韓王(かんおう)妃の訃報を受け、韓王(かんおう)は悲嘆に暮れ、王妃の手を握りしめながら言葉を交わしていました。駆けつけた盛楚令(せいそれい)も、その光景に深い悲しみを覚えます。一方、天牢に囚われた傅柔(ふじゅう)は、周王(しゅうおう)の見舞を受け、韓王(かんおう)妃の死を知らされます。自責の念に駆られる傅柔(ふじゅう)は、皇后(こうごう)を止められなかったこと、そして顏妃に望みを託した自身の愚かさを嘆きます。周王(しゅうおう)は、傅柔(ふじゅう)が自分の母親である顏妃について悪く言うことに不快感を示し、傅柔(ふじゅう)は道理をわきまえない宮廷に失望を深めます。

韓王(かんおう)妃の葬儀の席で、盛楚俊(せいそしゅん)は韓王(かんおう)を責め立て、刀を手に取り襲いかかります。盛楚慕(せいそぼ)はこれを製止し、盛楚俊(せいそしゅん)を韓王(かんおう)府から追放します。しかし、盛楚俊(せいそしゅん)は去り際に盛楚慕(せいそぼ)の書斎に侵入し、太子(たいし)から趙王(ちょうおう)への密書を盗み出します。実はこれは怜燕児の策略で、彼女は盛楚俊(せいそしゅん)に密書の存在を教え、さらに厳子方(げんしほう)に魯国公府の内紛を密告します。

韓王妃(かんおうひ)の死後、韓王は悲しみに沈みながらも、皇后(こうごう)への挨拶の際に、今後は音律や詩画に耽溺せず、大唐の親王として朝廷の政務に積極的に関与していくことを誓います。そして、太子(たいし)とも協力していくと皇后(こうごう)に約束します。しかし、朝廷では、盛国の免税に関する不正を巡り、韓王は吏部尚書である陸雲戟を糾弾します。吏部が不正役人を高く評価していたことを指摘し、他の役人の告発を促し、皇帝(こうてい)は調査を命じます。この一件は皇后(こうごう)にも伝わり、太子(たいし)は激怒し、陸雲戟の身を案じます。覆水(ふくすい)は太子(たいし)に、盛国が再び仮乱を起こせば、陸雲戟が鎮圧の指揮を執ることになり、彼の立場が守られると唆します。

皇後の容態が少し回復したため、皇帝(こうてい)は皇后(こうごう)の寝宮で夜を過ごします。皇后(こうごう)は皇帝(こうてい)にキン楠公主(きんなんこうしゅ)と盛楚令(せいそれい)の結婚を願い出て、皇帝(こうてい)はこれを承諾します。さらに皇后は、将来皇子たちが争いを起こしたとしても、彼らの命だけは助けてほしいと懇願し、皇帝(こうてい)もこれを約束します。しかし翌朝、皇帝(こうてい)が目覚めると、皇后はすでに息を引き取っていました。

皇后の死後、傅柔(ふじゅう)は釈放されますが、掖庭局に左遷されます。傅柔(ふじゅう)は皇後の葬儀の日程を知ろうとしますが、もはや司言ではない彼女には誰も相手にしません。太子(たいし)は皇後の死を深く悲しみ、自責の念に苛まれます。孫霊淑(そんれいしゅく)は、韓王の無礼な振る舞いが皇后の死を招いたと太子(たいし)に吹き込み、太子の韓王への憎しみを煽ります。

厳子方(げんしほう)は梁王が太子側につくことを知り、梁王に取り入るため、盛楚俊(せいそしゅん)を梁王に紹介します。盛楚俊(せいそしゅん)は太子から趙王(ちょうおう)への密書を梁王に渡し、厳子方(げんしほう)は二人の会話を盗み聞きしながら、梁王府で辛い境遇にある陸盈盈の姿を目にします。

第42話の感想

第42話は、韓王妃(かんおうひ)の死をきっかけに、宮廷内の緊張感がさらに高まる展開となりました。韓王の悲しみは深く、今後の彼の行動に大きな影響を与えそうです。これまで音律や詩画に耽溺していた彼が、王妃の死を契機に政務に積極的に関与していくと宣言した場面は、彼の変化を象徴的に示していました。しかし、その変化が宮廷にどのような波紋を広げるのか、今後の展開が不安です。

盛楚俊の行動も気がかりです。兄である盛楚慕(せいそぼ)との確執は深まるばかりで、韓王府から追放された後、太子と趙王(ちょうおう)の密書を盗み出すという暴挙に出ました。怜燕児の策略に嵌められたとはいえ、彼の焦りと絶望 が感じられます。この密書が今後の物語にどう影響するのか、注目すべき点でしょう。

つづく