梁王は太子(たいし)に親筆の手紙を渡した後、手柄を自慢し、ついでに厳子方(げんしほう)と盛楚俊(せいそしゅん)を持ち上げ、太子(たいし)に取り入ろうとした。一方、梁王妃の陸盈盈は日に日にやつれていくのを心配した梁王の母は、梁王を叱責し、盈盈に腕輪を贈って優しくするように諭した。

傅柔(ふじゅう)は掖庭局に左遷され、いじめを受けていた。ある日、盛楚慕(せいそぼ)が胡内侍(こないし)と共に通りかかったが、傅柔(ふじゅう)には目もくれず、傅柔(ふじゅう)は複雑な思いで見送った。その時、梁王が現れ、傅柔(ふじゅう)をいじめていた女官たちを追い払い、以前奪った霊薬を返した。傅柔(ふじゅう)は深く感謝した。

盛楚慕(せいそぼ)は皇帝(こうてい)に練兵の成果を報告し、高く評価され、長安(ちょうあん)禁苑に戻り百騎の訓練を任されることになった。しかしその後、皇帝(こうてい)は梁王を呼び出し、太子(たいし)の騒動を煽動したこと、キン楠公主(きんなんこうしゅ)を鞭打ったことを厳しく叱責し、長安(ちょうあん)からの追放も考えた。梁王は恐れ慄き、最終的には閉門思過となったが、これが最後の警告だと釘を刺された。

梁王は屋敷に戻ると、不満を周囲にぶちまけ、太上皇(たいじょうこう)の庇護を失って自分の立場が危うくなったことを嘆いた。

盛楚慕(せいそぼ)は秦王(しんおう)を訪ね、傅柔(ふじゅう)の近況を話すと、秦王(しんおう)は傅柔(ふじゅう)がいなくてつまらないと漏らした。ちょうどその時、掖庭局で再びいじめられていた傅柔(ふじゅう)は、それでも病の宮女・小鹿(しょうろく)に食事を届け、読み書きを教えることを約束した。しかし、自分の食事を盗み食いされてしまうが、傅柔(ふじゅう)は機転を利かせてその場を収めた。そこに秦王(しんおう)が現れ、一緒に食事をしようと誘うが、何司赞たちに阻まれ、傅柔(ふじゅう)は秦王(しんおう)に先に帰るよう説得し、自分は大量の縫い物に取り掛かった。

清醉閣の掃除に回された傅柔(ふじゅう)は、乳母に放置された皇太孫(こうたいそん)を見つける。傅柔(ふじゅう)はかわいそうに思い、世話を始めた。すると、刺客が現れ皇太孫(こうたいそん)を襲おうとした。傅柔は皇太孫(こうたいそん)を連れて逃げ、刺客に寝返ることを拒否した。危機一髪の時、韋松(いしょう)が皇后(こうごう)の詔書を持って現れ、傅柔を尚礼局の尚宮に任命した。傅柔は驚きながらも、これが皇后(こうごう)の試練だったのだと悟った。

一方、厳子方(げんしほう)は東宮を去り、陸雲戟の屋敷を訪ね、今のうちに備えをすべきだと進言した。陸雲戟は疑念を抱きながらも、最終的にはその提案を受け入れ、陸琪(りくき)に送客させた。陸琪(りくき)は厳子方(げんしほう)に敵意を抱き、復讐の機会を伺っていたが、陸雲戟は事を荒立てないように釘を刺した。

盛国で再び仮乱が起き、陸雲戟が出徴することになった。皇帝(こうてい)は杜寧(とねい)に兵糧の管理を命じたが、実際は陸雲戟を監視するためだった。杜寧(とねい)は陸府を訪れ、庭で子供と遊んでいた傅音(ふいん)と鉢合わせする。傅音(ふいん)は慌てて身を隠した。陸琪(りくき)は傅音(ふいん)に杜寧(とねい)の真の目的を教え、必要ならば強硬手段に出るよう示唆した。

こうして、様々な思惑が交錯し、権力、忠誠、復讐をめぐる争いが静かに幕を開けた。

第43話の感想

第43話は、傅柔の不屈の精神と、宮廷内の権力争いの激化が印象的なエピソードでした。掖庭局での辛い日々の中でも、傅柔は優しさを失わず、小鹿(しょうろく)を助けたり、皇太孫(こうたいそん)を守ったりする姿は、彼女の芯の強さを改めて感じさせます。刺客から皇太孫(こうたいそん)を守り抜いたことで、皇后(こうごう)からの試練を乗り越え、尚宮に任命される展開は、まさに「苦尽甘来」といったところでしょうか。盛楚慕(せいそぼ)が傅柔を無視するシーンは胸が痛みましたが、二人の関係が今後どのように変化していくのか、目が離せません。

一方、梁王は、太子(たいし)の信頼を得ようと画策するも、皇帝(こうてい)の怒りを買い、窮地に立たされます。権力にしがみつく彼の焦りと不安が、画面越しにも伝わってきました。そして、陸雲戟と厳子方(げんしほう)の密談、盛国での仮乱など、新たな火種が次々と生まれており、今後の展開がますます予測不可能になっています。

特に印象的だったのは、傅柔が皇太孫(こうたいそん)を助けるシーンです。刺客の襲来という緊迫した状況下で、傅柔は冷静さを保ち、機転を利かせて皇太孫(こうたいそん)を守り抜きました。この勇敢な行動が、皇后(こうごう)の目に留まり、尚宮への抜擢に繋がったことは、大変感動的でした。また、小鹿(しょうろく)への優しさや、食事を盗み食いされた際の機転など、傅柔の人間としての魅力が改めて描かれており、視聴者として彼女を応援せずにはいられません。

つづく