盛楚慕(せいそぼ)は偶然庭から出てきた傅柔(ふじゅう)に会い、いつもの軽薄な様子を隠して真面目な態度を取る。それを見た傅濤(ふとう)も盛楚慕(せいそぼ)を褒める。盛楚慕(せいそぼ)は傅柔(ふじゅう)に香囊を見せてもらい、その精巧さに目を奪われる。その後、盛楚慕(せいそぼ)は傅濤(ふとう)を連れ遊びに出かけるが、道中で大将軍府の使者の横柄な態度に遭遇する。傅濤(ふとう)は憤慨するが、盛楚慕(せいそぼ)は使者を馬から引きずり下ろし、懲らしめる。その後、好奇心旺盛な傅濤(ふとう)を連れ、盛楚慕(せいそぼ)は遊郭へと足を踏み入れる。

遊郭の中では、傅濤(ふとう)は馴染めない雰囲気に帰りたがる。盛楚慕もまずいと思いながらも、遊郭の従業員にからかわれ、ついカッとなって留まることにする。二人は酔いつぶれて一夜を過ごし、このことが傅柔(ふじゅう)の耳に入る。激怒した傅柔(ふじゅう)は、鶏毛掸子で傅濤(ふとう)を厳しく叱る。傅濤(ふとう)はとっさに盛楚慕を盾にする。盛楚慕は気まずい思いをしながらも傅濤(ふとう)をかばい、傅柔(ふじゅう)も情にほだされて盛楚慕を許す。

一方、傅音(ふいん)は杜寧(とねい)と出会い、彼の墨を汚してしまう。しかし、そこで杜寧(とねい)の書道の腕前を知り、海景図を描いてもらうよう頼む。その際に、傅音(ふいん)は盛楚慕の稚拙な字を見て密かに笑う。盛楚慕は傅柔(ふじゅう)と二人きりになる機会を得て、鴛鴦戲水図を刺繍してほしいと頼むが、「軽薄だ」と断られる。諦めない盛楚慕は、兵法を刺繍に取り入れる奇抜なアイデアを提案し、傅柔との距離を縮めようとする。しかし、厳子方(げんしほう)の名前を出した途端、傅柔は盛楚慕が自分の話を盗み聞きしていたと思い込み、怒って立ち去ってしまう。

疑問に思った盛楚慕は傅音(ふいん)に厳子方(げんしほう)のことを尋ね、三夫人(さんふじん)から彼が既に亡くなっていることを聞き、少し安心する。その後、傅柔が恵娘子の刺繍が好きだと知り、彼女を喜ばせようと画策する。しかし、盛楚慕の嘘によって事態は思わぬ方向へ進む。杜寧(とねい)の絵を自分の作品だと偽り、弟たちとよく遊郭に行くという嘘をついたことが傅柔にばれ、二人の関係は悪化する。

盛楚慕は酒場で陸雲戟の甥、陸漢星と出会う。陸漢星は盛楚慕の悪評を知りながらも、家の都合で表面上は付き合う。盛楚慕は陸漢星に恵娘子の刺繍を頼むが、これが傅家に面倒をかけることになる。窮地に陥った傅柔は、偽物の刺繍を自分で作って陸家に渡すことにする。一方、盛楚慕は傅柔に許しを請おうと、家の外で待ち続ける。

ついに傅柔は盛楚慕の誠意に心を動かされ、話を聞くことにする。しかし、盛楚慕から贈られた刺繍が、自分が作った偽物だと気づいた傅柔は、侮辱されたと思い込み、盛楚慕を平手打ちして去ってしまう。盛楚慕は困惑と悔しさでいっぱいになり、その場を去る。二人の関係は再び行き詰まってしまう。

第3話感想

第三話は、盛楚慕の軽率さと誠実さが入り混じる、もどかしい展開でした。傅柔への想いは真剣であるものの、空回りする行動が目立ち、二人の関係は深まるどころか、誤解とすれ違いによって悪化していく様子が描かれています。

特に、遊郭での一件や、杜寧(とねい)の絵を自分のものと偽り、恵娘子の刺繍を巡る嘘などは、傅柔の信頼を損なうには十分すぎる出来事でした。盛楚慕の行動は、傅柔を喜ばせたいという気持ちからきているとはいえ、軽率で配慮に欠けていると言わざるを得ません。

一方、傅柔は、聡明で芯の強い女性として描かれています。盛楚慕の言動に振り回されながらも、自分の信念を曲げず、彼の間違いをきちんと指摘する強さを持っています。また、家族思いであり、弟の傅濤(ふとう)や姉の傅音(ふいん)を気遣う姿も印象的です。

つづく