盛楚慕(せいそぼ)の傷が癒え、盛家の庭で剣を振るう姿は凛々しい。一方、怜燕児は優れた化粧技術で盛夫人(せいふじん)の寵愛を受け、侍妾にとまで考えられるが、盛楚慕(せいそぼ)は曖昧な態度で本心では受け入れていない。

太子(たいし)は歩けるようになったものの、足の障害に苦しみ、東宮で激昂し周囲を追い出す。覆水(ふくすい)は優しく太子(たいし)を慰め、落ち著きを取り戻させる。陳吉(ちんきち)との過去を振り返る太子(たいし)に、覆水(ふくすい)は自身の運命を憂い、陳吉(ちんきち)と同じ道を辿りたくないと言う。太子(たいし)は覆水(ふくすい)を必ず守ると誓い、再び政務に励み始める。韓王(かんおう)文学館の傲慢な態度に不満を抱く太子(たいし)に、覆水(ふくすい)は表面的な懲罰と実質的な配置転換を提案する。

満を持して負傷したまま朝議に出席した太子(たいし)。その足取りは弱々しく、周囲の注目を集める。平静を装う太子(たいし)だが、内心は複雑な思いを抱えている。皇帝(こうてい)は太子(たいし)の勤勉さを認め、陸雲戟に官吏の考課を任せ、自身は温泉宮で療養し、太子(たいし)に監国を命じる。韓王(かんおう)は盛楚慕(せいそぼ)の助命嘆願をするも、皇帝(こうてい)は成長のためと却下し、百騎将軍の職と禁足を解くにとどめる。

傅柔(ふじゅう)は秦王(しんおう)の教育で行き詰まり、周王(しゅうおう)に教えを乞う。傅柔(ふじゅう)の真意を見抜いた周王(しゅうおう)は、わざと盛楚慕(せいそぼ)と怜燕児の親密さを語り、傅柔(ふじゅう)の心に疑念を植え付ける。盛府を訪れた傅柔(ふじゅう)は、二人の親密な様子を目の当たりにし、盛楚慕(せいそぼ)を問い詰める。傅柔(ふじゅう)の誤解に苛立つ盛楚慕(せいそぼ)は、衝動的に心無い言葉を投げかけ、怜燕児と親密な仕草を見せ、傅柔(ふじゅう)を深く傷つける。傅柔(ふじゅう)が去った後、過ちに気づいた盛楚慕(せいそぼ)は追いかけるが、傅柔(ふじゅう)は周王(しゅうおう)の馬車に乗り込み、盛楚慕(せいそぼ)は一人残される。

韓王(かんおう)妃は東宮に贈り物を持参するが、孫霊淑(そんれいしゅく)に冷遇され疑念を抱かれる。韓王(かんおう)と太子(たいし)の一件を疑う孫霊淑(そんれいしゅく)は、韓王(かんおう)妃に敵意をむき出しにする。覆水(ふくすい)はその隙につけ込み、太子(たいし)と韓王(かんおう)妃の関係を悪化させる。讒言を信じた太子(たいし)は文学館のメンバーを不当に処分し、詹軒智(せんけんち)は諫言するも聞き入れられない。傅柔(ふじゅう)も皇后(こうごう)に太子を諭すよう進言し、皇后(こうごう)は傅柔(ふじゅう)の言葉を受け入れ太子を戒める。

しかし、事態は収束しない。陸雲戟は考課を口実に賄賂を受け取り、賄賂を渡さない王悦之(おうえつし)を抑圧する。文学館のメンバーは韓王(かんおう)に訴え出る。韓王(かんおう)は当初は躊躇するも、太子が讒言に惑わされていると知り、沈黙を破る。詹軒智(せんけんち)は皇帝(こうてい)に真相を伝えようとするが、覆水(ふくすい)に太子の偽の命令で殺害され、臨終の言葉で東宮に大唐を転覆させようとする奸臣がいることを警告する。宮廷内外は不穏な空気に包まれる。

第39話の感想

第39話は、登場人物たちの様々な感情が交錯する、非常にドラマチックな展開でした。盛楚慕(せいそぼ)と傅柔(ふじゅう)の関係は、すれ違いと誤解によってさらに悪化し、見ているこちらも胸が締め付けられる思いでした。盛楚慕(せいそぼ)は傅柔(ふじゅう)の誤解を解きたい一心で行動するも、逆効果になってしまい、二人の間の溝は深まるばかり。怜燕児の存在が、二人の関係をさらに複雑にしているのも印象的です。

一方、太子は足の障害という現実を受け入れられず苦悩し、周囲に当たり散らす姿が痛々しかったです。そんな彼を支える覆水(ふくすい)ですが、その言動には不穏な影が潜んでいるように感じられます。一見献身的に見える彼の行動も、今後の展開を考えると、何か裏があるのではないかと疑ってしまいます。

また、韓王(かんおう)と太子の確執、陸雲戟の不正など、宮廷内の権力争いも激化しています。詹軒智(せんけんち)の死は、この権力争いの残酷さを象徴する出来事であり、今後の波乱を予感させます。それぞれの思惑が複雑に絡み合い、物語はますます目が離せない展開となっています。

つづく