皇帝(こうてい)が目覚めたが、すぐにまた昏倒してしまう。焦る周囲とは裏腹に、既に周王(しゅうおう)に政務を代行させていると得意げに報告する顔妃(がんひ)。皇帝(こうてい)は何か言いたげだったが、体力が尽き再び意識を失った。二度目の鍼治療は危険だと太医に告げられ、皆はただ皇帝(こうてい)の回復を待つしかなかった。

宮中からの連絡を急ぐ傅柔(ふじゅう)は、顔妃(がんひ)の許可なく外出できない状況に焦燥していた。独孤将軍(どっこしょうぐん)に助けを求めるも、将軍は突然倒れ、血を吐いてしまう。この機に乗じ、顔妃(がんひ)は禁軍の指揮権を鍾将軍(しょうしょうぐん)に移し、鍾将軍(しょうしょうぐん)は顔妃(がんひ)への忠誠を誓った。覆水(ふくすい)の進言で厳子方(げんしほう)が副官に任命され、早速盛楚令(せいそれい)が捕らえられてしまう。

キン楠公主(きんなんこうしゅ)は顔妃(がんひ)に詰め寄るが、逆に侍衛との密通を疑われ、侍女の珍珠(ちんじゅ)は厳しい尋問を受ける。珍珠(ちんじゅ)は決して屈せず、拷問の末に命を落とした。駆けつけた傅柔(ふじゅう)は顔妃(がんひ)を激しく非難するが、顔妃は冷淡に言い返すだけだった。珍珠(ちんじゅ)を厚葬する一方で、盛楚令(せいそれい)への追及を強め、傅柔(ふじゅう)の尋問への立ち会いは許可するものの、呉尚儀(ごしょうぎ)を幽閉し、キン楠公主(きんなんこうしゅ)も軟禁状態に置いた。

禁軍の監視下から盛楚令(せいそれい)は脱走し、厳子方(げんしほう)は傅柔(ふじゅう)に自分の立場を明確にし、二人は袂を分かつ。傅柔(ふじゅう)は凧を使って宮外に情報を伝え、盛楚慕(せいそぼ)は弟の救出を決意。厳子方(げんしほう)と覆水(ふくすい)の山荘で会う約束を取り付ける。

同時に、傅柔(ふじゅう)は李宝林を通して喬嬪(きょうひん)に連絡を取り、キン楠公主(きんなんこうしゅ)の助命を嘆願する。娘の身を案じる喬嬪(きょうひん)は他の妃嬪たちと共に顔妃に圧力をかける。しかし、顔妃は表面上は受け入れるふりをして、キン楠公主(きんなんこうしゅ)の部屋に刃物を仕込み、自殺に見せかけて殺害する。禁衛所の火災で真相は隠蔽され、鍾将軍(しょうしょうぐん)は厳子方(げんしほう)に責任を押し付け、厳子方(げんしほう)は情報統製によって顔妃の不安を鎮めた。

約束通り覆水(ふくすい)の山荘へ赴いた盛楚慕(せいそぼ)は、厳子方(げんしほう)と取引を開始する。厳子方(げんしほう)は秦王(しんおう)の居場所と宮中の連絡闇号を要求し、盛楚慕(せいそぼ)は弟の救出を最優先とした。取引の最中、盛楚慕(せいそぼ)の策略で厳子方(げんしほう)が手にした文書は遠隔操作で破壊される。膠著状態の中、覆水(ふくすい)が盛楚慕(せいそぼ)に矢を放ち、盛楚慕(せいそぼ)は弟を庇って崖から転落、生死不明となる。覆水(ふくすい)は捜索を続け、盛楚慕の行方を探させた。

第53話の感想

第53話は、息もつかせぬ展開で、見ている側もハラハラドキドキさせられました。顔妃の冷酷さと狡猾さが際立ち、権力を握った彼女の暴走はもはや誰にも止められないのではないかという恐怖を感じます。珍珠(ちんじゅ)の死はあまりにも悲しく、傅柔の怒りは視聴者の私たちにも痛いほど伝わってきました。権力闘争の残酷さを改めて突きつけられると同時に、それでもなお希望を捨てず、抵抗を続ける傅柔の姿には勇気をもらいます。

特に印象的だったのは、盛楚慕が弟を救うために危険を顧みず、覆水(ふくすい)の山荘に乗り込むシーンです。取引の駆け引きも緊迫感がありましたが、最後は覆水の放った矢によって崖から転落してしまうという衝撃的な結末。盛楚慕の生死が分からず、次回への不安が募ります。

一方、厳子方(げんしほう)の苦悩も描かれていました。顔妃に忠誠を誓いながらも、傅柔との友情の間で揺れ動く彼の葛藤は見ていて辛いものがありました。今後、彼はどちらの道を選ぶのか、彼の選択にも注目したいです。

つづく