傅柔(ふじゅう)は周王(しゅうおう)とのこれ以上の関わりを避けようと、両親に会うため実家へ帰ることにした。しかし、帰路の途中で陸盈盈に呼び止められる。陸盈盈は必死の思いで、梁王へ自分の生死を共にする覚悟を伝えるよう傅柔(ふじゅう)に頼んだ。傅柔(ふじゅう)は説得を試みるも聞き入れられず、仕方なく陸盈盈を傅家に連れて帰ることにした。

実家では、傅音(ふいん)が既に帰っているという嬉しい驚きが待っていた。二叔母(じしゅくぼ)によると、傅濤(ふとう)が拾ってきた捨て子を傅音(ふいん)と共に家に帰したのだという。傅柔(ふじゅう)の姿を見るなり、傅音(ふいん)はこれまでの苦労を訴えながら泣きじゃくった。落ち著きを取り戻した傅音(ふいん)は、傅柔(ふじゅう)の後ろにいる陸盈盈に気づき、二人の間に微妙な空気が流れる。傅柔(ふじゅう)は慌てて二人の面識を尋ねた。

陸盈盈は傅音(ふいん)の身の上と陸家に入った理由を知り、激昂する。復讐のために陸琪(りくき)だけでなく自分自身も破滅させたと傅音(ふいん)を責め立て、憎しみの連鎖を危惧する。善児(ぜんじ)が大きくなった時、陸琪(りくき)の仇を討つために傅音(ふいん)を殺すのか、それとも傅音(ふいん)の仇を討つために陸琪(りくき)を殺すのか、と。この言葉に傅柔(ふじゅう)は深く責任を感じ、三姨娘(さんいんにゃん)の霊前で傅音(ふいん)をちゃんと守れなかったことを悔やんだ。

一方、覆水(ふくすい)は顔妃(がんひ)の病を治したことで名を馳せ、「顔」の姓を賜り、正式に太医署の一員となった。何太医(か たいい)の後任として顔妃(がんひ)の専任医となる。宮中での顔妃(がんひ)の地位は向上し、侍女も横柄になっていく。ある日、顔妃(がんひ)の侍女が珍妃(ちんひ)の侍女・梧桐(ごどう)とぶつかり、御下賜の装飾品を落としてしまう。顔妃(がんひ)の侍女は梧桐(ごどう)を叱責しようとするが、珍妃(ちんひ)は梧桐(ごどう)をかばい、逆に顔妃(がんひ)の侍女を叩かせた。李宝林が仲裁に入り、事態は収拾した。

また、韓王(かんおう)が謹慎処分を受け、馬海虎(かいこ)は役人と結託して韓王(かんおう)の質屋を乗っ取ろうと画策する。揉み合いになる中、かつて韓王(かんおう)妃に恩を受けた馬海妞(ば かいちゅう)が現れ、質屋の番頭を助ける。妹の介入に激怒した馬海虎(かいこ)は馬海妞(ば かいちゅう)を殴りつける。馬海虎(かいこ)の出世を知った怜燕児は、密偵の身分を捨てて彼に嫁ぎたいと告白する。馬海虎(かいこ)は大喜びで、翌日、証となる品を持ってくる約束をする。しかし、厳子方(げんしほう)は怜燕児を覆水(ふくすい)の元へ連れて行く。怜燕児の情報によって計画が失敗したため、覆水(ふくすい)は彼女を殺害し、厳子方(げんしほう)に口止めをする。

皇帝(こうてい)は王太妃(おうたいひ)を訪ね、その手腕を賞賛する一方で、顔妃(がんひ)の偏袒を戒める。その後、傅柔(ふじゅう)は陸盈盈の頼みで梁王に面会し、陸盈盈の真心と覚悟を伝える。しかし、梁王は頑なに信じようとせず、陸盈盈が苦しむ姿を見なければ潔白は信じられないと言い放つ。間もなく、梁王は賜死となり、謝罪の書を残して毒を飲んで自害する。皇帝(こうてい)がその書を読むと、半分は陸盈盈への告発だった。

第49話の感想

第49話は、様々な登場人物の運命が大きく動き出す、波乱に満ちた回でした。傅柔(ふじゅう)は周王(しゅうおう)との関係を断ち切り、家族との再会を望みますが、陸盈盈の悲痛な願いに巻き込まれていきます。陸盈盈の梁王への深い愛情と、梁王の頑ななまでの不信は、悲劇的な結末を予感させます。二人のすれ違う思いは、見ているこちらも胸が締め付けられるようでした。

傅柔(ふじゅう)の実家での出来事も印象的です。傅音(ふいん)と陸盈盈の思いがけない再会、そして過去の因縁が明らかになるシーンは、今後の展開への伏線となっているように感じます。特に、陸盈盈の言葉は重く、憎しみの連鎖がどこまで続くのか、不安を感じさせます。傅柔(ふじゅう)の自責の念も深く、彼女が今後どのようにこの問題に向き合っていくのか、注目したいです。

宮中では、顔妃(がんひ)の台頭と珍妃(ちんひ)との対立が描かれています。権力争いの激化は、宮廷内の緊張感を高めています。覆水(ふくすい)の出世も、今後の物語に大きな影響を与えそうです。彼の冷酷なまでの行動は、不穏な雰囲気を漂わせています。怜燕児の最期はあまりにも残酷で、彼女の純粋な想いが踏みにじられたことが悲しく、憤りを感じました。

つづく