韓王(かんおう)の行いに激怒した皇帝(こうてい)は、彼を謹慎処分とし、文書館の活動を停止、全ての職務を周王(しゅうおう)に委任しました。文書館の臣下たちも韓王(かんおう)府から追放されました。この知らせを聞いた太子(たいし)は、愛妃孫霊淑(そんれいしゅく)の死を受け入れられず、牢獄で首を弔ろうとしましたが、衛兵に発見され一命を取り留めました。しかし、喉を傷つけ声を失ってしまいました。
キン楠公主(きんなんこうしゅ)は韓王(かんおう)の謹慎に激怒し、傅柔(ふじゅう)に詰め寄ろうとしましたが、傅柔(ふじゅう)は後宮の規律と公正さを説き、公主を納得させました。
一方、韓王(かんおう)府では、韓王(かんおう)が酒に溺れ、孫霊淑(そんれいしゅく)の死と自分の過ちを悔いていました。盛楚慕(せいそぼ)は静かに寄り添い、共に杯を交わしました。韓王(かんおう)は盛楚慕(せいそぼ)に「今いる人を大切にしろ」と諭し、同時に自分の将来への不安、もはや以前のように盛楚慕(せいそぼ)を守れないかもしれないという思いを吐露しました。
梁王太子(たいし)の一件では、厳子方(げんしほう)が告発、盛楚慕(せいそぼ)が警備、馬海虎(かいこ)が温泉宮へ急報と、それぞれ功績を挙げ、皇帝(こうてい)から褒賞を受けました。周王(しゅうおう)の清廉潔白さも称賛され、宮中では周王(しゅうおう)への支持が高まり、人々はこぞって顔妃(がんひ)に媚びへつらうようになりました。珍妃(ちんひ)はこれに不満を抱き、傅柔(ふじゅう)に愚痴をこぼしますが、傅柔(ふじゅう)は沈黙を守ります。その会話中、珍妃(ちんひ)は体調不良を訴え、傅柔(ふじゅう)は懐妊の可能性を指摘、後に太医によって妊娠が確認されました。皇帝(こうてい)は喜び、珍妃(ちんひ)の元へ向かおうとしたその時、顔妃(がんひ)が倒れました。
急遽顔妃(がんひ)の宮殿へ向かった皇帝(こうてい)。太医は見当もつかず、煎じ薬の処方が原因だと判明しました。処方箋は司徒真(しとしん)によるもので、玉内侍(ぎょくないじ)と周王(しゅうおう)は司徒真(しとしん)に謀仮の疑いがあると睨みますが、傅柔(ふじゅう)は司徒真(しとしん)を弁護します。司徒真(しとしん)に落ち度はあるものの、謀仮とするには証拠不十分と皇帝(こうてい)は判断し、傅柔(ふじゅう)に顔妃(がんひ)の看病を命じました。
顔妃(がんひ)を救うため、周王(しゅうおう)は民間の名医を募り、多額の褒賞と太医署の官職を与えると発表しました。覆水(ふくすい)は変装して宮中に潜入し、顔妃(がんひ)を目覚めさせられると名乗り出ます。周囲の疑いの目をよそに、皇帝(こうてい)の許可を得て鍼治療を行い、顔妃(がんひ)を蘇生させました。しかし、傅柔(ふじゅう)は覆水(ふくすい)と玉内侍(ぎょくないじ)の間に何かあると察知します。
その頃、厳子方(げんしほう)は陸盈盈を閉じ込め、彼女の心を取り戻そうとしますが、陸盈盈は拒絶し、断食まで始めます。厳子方(げんしほう)の説得も虚しく、陸盈盈は夜陰に紛れて逃亡しました。
休暇で宮外に出た傅柔(ふじゅう)は、宮門で盛楚慕(せいそぼ)とばったり出会います。互いに思うところはあっても、誤解から素直になれません。そこに周王(しゅうおう)が現れ、傅柔(ふじゅう)との親密さをわざと盛楚慕(せいそぼ)に示し、嫉妬させようとします。しかし、傅柔(ふじゅう)の言葉からは盛楚慕(せいそぼ)への変わらぬ想いが感じられ、二人の関係に新たな展開の兆しが見えました。
第48話の感想
第48話は、宮廷内の権力争い、愛憎劇、そして様々な陰謀が複雑に絡み合い、息つく暇もない展開でした。韓王(かんおう)の失脚、太子(たいし)の悲劇、珍妃(ちんひ)の懐妊、顔妃(がんひ)の倒れるなど、次々と起こる出来事に目が離せませんでした。
特に印象的だったのは、韓王(かんおう)の変わり果てた姿です。かつては野心と自信に満ち溢れていた彼が、愛する人の死と自らの過ちによって深く傷つき、弱々しい姿になってしまった 対比が胸を締め付けました。盛楚慕(せいそぼ)との酒を酌み交わすシーンは、二人の友情と、韓王(かんおう)の苦悩がひしひしと伝わってきて、非常に切ない場面でした。
一方、周王(しゅうおう)は著実に権力を掌握しつつあります。皇帝(こうてい)からの信頼も厚く、宮中の人々は彼に媚びへつらうように。この状況に珍妃(ちんひ)は不満を募らせていますが、傅柔(ふじゅう)は冷静さを保っています。傅柔の洞察力と判断力は、この混沌とした宮廷で重要な役割を果たしていくことでしょう。
顔妃(がんひ)の突然の倒れるは、新たな波乱を予感させます。司徒真(しとしん)の処方した薬が原因であることは明らかですが、本当に謀仮の意図があったのかは不明です。覆水(ふくすい)の登場も謎めいており、今後の展開が非常に気になります。
つづく