傅柔(ふじゅう)の部屋の前に、盛楚慕(せいそぼ)の血痕が付いた香囊が置かれていた。彼女は酷く動揺し、周王(しゅうおう)に詰め寄るも、彼は何も知らないと答えるばかり。怒りに震える傅柔(ふじゅう)は、周王(しゅうおう)を平手打ちしてしまう。

次に彼女は厳子方(げんしほう)に話を聞きに行くが、彼は傅柔(ふじゅう)が知っても傷つくだけだと告げ、周王(しゅうおう)のことを考えるよう促す。情報を得られない傅柔(ふじゅう)は、韋松(いしょう)を見舞いに行く途中、黄内侍(こうないし)に遭遇。何か怪しいことがあれば教えてくれるよう頼む。

その夜、黄内侍(こうないし)は曹内侍(そうないし)と何者かがこそこそしているのを目撃する。傅柔(ふじゅう)はこの情報を得て符璽郎(ふじろう)の元へ。玉璽を曹内侍(そうないし)に奪われるのを防ぐため、符璽郎(ふじろう)は傅柔(ふじゅう)に玉璽を託す。傅柔(ふじゅう)が来たことを知った曹内侍(そうないし)は、禁衛に傅柔(ふじゅう)の捜索を命じる。

一度は逃げおおせた傅柔(ふじゅう)だが、禁軍が喬嬪(きょうひん)の宮を捜索していると知り、不安に駆られる。以前、キン楠公主(きんなんこうしゅ)の偽装死を企て、喬嬪(きょうひん)に匿ってもらったため、彼女が発見されることを恐れたのだ。傅柔(ふじゅう)は喬嬪(きょうひん)の宮に行き、禁軍の注意を自分に引きつけ逃走を図るも、すぐに捕まってしまう。玉内侍(ぎょくないじ)は女官たちの命を盾に、玉璽を渡すよう迫る。

捕らえられた傅柔(ふじゅう)は、通りかかった楊柏に魯国公府へ知らせに行くよう頼む。乗り気でない楊柏に、これは功績を立てるチャンスだと説得し、玉璽が湖心亭の側の大きなザクロの木の下に埋められていると伝える。しかし、楊柏はすぐに曹内侍(そうないし)に玉璽の場所を密告してしまう。彼は先皇后(こうごう)に兄弟を殺された恨みから、周王(しゅうおう)に味方することを選んだのだ。傅柔(ふじゅう)は深く失望する。

楊柏を信じ、玉璽の隠し場所を明かしてしまったことを後悔していると、窓の外に黄内侍(こうないし)が現れ、もう一度策を練るよう傅柔を励ます。

後宮を掌握した顔妃(がんひ)は、牢にいる太子(たいし)と韓王(かんおう)を餓死させようと企み、毎日半椀の粥しか与えない。兄弟喧嘩を誘発しようとしたのだ。ある日、二人は喧嘩を装い、協力して獄卒を気絶させ脱獄。韓王(かんおう)は尚食局で腹一杯食べたいと言うが、太子(たいし)は病気の皇帝(こうてい)を見舞いたいと言い、韓王(かんおう)も皇帝(こうてい)のことを思い出す。二人は追っ手を振り切り、甘露殿へ。

盛楚慕(せいそぼ)は崖から落ちたものの奇跡的に生き延び、盛楚令(せいそれい)の元を訪れる。盛楚令(せいそれい)は彼の無事を喜び、キン楠公主(きんなんこうしゅ)の仇を討つと言うが、盛楚慕(せいそぼ)は彼女が生きていることを伝える。二人は禁苑で百騎を集め、宮廷の奸臣を討つ準備を進める。

玉内侍(ぎょくないじ)は皇帝(こうてい)の闇殺を企て、罪を周王(しゅうおう)に著せようとする。顔妃(がんひ)は密かに周王(しゅうおう)に何かを渡し、皇帝(こうてい)を救うよう指示。甘露殿に著いた周王(しゅうおう)は、突然剣を抜いて護衛の禁軍を斬りつける。太子(たいし)と韓王(かんおう)は隠れて様子を伺っていたが、周王(しゅうおう)が皇帝(こうてい)を守ろうとしているのを聞き、彼に加勢する。三人は皇帝(こうてい)を背負って逃げるが、すぐに禁軍に追われる。玉内侍(ぎょくないじ)は周王(しゅうおう)を捕らえ次第殺すよう命じ、懇願する顔妃(がんひ)を激昂のあまり絞め殺してしまう。

三人は追っ手と戦いながら皇帝(こうてい)と共に逃亡する。途中で皇帝(こうてい)は意識を取り戻す。絶体絶命のその時、盛楚慕(せいそぼ)率いる百騎が現れ、彼らを救出。さらに、方相たちが大殿に捕らえられ、覆水(ふくすい)に殺されそうになっていることを知り、大殿へ向かう。

第54話の感想

第54話は、まさに怒涛の展開でした。息つく暇もないほどの出来事が次々と起こり、手に汗握るハラハラドキドキの連続。特に傅柔の窮地には、思わず声を上げて応援してしまいました。楊柏の裏切りには本当に腹が立ちましたが、これも物語をより一層盛り上げるスパイスになっていると感じます。

玉璽を巡る攻防は、傅柔の機転と勇気が光る場面でした。捕らえられた後も、楊柏を利用しようとするなど、最後まで諦めない彼女の強い意誌に心を打たれました。しかし、その策が裏目に出てしまう展開は、見ているこちらも辛い気持ちになりました。黄内侍(こうないし)の登場は、一筋の希望の光。彼女の窮地をどう切り抜けるのか、次回が待ちきれません。

一方、牢獄から脱出した太子(たいし)と韓王(かんおう)の兄弟愛にも感動しました。食よりも皇帝(こうてい)を案じる太子(たいし)の姿は、真の皇族としての風格を感じさせます。二人の協力プレイで追っ手をかわすシーンは、手に汗握るアクションシーンとしても見応えがありました。

そして、崖から生還した盛楚慕(せいそぼ)!彼の復活は、まさに希望の象徴です。キン楠公主(きんなんこうしゅ)が生きているという事実も明らかになり、今後の展開に期待が高まります。百騎を率いて宮廷に乗り込む姿は、まさにヒーローの帰還。悪を討つ彼の活躍に、胸が熱くなりました。

最後に、周王(しゅうおう)の覚悟と顔妃(がんひ)の最期にも触れておきたいです。皇帝(こうてい)を守るため、命を懸けて戦う周王(しゅうおう)の姿は、彼の成長を強く感じさせます。顔妃(がんひ)の最期は悲劇的でしたが、彼女の周王(しゅうおう)への想いが伝わってくる感動的なシーンでした。

つづく