朝廷にて、皇帝(こうてい)は周王(しゅうおう)への信頼を示し、大蒼山事件の調査を任命しようとしました。しかし周王(しゅうおう)は経験不足を理由に、方相を推薦。皇帝(こうてい)はこれを受け入れ、方相を責任者に任命しました。退朝後、孫霊淑(そんれいしゅく)が幼子と共に太子(たいし)への助命嘆願をするも、皇帝(こうてい)の怒りを買い退去させられます。皇后(こうごう)もまた太子(たいし)を弁護しますが、皇帝(こうてい)は真相究明のためだと一蹴。太子(たいし)に罪があれば厳罰に処すと断言し、皇后(こうごう)の問いかけにも苛立ちを隠せず、太子(たいし)への失望を露わにし、その場を去りました。皇后(こうごう)は悲しみに暮れ、倒れてしまいます。
傅柔(ふじゅう)は心を痛める皇后(こうごう)を案じ、皇帝(こうてい)を説得できる人物を思いつきます。一方、皇帝(こうてい)は太子(たいし)を尋問し、洪義徳(こうぎとく)毒殺の真相を追及。太子(たいし)は無実を訴えますが、証拠がなく苦境に立たされます。厳子方(げんしほう)は、洪義徳(こうぎとく)が陸雲戟への賄賂を自白していたこと、そして陸雲戟が太子(たいし)に贈った戦国時代の龍形玉佩が賄賂の証拠だと証言。皇帝(こうてい)は太子(たいし)の書斎を捜索させ、玉佩を発見。太子(たいし)を罰しようとしたその時、傅柔(ふじゅう)が駆け込み、太上皇(たいじょうこう)危篤の知らせを伝えました。
太上皇(たいじょうこう)は皇帝(こうてい)と皇后(こうごう)だけを残し、太子(たいし)を守り、信じるように厳命。皇帝(こうてい)は孝心に従わざるを得ません。駆けつけた梁王は太上皇(たいじょうこう)に丹药を捧げますが、もはや葉わず。太上皇(たいじょうこう)は皇后(こうごう)に梁王の面倒を見るよう言い残し、息を引き取りました。太上皇(たいじょうこう)の遺言により、大蒼山事件は封印され、陸雲戟父子も釈放。厳子方(げんしほう)は半年の減俸処分のみとなりました。
陸雲戟父子は帰宅後、陸盈盈が梁王に助けを求めていたことを知ります。陸雲戟は婚約破棄を望みますが、皇帝(こうてい)は認めず。陸琪(りくき)は妹を救おうと皇帝(こうてい)に楯突き、罰せられます。結局、皇帝(こうてい)は皇后(こうごう)に命じ、陸盈盈を梁王の妃とすることにしました。梁王はこれを受け入れました。
盛楚令(せいそれい)は自ら辺境勤務を誌願し、穀将軍(こくしょうぐん)を驚かせます。最も過酷な地への赴任を希望する盛楚令(せいそれい)。一方、太子(たいし)の一件で不安を抱える孫霊淑(そんれいしゅく)姉妹。孫霊薇(そんれいび)は盛楚俊(せいそしゅん)に助けを求め、お守りを受け取ります。太子(たいし)の危機が去り、孫霊薇(そんれいび)は盛楚俊(せいそしゅん)への感謝を深めます。
東宮で太子は梁王をもてなします。趙州から戻った辰辛(しん しん)は、銭文景の件を太子に報告し、趙王(ちょうおう)と周王(しゅうおう)との関与を示唆。一方、張合(ちょうごう)は街で騒ぎを起こし、厳子方(げんしほう)に捕まります。張合(ちょうごう)は助けを求める伝言を義理の息子に送りますが、義理の息子は妻である思玲公主(しれいこうしゅ)に付き添い、宝石選びに夢中。韓王(かんおう)妃の紹介で商売を始めた馬海妞(ば かいちゅう)と怜燕児は、思玲公主(しれいこうしゅ)の寵愛を受けています。偶然の会話から、義理の息子は怜燕児の過去を知り、心に波紋が広がります。
第33話の感想
第33話は、権力争いと家族愛、そして様々な人間模様が複雑に絡み合い、息もつかせぬ展開でした。太上皇(たいじょうこう)の崩御という大きな出来事を通して、物語は大きく動き出します。
特に印象的なのは、皇帝の苦悩です。太子への愛情と、皇帝としての責任感の間で揺れ動く姿は、見ていて胸が締め付けられました。周王(しゅうおう)の推挙を受け入れ方相に事件の調査を任せる冷静さを見せる一方で、孫霊淑(そんれいしゅく)や皇后(こうごう)の嘆願には感情的に仮応してしまう。そして、太上皇(たいじょうこう)の遺言によって太子を救わざるを得なくなった時の複雑な表情は、彼の内面の葛藤を如実に表していました。
また、陸盈盈と梁王の結婚は、政略結婚の悲哀を感じさせます。家族を守るために自ら梁王に助けを求めた盈盈の覚悟、そして皇帝の冷徹な判断は、宮廷の非情さを改めて突きつけます。妹を守るために皇帝に逆らい罰せられた陸琪(りくき)の姿もまた、家族愛の強さを示す一方で、抗えない運命の残酷さを際立たせています。
盛楚令(せいそれい)の辺境行きは、彼の強い意誌と覚悟を感じさせる一方、どこか寂しさも漂います。そして、孫霊薇(そんれいび)と盛楚俊(せいそしゅん)の関係性の進展も、今後の展開への期待を高めます。
つづく