皇后(こうごう)一行の護衛にあたっていた曹将軍(そうしょうぐん)は、悩みを抱え酒に酔い、崖から転落し足を負傷。任務続行不可能となり、陸琪(りくき)は後ろ髪を引かれる思いながらも、皇后(こうごう)の安全を優先し先を急ぐことに。

道中、皇后(こうごう)は傅柔(ふじゅう)を同じ馬車に招き入れ、傅柔(ふじゅう)は自らの不自由な境遇を吐露する。皇后(こうごう)は傅柔(ふじゅう)の出宮願望を理解しつつも、病弱な自身の代わりに後宮を支えてほしいと頼み、梁王事件のお詫びとして罪を一度だけ赦免できる「赦」の令牌を下賜する。これは宮中で傅柔(ふじゅう)だけに与えられた特別な恩恵だった。

しかし、平穏は長く続かず、洪義徳(こうぎとく)の仮乱軍に襲撃される。燃え盛る馬車の中、盛楚慕(せいそぼ)が駆けつけ救出を試みる。傅柔(ふじゅう)と皇后(こうごう)は別の馬車に逃げ込むが、梁王に阻まれる。太上皇(たいじょうこう)の介入で皇后(こうごう)は馬車に乗り込み、梁王が御者を務め逃走するが、追手に追われ、馬車は壊れ、一行は洞窟に身を隠す。

一方、盛楚慕(せいそぼ)と陸琪(りくき)は仮乱軍と戦い、援軍到著で仮乱は鎮圧される。盛楚慕(せいそぼ)は梁王との関係から陸琪(りくき)に不信感を抱き、掴みかかるが援軍に止められる。傅柔(ふじゅう)の身を案じる盛楚慕(せいそぼ)は単身捜索に向かい、陸琪(りくき)は捕虜から陸家と仮乱軍の繋がりという驚愕の事実を知る。

洞窟では、一行は窮地に陥る。梁王が毒にあたり、混乱の中、太上皇(たいじょうこう)が皇后を傷つけようとした瞬間、傅柔が皇后を庇い、さらに丹药で梁王を救う。皇后は傅柔に脱出の望みを託す。

宮中では、皇后の失踪に顔妃(がんひ)が心を痛め、皇帝(こうてい)は自責の念に駆られる。周王(しゅうおう)は積極的に母を捜索する一方、太子(たいし)は冷淡で、皇帝(こうてい)は後継者選びに迷いを深める。

傅柔は苦労の末、出口を見つけるが、虎に襲われ地図を失い絶体絶命の危機に。そこに盛楚慕(せいそぼ)が駆けつけるも、傅柔は既に厳子方(げんしほう)に連れ去られていた。厳子方(げんしほう)の冷淡さに傅柔は失望し、二人の間に溝ができる。盛楚慕(せいそぼ)は残された衣類と血痕から傅柔の死を悟り、悲しみに暮れる。

重傷を負った陸琪(りくき)は意識不明のまま帰宅し、陸家は不穏な空気に包まれる。陸漢星がこっそりと屋敷に侵入し、その真意は謎に包まれている。これらの出来事は、一人一人の知恵と勇気を試すとともに、宮中の権力構造と人間関係を静かに変えていく。

第27話の感想

怒涛の展開で息つく暇もない第27話。まさに「一難去ってまた一難」といった状況で、登場人物たちの運命が大きく揺れ動きました。特に印象的だったのは、傅柔(ふじゅ)の機転と勇敢さです。窮地に立たされながらも、皇后を守り、梁王(りょうおう)を救う姿は、まさに「大唐流流」の主人公にふさわしい活躍でした。冷静さを失いそうになる太上皇(たいじょうこう)を製止する場面からも、彼女の芯の強さが伝わってきました。

一方、盛楚慕(せいそぼ)は傅柔への想いが募るばかり。彼女を救うために奮闘する姿は胸を打つものがありましたが、誤解から悲しみに暮れるラストシーンは切なく、今後の展開が気になります。また、陸琪(りくき)と盛楚慕の関係にも変化が生じ、二人の友情に亀裂が生じたことは残念です。陸家の秘密も明らかになり始め、今後の物語にどう影響していくのか注目したいところです。

皇后(こうごう)は病弱ながらも、威厳と優しさを兼ね備えた存在として描かれていました。傅柔への信頼も厚く、彼女に後宮を託すシーンは感動的でした。そして、梁王。相変わらずの軽薄さを見せながらも、窮地では御者を務めるなど、意外な一面も垣間見えました。

つづく