陸琪(りくき)は、梁王が妹の陸盈盈に求婚するつもりだと知り、大変焦る。何とか断ろうとするも、梁王の意思は固く、陸琪(りくき)は大きなプレッシャーを感じる。急いで家に帰り、父・陸雲戟に相談する。陸雲戟も難しい状況だと理解し、大蒼山の事件の捜査に協力している梁王を怒らせるのは得策ではないと考える。しかし、陸琪(りくき)は妹を思うあまり、盈盈の幸せを守ることを誓う。

一方、陸盈盈は傅音(ふいん)のことで陸琪(りくき)に相談しようとするが、部屋の外で梁王からの求婚の話を偶然聞いてしまい、複雑な気持ちになる。

その頃、洪義徳(こうぎとく)は覆水(ふくすい)の助けで命拾いし、さらに孫も救われたことに感謝する。しかし、覆水(ふくすい)は洪義徳(こうぎとく)にあることを要求する。その後、覆水(ふくすい)は洪義徳(こうぎとく)を密かに厳子方(げんしほう)に引き渡し、厳子方(げんしほう)は陸雲戟を失脚させる好機だと喜ぶ。陸琪(りくき)が厳子方(げんしほう)の屋敷に潜入させていたスパイはこの情報を陸家に送ろうとするが、傅音(ふいん)がその手紙を奪ってしまう。陸漢星の最期の言葉を思い出し、怒りに燃えた傅音(ふいん)は手紙を焼き捨て、一人で事態に立ち向かう決意をする。

宮廷に戻った傅柔(ふじゅう)は、皇后(こうごう)から褒美を賜り、昼食に招かれる。皇后(こうごう)の質問に対し、傅柔(ふじゅう)は水に落ちたという嘘をつき、真実を隠そうとする。皇后(こうごう)は疑念を抱くも、大蒼山での傅柔(ふじゅう)の功績を考慮し、彼女を許し、宮廷への自由な出入りを許可する令牌を与える。盛楚令(せいそれい)は盛楚慕(せいそぼ)の行方を探ろうとするが、周王(しゅうおう)が現れ、二人にその話題に触れるなと警告する。

朝廷では、周王(しゅうおう)が洪義徳(こうぎとく)の事件の進捗を報告する。逃亡ルートの情報漏洩については未だ結論が出ておらず、曹元(そうげん)は罪を認めたものの、拷問による自白のため信憑性に欠ける。皇帝(こうてい)は周王(しゅうおう)に範章(はんしょう)を再審するよう命じ、拷問は禁ずる。そこに厳子方(げんしほう)が現れ、洪義徳(こうぎとく)を捕らえたと報告し、さらに陸雲戟が賄賂を受け取り洪義徳(こうぎとく)を逃亡させたのだと告発する。激怒した皇帝(こうてい)は、陸雲戟と陸琪(りくき)を投獄するよう命じる。太子(たいし)は陸雲戟を擁護したため、皇帝(こうてい)に叱責される。

落ち込んだ太子(たいし)は、陳吉(ちんきち)の墓前で気持ちを吐露していると、孫霊淑(そんれいしゅく)が難産で苦しんでいるところに遭遇する。皇孫を優先すべきという皇后(こうごう)の強い意向の中、傅柔(ふじゅう)が助産の方法を提案し、孫霊淑(そんれいしゅく)は無事に出産する。皇帝(こうてい)と皇后(こうごう)は皇孫の誕生を喜び、祝賀の宴を準備する。周王(しゅうおう)は韓王(かんおう)に宴の主催を推薦し、韓王(かんおう)は一度は辞退するものの、顔妃(がんひ)に説得され引き受ける。皇后(こうごう)はこの機会に傅柔(ふじゅう)の功績を訴え、皇帝(こうてい)は傅柔(ふじゅう)に発言権を与えるという褒美を与える。

陸雲戟と陸琪(りくき)は獄中で孤立無援の状態となり、陸盈盈は父と兄を救うため、自ら行動を起こすことを決意する。厳子方(げんしほう)に助けを求めるも拒絶された盈盈は、危険を承知で梁王に近づき、事態を打開しようと試みる。一方、韓王(かんおう)は酔って帰宅し、王妃の献身的な世話を受ける。目覚めた韓王(かんおう)は、王妃が刺繍している柘榴の絵を見て、彼女が子供を望んでいることを悟る。そんな時、盛楚慕(せいそぼ)が酔っ払って韓王(かんおう)府の門前に倒れているのを発見し、韓王(かんおう)妃に新たな悩みと希望をもたらす。

第31話の感想

怒涛の展開で、息つく暇もない第31話でした。陸家は窮地に立たされ、陰謀渦巻く宮廷の権力争いが激化しています。忠義に厚い陸雲戟と陸琪(りくき)父子が、厳子方(げんしほう)の奸計によって陥れられる様子には、憤りを感じずにはいられません。特に、傅音(ふいん)が陸家への密告を握りつぶしてしまうシーンは、彼女の苦悩と葛藤が伝わってきて、胸が締め付けられました。果たして、彼女は今後どのような行動に出るのでしょうか。

一方、皇后(こうごう)は皇孫誕生の喜びに包まれ、傅柔(ふじゅう)も功績を認められ発言権を得るなど、明るい兆しも見られます。しかし、周王(しゅうおう)の闇躍や、盛楚慕(せいそぼ)の行方不明など、不安要素も残されています。今後の展開がますます気になる第31話でした。

特に印象的だったのは、陸盈盈の決意です。愛する父と兄を救うため、危険を顧みず梁王に近づこうとする彼女の覚悟には、心を打たれました。これまでどちらかといえば控えめな印象だった盈盈の、秘めた強さが垣間見えた瞬間でした。今後の彼女の行動が、物語の大きな鍵を握っていることは間違いありません。

つづく