皇后(こうごう)が太子(たいし)の無事を祈っていると、皇帝(こうてい)も駆けつけ共に祈りを捧げた。皇后(こうごう)は深く感動し、皇帝(こうてい)は必ずこの苦難を乗り越えられると慰めた。幸いにも太子(たいし)は意識を取り戻した。

太子(たいし)の落馬は、新しい鞍に細工がされていたことが判明し、夏寒(かかん)が捕らえられ拷問を受けた。傅柔(ふじゅう)は夏寒(かかん)と面会し、真相を探ろうとした。夏寒(かかん)は熊銳の復讐のためだと語り、太子(たいし)は陳吉(ちんきち)や熊銳の死を望んでいなかったにも関わらず、誰かが償いをしなければならないと主張した。傅柔(ふじゅう)は、償うのは夏寒(かかん)自身であり、熊銳は戻らないと諭した。夏寒(かかん)は覆水(ふくすい)に唆され、韓王(かんおう)に罪を著せるよう指示されていた。傅柔(ふじゅう)は皇后(こうごう)にこの話を伝えたが、皇后(こうごう)は挑発だと見抜いた。傅柔(ふじゅう)の怪我を心配し、金糸の軟甲を下賜した。

陸雲戟は夏寒(かかん)の言葉を太子(たいし)に伝え、陸雲戟と孫霊淑(そんれいしゅく)は太子(たいし)に疑念を抱かせようと画策した。皇后(こうごう)は見舞いに来た際、孫霊淑(そんれいしゅく)の軽率な発言を叱責し、太子は孫霊淑(そんれいしゅく)をかばった。皇后(こうごう)は太子に噂を信じないように忠告した。

盛楚慕(せいそぼ)は太子警護の不尽責で杖刑百叩きを受け、百騎将軍に降格、謹慎処分となった。傅柔(ふじゅう)は心を痛めたが、楊柏は傷は superficial であると伝えた。

キン楠公主(きんなんこうしゅ)は太子を見舞い、想いを寄せる人がいることを見抜かれた。その後、キン楠公主(きんなんこうしゅ)は盛楚慕(せいそぼ)を訪ね、東宮の讒言で杖刑を受けたことを知った。盛家は東宮と孫家に不満を抱き、盛夫人(せいふじん)は盛楚俊(せいそしゅん)に孫家との交際を禁じた。

夏寒の死後、傅柔(ふじゅう)は灯籠流しで祈りを捧げ、周王(しゅうおう)と出会い語り合った。傅柔は権力者にとって、民は蟻のような存在かと問うと、周王(しゅうおう)は肯定し、皇帝(こうてい)にとって官吏もまた蟻のような存在だと答えた。

盛楚慕(せいそぼ)の療養中、怜燕児は盛楚慕(せいそぼ)に近づき、太子からの手紙を発見した。盛夫人(せいふじん)は怜燕児の手先の器用さを気に入り、髪を結わせた。

太子は覆水(ふくすい)を尋問し、陳吉(ちんきち)に瓜二つの姿に驚愕した。太子は覆水(ふくすい)と碁を打った。孫霊淑(そんれいしゅく)は嫉妬することなく、陳吉(ちんきち)の件の再現を避けるため、寛容な態度を示した。

第38話の感想

第38話は、陰謀と策略、そして様々な人間模様が交錯する緊迫した展開でした。夏寒の死は、熊銳への忠誠ゆえの悲劇であり、権力闘争の残酷さを改めて浮き彫りにしました。彼の最期の言葉は真実か、それとも覆水(ふくすい)に唆された嘘か、真偽は定かではありませんが、太子と韓王(かんおう)の間に亀裂を生じさせるには十分なインパクトがありました。陸雲戟と孫霊淑(そんれいしゅく)の闇躍も不穏な影を落とし、今後の展開に不安を感じさせます。

一方、皇后は冷静沈著な判断力と慈愛に満ちた対応で、物語の支柱としての存在感を示しました。傅柔への気遣いや、孫霊淑(そんれいしゅく)への適切な叱責は、彼女の賢明さを物語っています。また、盛楚慕(せいそぼ)への理不尽な処罰には胸が痛みましたが、楊柏の配慮に救われました。キン楠公主(きんなんこうしゅ)と太子の微笑ましいやり取りは、重苦しい雰囲気の中での清涼剤となりました。

つづく