韓王(かんおう)は太子(たいし)への戒めとして、連名の上奏文に署名した。書房を出た後、太医に出会い王妃の容態を心配するが、王妃は妊娠している可能性があると告げられる。しかし、まだ確定ではなく半月後にもう一度診察が必要とのことだった。
皇后(こうごう)は孫霊淑(そんれいしゅく)の誕生日を祝う家宴を開き、太子(たいし)と韓王(かんおう)の関係修復を図る。皇后(こうごう)は上質の貂の毛皮のコートを二著手に入れ、白い方を自身で、黒い方を孫霊淑(そんれいしゅく)への誕生日プレゼントとして用意していた。しかし、王妃の妊娠の可能性を知り大喜びし、王妃が少し冷えているのを見て、白いコートを王妃に与えた。孫霊淑(そんれいしゅく)は嫉妬の表情を隠せない。皇后(こうごう)は太子(たいし)と韓王(かんおう)の近況を尋ねるが、二人は互いに非難し合う。韓王(かんおう)は太子(たいし)が文学館の人々を抑圧していると言い、太子(たいし)は韓王(かんおう)が大臣と結託して自分を弾劾したと訴える。兄弟喧嘩を目の当たりにした皇后(こうごう)は激怒し吐血してしまう。韓王(かんおう)と太子(たいし)は慌てて謝罪し、今後兄弟仲良くすることを誓う。皇后(こうごう)の容態が落ち著いた後、太子(たいし)は文学館の大臣への圧力を解除し、韓王(かんおう)は太子(たいし)弾劾の上奏文を破棄した。
皇后(こうごう)の仲裁により、孫霊淑(そんれいしゅく)は表向きは事を荒立てずに済ませたが、王妃に出し抜かれたことを快く思っていない。彼女は侍女の双喜(そうき)に呉道士(ごどうし)を買収させ、皇后(こうごう)の前で王妃は子宝に恵まれず、さらに夫の運気を下げると予言させる。皇后(こうごう)は呉道士(ごどうし)を叱責し、傅柔(ふじゅう)は呉道士(ごどうし)は評判倒れだと慰める。この話が王妃の耳に入り、彼女は孫霊淑(そんれいしゅく)の仕業だと察するが、これ以上の争いを避け孫霊淑(そんれいしゅく)を避けることにする。しかし、韓王(かんおう)は既に太子(たいし)と皇后(こうごう)への挨拶を約束していたため、王妃も同行せざるを得ない状況となる。
皇后(こうごう)は孫霊淑(そんれいしゅく)の妹、孫霊薇(そんれいび)の話題を出し、盛家との縁談を持ちかける。しかし、孫霊淑(そんれいしゅく)は盛家の三兄弟を放蕩息子と見下し、妹を嫁がせることを拒否する。一方、王妃は太子(たいし)が孫霊淑(そんれいしゅく)と結婚した後、韓王(かんおう)との兄弟仲が悪化したことから、盛家に孫霊薇(そんれいび)が嫁げば家庭が不和になると考え、仮対する。両家ともそれぞれの理由で縁談を断ろうとする中、太子(たいし)は既に孫霊薇(そんれいび)を陸琪(りくき)に嫁がせるつもりだと明かし、皇后(こうごう)はその場で二人の結婚を認めた。
皇帝(こうてい)は詹軒智(せんけんち)の死を知り、杜寧(とねい)を呼び事情を聞く。杜寧(とねい)は詹軒智(せんけんち)の遺言を伝え、東宮の捜索とJ邪の排除を訴える。しかし、皇帝(こうてい)は太子(たいし)弾劾の動きがある中で東宮を捜索すれば、太子の威信が失墜すると考え、要請を拒否する。杜寧(とねい)はさらに詹軒智(せんけんち)の遺誌を継ぎ、太子を補佐するため東宮入りを願い出るが、これも認められなかった。
大臣の尤建明は太子の足の障害を理由に弾劾するが、韓王(かんおう)は沈黙を守り太子を擁護しない。太子は激怒し皇后(こうごう)に訴える。韓王(かんおう)は帰宅後、王妃に朝議の出来事を話そうとするが、王妃は泣き続けていた。実は、太医が再診した結果、王妃は妊娠していなかったのだ。この知らせに皇后は落胆する。
太子は自分の障害を盛楚慕(せいそぼ)の警護不足のせいにし、覆水(ふくすい)は盛楚令(せいそれい)を罰するよう提案する。太子はこれに同意し、覆水(ふくすい)は梁王を使って盛楚令(せいそれい)を懲らしめる。偶然その場に居合わせたキン楠公主(きんなんこうしゅ)は盛楚令(せいそれい)を守ろうとするが、梁王は二人の関係に気づき、二人を共に痛めつける。盛楚令(せいそれい)はキン楠公主(きんなんこうしゅ)を守るため縄を解き、刀を梁王に向ける。覆水(ふくすい)は盛楚令(せいそれい)がキン楠公主(きんなんこうしゅ)を人質に取ったと嘘を吹き込む。そこに皇后が現れ、キン楠公主(きんなんこうしゅ)の説明を聞き、厳しい表情で彼女を連れ帰らせる。
第40話の感想
第40話は、様々な思惑が交錯し、登場人物たちの感情が激しく揺れ動く展開でした。特に印象的だったのは、皇后の苦悩と孫霊淑(そんれいしゅく)の狡猾さ、そして韓王(かんおう)妃の悲しみです。
皇后は、太子と韓王の兄弟仲を修復しようと心を砕き、家宴を設けます。しかし、二人の確執は深く、皇后の努力も虚しく、彼女は吐血してしまうほど追い詰められます。国母として、そして母親として、二人の争いを止めたい一心で奔走する皇后の姿には、胸が締め付けられるものがありました。
一方、孫霊淑(そんれいしゅく)は、王妃の妊娠の可能性に嫉妬し、呉道士(ごどうし)を使って王妃を陥れようとします。彼女の冷酷さと狡猾さは、見ていて背筋が寒くなるほどでした。王妃への嫌がらせだけでなく、盛家との縁談を拒否する場面でも、自分の利益しか考えない自己中心的な性格が露呈していました。
そして、韓王妃(かんおうひ)は、妊娠の喜びも束の間、実は妊娠していなかったという残酷な現実を突きつけられます。子供を望んでいた彼女にとって、どれほどの悲しみだったでしょうか。泣き崩れる韓王妃(かんおうひ)の姿は、見ているこちらも涙を誘われました。
つづく