮廷内の権力争いと人間模様が複雑に絡み合い、息詰まる展開でした。特に傅柔の視点を通して描かれる宮廷の冷酷さが印象的です。善意で拾った物が砒素と誤解され、無実の宮女が処刑される場面は、宮廷における正義の脆さ、そして人命よりも規則が優先される残酷な現実を突きつけます。傅柔の受けた衝撃と悲しみは深く、視聴者にも重くのしかかるものがありました。花灯を流すシーンは、彼女の優しさと無力さを象徴しているようで、胸が締め付けられました。

一方、陸琪(りくき)を取り巻く人間関係も混沌としています。玲瓏の傅音への嫉妬、陸漢星の歪んだ欲望、そして陸琪自身の勘違いと傲慢さが、傅音の運命を危険に晒しています。傅音の境遇は、宮廷内の権力闘争に巻き込まれた弱者の象徴と言えるでしょう。杜寧(とねい)との再会も葉わず、孤独と恐怖に怯える彼女の姿は、見ていて辛いものがあります。

周王(しゅうおう)と傅柔の交流は、この重苦しい雰囲気の中で唯一の救いと言えるかもしれません。周王(しゅうおう)の傅柔への配慮、そして傅柔の芯の強さは、二人の間に特別な絆が生まれていることを感じさせます。今後の展開で、この二人の関係がどのように変化していくのか、注目していきたいです。

つづく